話す為に聴く
私は、話せない人でした。
上がり症、ドキドキする、途中から何を言っているのか分からない。
どもる、モゴモゴする。
それを指摘されると、もう、
話したくない、話せない。
ならば、話さない方が楽。
でも、心の底では、話したい。
だから、話せるようになりたい。
そう思い、話すことを学びました。
ただ、話すことよりも、聴くことが出来れば、
話せるようになると、学びました。
では、どうすれば良いのか。ステップごとに解説していきます。
克服したい方は、是非最後までお読み下さい。
こんな私でも出来ましたから、大丈夫です。
ステップ① 話を聴く!
私の、今の、課題です。
話を聴く!です。
聞くではありません。
聴く、です。
いやー、やりがいが半端ない。
元々、話すのも下手でした。
ただ、販売業をやっていたせいなのか、話の中で、聴く力が無い。
表情のせいか、怖い、ご指摘を頂くことも多々ありました。
釣具店で勤務していました。
釣具という特殊な販売業なので、売り手である、こちらが専門知識がある。
専門知識のある方の方が、応対しやすい。
専門知識のない方には、説明する。
その説明の中で、相手の希望を聞き出し、いいものを提案する。
そんな仕事を15年やっていました。
いつの間にか、話を聴けなくなっていました。
応対を短くしなければ、というこちら側の要望なのです。
話を聴くには、相手の気持ちに共感する必要がある。
相手の状況を理解して、相手の気持ちを感じなければならない。
相手の思いを、一旦受け取る。
その後で、相手の言葉を要約して伝え、自分の考えを
伝える。
男性は、結論を急ぐ。
アドバイスしたがる。
知識が邪魔をする。
自分の事を話してしまう。
例えば、夫婦の会話。
夫「ただいま。」
妻「なんで、遅いの!」
夫「仕事が忙しいからに決まっているだろ!」
妻「どうせ家のことなんか、何も考えていないんでしょ!」
夫「誰の為に働いていると思ってるんだ!」
これは、ヤバイ!
さて、こうならない為に、世の旦那様へ。
夫「ただいま。」
妻「なんで、遅いの!」
夫「俺も早く帰って来たかったんだけどなぁ。残業になっちゃって。」
妻「それは大変だったわね。」
旦那さんの最初の一言で、全く違う展開です。
夫の一言で、妻は、「そう思ってたけど、遅くなったんだ。」と分かる。
世の夫の皆様、聞く側が少し余裕を持てば、相手の反応も変わります。
ステップ② 相手をそのまま受け取る
聴くには、相手をそのまま受け取る。
相手の気持ちになる。
相手に共感する。
同情ではありません。
あくまで、第三者として。
そのうえで、相手の言葉を要約して伝え、聴いていることを確認して貰い、自分の気持ちを伝える。
アドバイスしては、駄目。
例えば、夫婦あるある。
妻「隣りの奥さんと喋ってたら、1時間喋っちゃって、、、」
夫「そんな時は、こうやって断るんだよ、、、」
アドバイスしてしまう。
妻の気持ちに全く反応していない。
聞いてない!
では、どうすれば良かったのか。
妻の言葉に対して、
夫「そんな一日があったんだね。大変だったね。」
と、受け止めるだけ。
ステップ③ 話す2倍聴く
口はひとつ、耳は二つ。
話すの倍、聞く。
話す倍、聞かなくてはいけない。
アサーティブな会話をする。
アサーティブとは、自分も相手も大事にする、聴き方です。
できる人は、できる。
相手に対して、聞いてますよ!と、サインを送り続ける会話です。
視線、表情、姿勢、頷き、言葉。
その中でも、言葉!
例えば、
「〇〇ということですね。随分頑張ってきたんですね。」
という言葉。
あなたに関心があります、という事を示す言葉です。
自分の事も大切にするが、相手の事も大切にする。
自分の事だけになると、アグレッシブ、攻撃的。
相手を優先し、自分を後回しにすると、ノンアサーティブ、非主張的。
相手の言葉を一旦受け取る。
その上で、自分の気持ちを述べる。
ステップ④ 声かけの仕方
オープンクエスチョンと、クローズクエスチョン。
例えば、
「昨日、どこ行ったの?」
「デパート。」
「何か、買った?」
「買わなかった。」
会話が終わってしまう。
では、
「昨日、どんな風に過ごしたの?」
「朝、犬の散歩、お昼に、デパート、夕方、映画観たかな。」
会話に、選択肢がたくさんになる。
こんな感じで、選択肢を持たない質問、はい、か、いいえ、で答えられない質問。
これが、オープンクエスチョンです。
このオープンクエスチョンを駆使することで、相手との共通点、話したそうな事、を見つけていく。
話の糸口を探していく。
ひとつひとつ、話を切り出して、相手の反応を見て、話したそう、を見つける。
ステップ⑤ 気持ち言葉
気持ち言葉をつかう。
女性は、上手です。
男性は、下手。
そんな傾向があります。
さて、女性は、「気持ち言葉」で答える。
人の気持ちに敏感です。
「大変でしたね。」
「よかったですね。」
という言葉が出てくる。
得意です。
逆に、男性は、「知的まとめ言葉」が得意です。
「それは、どういうことなんだ。」
と、追求する。
「こうやればいいんだよ。」
「よくある事たよ、私も経験あるよ。」
自分の話を始める。
アドバイスしたがる。
相手の気持ちに寄り添って、「聴いて」いると、気持ち言葉が出てくる。
ステップ⑥ 承認する肯定する
相手を否定しない。
例えば、おじいさんとの会話。
「眼鏡が無い、どこかになおしたか?」
「机の上にあるでしょ。自分でここに置いたの、忘れてるだけでしょ。」
これは、ダメ!
では、いい例です。
おじいさんの質問に対して、
「前にそう言ったとき、どこにあったっけ?」
「あ、前は、机の上かな。」
「じゃ、そこを探してみようか。」
相手を否定しない。
言葉のやり取りではなく、会話をする事を意識する。
共感しながら、いたわりの気持ちを持って聴いていく。
さあ、落ち着いて、余裕を持って対応しよう。
ステップ⑦ 練習あるのみ
聴く練習です。
周りの人に関心を持つ。
よく観察する。
自分から声掛けする。
相手が話す。
聴くに徹する。
これを、日々、日常で行う。
人の心にある心理法則を知る。
自分に関心を持って欲しい。
自分の事を分かって欲しい。
自分のをありのまま受け入れて欲しい。
自分の気持ちに共感して欲しい。
自分が経験したつもりで、共感の気持ちを伝えるのです。
さあ、この心理を理解して、実践です。
ステップ⑧ 相手に気付かせる
話を聴いてあげることは、相手に気づきを与える。
相手の話を聴く事で、相手は、心の中を言語化することになります。
自分の中にある、心の声を言葉にする。
そうする事で、相手自身が自分で気づく。
聴き手は、直そうとしない、分かろうとする、です。
アドバイスしない。
話すは、放つ、です。
相手は話す、話す事で、心を放つのです。
その時は、ただ、ただ、聴く。
聴く時は、自分の視点を相手に押し付けない。
相手の言葉を正しく理解する。
同じ視点で見る。
自分のフレームで見ない。
相手のフレームで、見る!
ここでも、共感性ですね。
自分の価値観を相手に押し付けないこと。
経験やスキルが高い人ほど、陥りやすいです。
さあ、意識を変えて、行動しよう。
ステップ⑨ 声かけの工夫
質問の仕方を工夫する。
いつ、誰が、何処で、何を、どうする、です。
なぜ?どうして?は、聞き方に注意です。
相手を問い詰める感じがします。
どんな風にして、そうなったの?と聞いてあげた方がいい感じがします。
分かる!も、あまり宜しくない。
何が分かったかを、具体的に言った方がいい。
なぜ?よりも、どうしてなんだろう?と、一緒に考える感じの方がいいかも。
相手に寄り添っている感じがします。
あと、表面的な質問になりがちな時は、深掘りしながら聴く。
相手が話すキーワードを、具体的には?とか、その事をどんな風に思ってるの?とか、聴いてあけましょう。
話の三要素を聴くといいです。
事実、気持ち、欲求、の3つです。
何があったのか?
どのように感じているのか?
どうしたいのか?
この3点を、より具体的に掘り下げる。
そうすると、話が明確化される。
そして、問題、原因、対策、行動について、聴く。
何が問題か?原因は何か?対策は何か?実際に何をするか?
相手の考えていることが、見えて来る。
こんな感じ。
ステップ⑩ 相手に合わせる
聴き手の声のトーンと大きさについて
抑え気味で、ゆっくりとしたトーンで聴く。
ただし、相手のトーンと合わせるを意識する。
とにかく、リラックス。
緊張は、相手に伝わります。
相手の良いところ、優れたところを見つけて、話の焦点にする。
思い込みを捨て、話を聴く。
決めつけしないこと。
相槌も大切です。
そうなんだ、それから?
へぇ、あなたは、その時どうしたの?
と、話を深める質問をする。
同情は駄目です。
相手を下に見ています。
可哀想ではなく、
辛かったでしょ、と共感することが大切です。
アドバイスしたがる、相手の役に立ちたい、何を言ってあげよう、何をアドバイスしよう、と考えていると、聴き方がいい加減になる。
自己満足のアドバイス。
話してるは、考えを押し付けられたと感じます。
アドバイスしたい、自分の経験を話したいと思ったら、赤信号です。
最後のアドバイスしたがる、これは私ですね。
仕事上、アドバイスするのが、仕事でした。
上手な販売員は、聴き上手です。
話を聴いた上で、最後にアドバイス。
下手な販売員は、自分の経験を元に、言葉で相手を誘導する。
ラストステップ(おまけ)
質問の仕方で、私も悩んでいました。
話の三要素、事実、欲求、それに加えて、色、音、香り。
どんな色?
どんな音?
どんな香り?
情景が浮かびやすいですね。
あと、相槌は、あ、い、う、え、お、です。
ああー!
いやー!
うぉー!
えー!
おお!
あと、どうしても、質問が出て来ない時は、繋ぎ言葉を使う。
それから?
というと?
誰と?
エコ話法です。
他にも深めたいなら、
例えば?
具体的には?
横に広げたいなら、
他には?
このあたりを使うと、聴くことができるようになります。
皆さん、気付かれましたか?
聴いて、的確な声かけをしている。
それ自体が、話すということなのです。
話すのが苦手な方は、
是非、
聴くを意識して、声かけしていきましょう。
おわり