大きく、複雑で、絡み合って、漠然としたそれ。
時々、どうしようもない不安に
襲われる夜がある。
別に何かあったわけではなくて
どちらかといえば、昼間は楽しく
にこにことケラケラと過ごした夜に限って
どうしようもない不安に
どことやく突然に襲われる夜がある。
なにが、とかではなくて
どうして、とは説明できず
どうしたら、解決できるのかもわからない。
そしてだいたいその不安は突拍子もない。
例えば
おばあさんが明日死んでしまったら、とか
いつかは私も母の年になるのに
いまのまま年を取るのだろうか、とか
こんな私なのにそんなにお金を
かけてもらう価値があるのだろうか、とか。
突拍子もないうえに、解決など
永遠にできないような不安ばかりである。
漠然とした、大きく、複雑で、絡み合い
もがいている間にはずふずぶと
落ちてしまう不安の沼。
この夜の雰囲気のせいなのか、
頭の思考が鈍っているからか、
それとも
今が素直になり時なのか。
そんなこともわからずに
漠然とした不安に襲われる夜がある。