結婚と子供は必須科目なのか
じゃあもうそろそろ結婚だねとか、子供ができたら仕事なんてやってられないからとか、言われることが増えた。
私の親世代はきっと、結婚と子供と専業主婦がセットの世代で、そこまでやって「普通」だったんだろうと思う。
今の彼氏と結婚は考えている。2人でコロナになった時に私が家族じゃない「ただの彼女」だったばっかりに、彼を1番近くで支えられなかったのが悔しかったからだ。
互いが弱っている時に、法律に負けて、自分が1番近くにいることが許されないのが嫌だったからだ。
私はそう思って結婚をしたいのに、なんか親世代からは「次のミッションは結婚!もうそろそろクリアかな?よかったね!」とか言われてる気分になる。
立派な母親になるための通過儀式みたいな気持ちで、結婚したいんじゃない。世間体を気にして、周りと比べて、結婚を考えてるんじゃないのに。
「養ってくれる男探しは早く始めよう!」
「男の職業は大丈夫?!」
「あなたはもう子供制作までクリアしましたか?!」
巨大広告の中に埋もれている気分というか、まるで東京の街中に、ひとりぼっちで投げ出されて、キラキラしたCMを延々見させられてるような錯覚におそわれる。
そういう、他人の理想や通ってきた道を押し付けられるのが疲れるのではなくて、多分、自分の考えていることを言い出せない雰囲気に、私はもうヘトヘトになっているのだと思う。
かたや個性を認め合うべき多様性の時代、
かたや結婚出産までが成人儀礼の時代。
間に挟まる私は、いったいどちらを向いて歩けと言うのですか?
どちらも向かなくていい、「自分らしく」いろと言われても、散々、周りの広告を見て、他人の声や理想を押し付けられていたら、なにが正解なんて、なにが「自分らしく」かなんて、わかるはずもない。
私は私なりの好きな考え方や理想がある。
だけどそれを社会に発信するには勇気が必要で、それなりに反発も喰らうとわかっているなら、傷つくことなんてしたくないと思うのは当然ではないだろうか。
だから大人しく、結婚も出産も考えているふりをしながら、それが当たり前のように次の段階として待っているという顔をしながら、親世代と会話をする。
親世代全員が「結婚出産まだ?」とか言うわけではない。
だけど傾向として確かにそこには、「結婚や出産できない女は悪」というソレが転がっているではありませんか。
立派になれなくていい。ただ私は、自分の声を自分の意見として、世の中に発信してみたいだけだ。