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昔、悪口を言われたいと思っていた話

ほんとうに一瞬なのだけど、
昔、悪口を言われたいと思っていた時期がある

悪口を言われるということは
少なくともいい意味でも悪い意味でも
大多数の人が、特定の人が
私を見ていてくれる、ということだ
と考えていたからだ。

興味がなければ、悪口だってでてこない。
だから、あの人は私に興味がある。
あの人はなんやかんやで私のことを
みている。
そんな状況に憧れた。

後にそれは別にいいことではないだろう
と気づくのだけど、
昔、悪口を言われたいと思っていた時期があった。

まとめてしまえばきっと
【注目されたかった】とかだと思うけれど
そのころは
悪口を言われたいと思っていた。

嫌な気持ちにならないのか、
とは思うが
そういうことではどうやらないらしく
ただただ
【人が私を見ていてくれる】
という状況にただただ憧れたのだ。

嫌な気持ちになるならないは、
二の次だった。

今日、電車のなかで、そこにいないこの悪口、
つまりは陰口を、悪気もなさそうに
喋っている高校生を見て思い出したことだった。

もちろんいまは悪口など、言われない方がいいし
むしろ言われて傷つくようなパワーワードも
いくつかは心のうちにあるわけだけれど。

幼い頃の私は、そう思っていたことがあった。

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