見出し画像

「就活(就職活動)」と「越活(越境活動)」、これからの時代の歩き方

今回のテーマは「就活(就職活動)」と「越活(越境活動)」。

これまでの「就活(就職活動)」だけでなく「越活(越境活動)」を個人も企業も取り入れる時代がすぐそこまできていて、それが個人にとっては働き方や生き方の選択肢の広がりに、企業にとってはイノベーションや価値創造のきっかけに、地域にとっては未来の可能性を耕すことにも繋がるという話です。

複業(副業・兼業)など働き方が多様化していく中で、「越活(越境活動)」を概念として言語化していくことに意義があると感じたので記事にすることにしました。

ここ数年間での複業(副業・兼業)の広がりは「人と人、人と企業の繋がり方のイノベーション」と捉えていて、歓迎すべき時代の変化の象徴的な動きの一つだと思います。

ただ、複業(副業・兼業)を何のためにしたいのか?京都・滋賀・大阪を中心にいろんな働き手とお話ししていると、この認識は「お金を第一目的にしたもの」が多く、まだまだ限定的だったり変にハードルが上がっていたりしてもったいないなという印象。これは企業側についても同様です。

複業(副業・兼業)の本質はどこにあるのか?個人と企業はこれをどう捉えたらいいのか?をもっと社会としてシェアしながら拡げていければと感じているところです。

「就活(就職活動)」と「越活(越境活動)」

「越活」とは何か。

越活とは「自分(自社)の枠や垣根をこえて、多様多様な人や物事につながり取り入れる活動」みたいなイメージです。

けっこう、ぼやんとしていますね。

例えば複業(副業・兼業)はもちろん越活の中に含まれますが、複業(副業・兼業)だけが「越活」ではないと思っています。

越活には複業(副業・兼業)はもちろんのこと、
・プロボノ/ボランティア
・出向
・新しいコミュニティ参加
・学び直し/留学
・趣味
・海外旅行
・etc...
などなどけっこう幅広いことが含まれます。

もう少し「複業(副業・兼業)」を例にとって深堀りしながら、「越活」の解像度を上げられたらと思います。
個人も企業も、複業(副業・兼業)をやろうという時に、そもそも変えた方がいい認識があるんじゃないかと思っていて、それは「就活(就職活動)」という認識です。

就職活動(しゅうしょくかつどう、英: job hunting)は、職業に就くための活動の総称。略す場合は「就活(しゅうかつ)」という[1]。また一般に、仕事をしていた人が一度退職し一定のブランク期間(働かない期間、離職期間、あるいは失業期間)を経て、再び就職することを再就職という[2]。
出典:wikipedia

ここでは、広義に再就職も含めた職業に就くための活動として「就職活動」を定義しておきます。

就活ではいわゆる「(金銭をともなった)仕事を見つけること」が大事です。まずこの前提を変えたらどうかと思っています。なぜかと言うと就活の感覚を持ちすぎると盲目的になって複業(副業・兼業)を読み間違えてしまう気がするからです。

複業(副業・兼業)では何が大事か。例えば「もっと自由に生きたい」「もっと誰かの役に立っている実感が欲しい」「新しい自分を見つけたい」。そして、その上でお金がついてくるといいな、という感覚を持つ方が多いんじゃなかろうかと思います。何となく「お金さえ稼げればいい!」というものではないような気がしますよね。

じゃあこういう複業を「就活」ですぐ見つけられるのか、と考えた時にとたんに難しくなったりハードルが上がってしまう、みたいなことが起こっている気がします。

どうしたらハードルを下げて一歩を踏み出しやすくできるか。

そう考えた時に、いっそ「就活」という感覚を一度とっぱらった方がハードル下がるんじゃないかという話、そこで出てくるのが「越活(越境活動)」です。

越活においては、ある意味金銭よりも琴線にふれるかが大事と言えます。なので「仕事になりそう、儲かりそう」よりも「面白そう、何となくちょっと気になる」とか、そういうものを頼りに手を出してみる。ということです。

この考え方を「就活」と別で持っておく。すると複業(副業・兼業)も見え方が変わるはずです。

就活=仕事を見つける・金銭大事
越活=繋がりをつくり自分を広げる・琴線大事
「就活」と「越活」

「越活」の事例 - 『まちごとオフィス』

例があった方が越活をイメージしやすくなるかなと思うので、越活のひとつのパターンとして実際に取り組んでいる事例をちょこっとご紹介します。

まちごとオフィスは「まちを丸ごとひとつのオフィスに」をコンセプトに京信人材バンク(京都信用金庫)が運営するコミュニティです。2022年2月から始まった実験的コミュニティで、アプリを活用して運営しています。

ここでは「会社員・フリーランス・主婦(夫)・経営者・学生・無職」など、多様なメンバーが越境的に参加していて、複業(副業・兼業)をバリバリ実践する人も居れば、やったことないという人も居るようなお祭り騒ぎになっています。

「おためし複業」という形で複業メンバーを募集するプロジェクトが立ち上がったり、メンバーが勝手に部活を立ち上げたり、ジブン研究のための座談会をひらかれていたりします。

例えば「おためし複業プロジェクト」では、いわゆる専門的なスキルや経験がなくても参画できる複業プロジェクトを不定期で立ち上げていて、参加メンバーが活動を通して繋がりながら、各々がもつ関心のままやりたい形でプロジェクトに貢献するという働き方が生まれています。

「ウェルビーイング爆上がりです」という流行語が生まれるほどイキイキと活動されている方もいて、なかなかにカオスですが、面白いコミュニティです。

こういう越境型コミュニティに参加することは必ずしもすぐに複業(副業・兼業)という結果に繋がらなくとも、多様なロールモデルと出会って繋がることで自分を試せたり視野をひろげられたりします。

結果的に自分にあった複業(副業・兼業)やもしくはそれ以外の自分流のスタイルを見つけるきっかけになる、「越活」のひとつのパターンじゃないかなと思います。

今はまちごとオフィスに限らず色んな越境コミュニティがあります。気軽にどんどん色んなコミュニティをつまみ食いして、自分の琴線にふれるものを探していくのがいいんじゃないかと思います。

企業も越活(越境活動)が人的資本経営やイノベーション創出に

企業にとっても越活は社内に多様性を編み込むために有効な選択肢になりつつあります。社外から複業人材を受け入れたり、社員の越活(社外での複業やプロボノ応援など)を後押しする、などなどを進めている企業が増てきています。

こういう企業は明らかに変化・進化のスピードを早めています。多様な経験・スキルを持った人的資本を社内外に持つことになります。

企業経営の目線では「越活」推進のために、例えば週休3日制や副業解禁と受け入れ、休職制度、出向制度、20%ルール(業務時間の20%を業務外のことに充てる)など社員の時間を創る取組にチャレンジするみたいなことがいいかも知れません。

越活(越境活動)がまちの未来も耕す

地域づくりにも越活(越境活動)がその地域の価値や魅力創出の源泉になると考えています。会社は複業(副業・兼業)に限らず、働き方・生き方の選択肢がより多彩なところほど、人が集まるようになっています。

そう思うと、地域という単位・目線でも「おもしろい働き方・生き方ができて域外からも人が集まる、魅力ある街」になるにはどうしていけばいいのか?そのために個人と企業は何をすればいいのか?を考える段階が来ているんじゃないかと感じます。

これまでの「仕事を見つける就活(就職活動)」だけでなく「繋がりを広げる越活(越境活動)」みたいなことに対して、世の中がもっとひらいていけるかどうか。ということだと思います。

「#越活」が色んな形で広がれば、世の中が面白くなる

個人的には今、「越活」をカチカチに定義してしまうのは良くないなと考えています。こういう言葉をテコに、色んな人が色んな形で越活(越境活動)を社会に広げて、信頼できる良い繋がり・関係性が生まれ、そこからチャレンジしやすい環境が生まれ、街で「どんな人でもまちでタレントになれる」社会に近づく。
そうなるように色んな人と取り組んでいきたいと思います。

ということで、「就活(就職活動)」と「越活(越境活動)」、これからの時代の歩き方という話でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?