九拾七

空の曇った
顔を見上げた

訳を隠した
雲を見つめた

時は足早に
明日は目の前に

過去はいつの間に
今日は風景に

記憶に浮かぶ
風に吹かれる

不意に蘇る
香りに戸惑う

掴む霞む絵
描く明日へ

憂うその先へ
進むこの足で

空へこの手を
片手だけでも

届けれなくても
触れられなくても

昨日は確実に遠く流れて

過去と言う名がそこに生まれる

明日は着実に何気なく現れて

今と言う時がそこに生まれる

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