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冷めたものを、温め直すこと
泣きたくなったあなたへの25こめの記事が、すごく好きだ。松浦弥太郎さんの、真っ直ぐでていねいな、温かい言葉で綴られている。
暮らしとは、常に何かを作ることでもあるけれど、その分、温め直しの日々のような気がしてきました。
ずっと温かいままのものはなくて、冷めていってしまうのが普通。それを、温め直そうとすることが大事なんだというお話だ。
これを初めて読んだとき、わたしは、温め直すことを忘れているどころか、意図的に冷まそうとする癖がある。と、こんなにも優しい文章なのに胸をえぐられてしまった。
あたたかさはしあわせだとある。本当にその通りだと思う。だが、温まりすぎて熱くなって火傷するのが怖くて、ふうっと冷ましてみたり。
また、優しい温かさでさえも、じわじわと冷めていってしまう様が怖くて、自らふうっと冷ましてみたり、する。
冷ましてしまったものは、いったいいくつあるのだろう。もちろん、冷めてしまったものも。
この文章に出会ってからは、ふうっと息を吹きかけそうになったときに、いったんその息を飲み込んでみたりしている。
冷ましてしまって、大丈夫?
冷めたからって、なくなるわけじゃないんだよ。冷めたまんまで、置いてあるよ。
せっかく温めたこの思い、この関係、どうせなら自然と冷めるまで。
冷めてしまったあの思い、あの関係。温め直さなくて良いものもあるけれど、温めなおせばまたあったかほかほか、しあわせな気分になるかもよ?
お味噌汁を温め直す時、ぐつぐついわないように気をつけたりする。お味噌の香りが飛んでしまうから。火にかけた鍋から目が離せないこともある。レンジでチンすれば勝手に温かくなるようなものばかりでもない。だから温め直しって面倒だ。面倒だけども、それが思いや人との関係ってものなのかも。
冷めたまんまのもの、たくさん持ち歩いてる。ちょっとその荷物を降ろして、中身が大丈夫か1つひとつ確認して、温め直そう。温かいものは、自然と冷めるまでそのままで。冷ましたりなんか、しないでね。
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