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大勢の中で発言しない人

わたしである。苦手である。
あの人が発言しこの人がこんな反応をし、あの人は黙っていてそういえばさっきの発言の意味はどうのこうの。これらを処理しきれない状態でわたしが言葉を発すると、災いを呼ぶのではないか?という不安がある。


また、言葉そのものに疑問を持ったりする。「深いですね。」と言っている人を見てそれって本当に深いのだろうか?と考え込んでしまったり。なぜこの人はそれが好きなんだろう?と疑問に思ったとして、「なぜ好きなんですか?」と聞くこと自体、とても野暮な質問ではないか?と自問自答し始めたりする。


とにかく苦手なのだ。


大勢の飲み会や集まりは楽しくて好きだということにしているが、実際はこのような葛藤があってどっと疲れてしまう。


ただ、身につけた嬉しい能力がある。それは、同じように発言しない人を眺めていると、なにも考えていなくて発言しない人なのか、逆に話を理解した上であえて発言をしていない人なのかが、わかるようになったのだ。(直感ではありますが。)


実は、後者の人物は"サシで"話すと最高に面白いという場合が多い。あの子さっきから全然しゃべらないけど無口でつまらなさそうだとか、会話が続きにくそうだとか、発言しないことをネガティブに捉える人もいると思うがむしろ逆である。自分の哲学があり、自分の意見もしっかりあって、言葉選びが上手で知的な人が多い。


わたし自身がこういう人だと主張したいわけではないのだが、周囲には、おしゃべりな人ではないが二人で話すとすごく面白い素敵な人たちがたくさんいる。だからわたしは、「無口や物静か」という特徴をすごくポジティブに捉えている。


あとは、賑やかな集まりの中で自分の空気感を保って居る人はとても魅力的だ。そんな人に自然と目がいくし単純に惹かれる。大勢の中では物静かだけれど、二人でいるときはたくさんの話を聞かせてくれる、そんな人が好きだ、という話でした。

#エッセイ #日記

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カナ
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