『7つの習慣』まとめ 1/4
初めに
私がこの本を読もうと思ったきっかけは、毎回のごとく登場するが、オリラジ中田氏が発信しているYouTube大学を拝見し、「キングオブ自己啓発本」と紹介されており、一度は読んでおこうと思い手に取った次第である。
この本の目的は、私的成功を積み重ねることで公的成功を収めるための理想的な人格主義とはなにか、どうすれば形成できるかが丁寧に書き記された言わば『人生の攻略本』の様な本である。
もし、私のnoteを読んで、書籍を読んでみたくなったと思って頂けたら幸いだ。それでは、内容を紹介する。
1. パラダイムと原則
「状況を変えたければ、先ずは自分が変わらなくてはならない。自分が本当に変わるには、ものの見方を変えなければならない。ースティーブン・R・コヴィー」
① 個性主義と人格主義
コヴィー先生が言う人格主義とは、「誠意・謙虚・誠実・勇気・正義・忍耐・勤勉・質素・節制・黄金律など」を指し、これらは人間の内面的にある人格的なことを成功条件として、成功に関する文献に共通して挙げられている。この人格主義が説くのは、「実りある人生には、それを支える基本的な原則があり、それらの原則を体得し、自分自身の人格に取り入れ内面化させて初めて、真の成功、永続的な幸福を得られる」と説いている。
しかし、時代の流れで人格主義は影を潜め、その代わりに「個性主義」が蔓延した。個性主義が人格主義と異なる点は、ざっくり言うと、自分から相手に影響を与えることで上手くいくようにコントロールする点である。人格主義とは似て非なる思想である。
② 第一の偉大さ、第二に偉大さ
才能に対する社会的評価(第二の偉大さ)に恵まれていても、優れた人格を持つこと(第一の偉大さ)ができなければ、成功は短命に終わってしまうと述べている。つまり、個性主義では成功しても持続しないということである。
③ パラダイムの力
パラダイムとは、物事の「見方」。私たちは、自分自身が条件付けされた状態で世界を見ている(主観的な見方しかできていない)
基本的なパラダイムとそれによって受ける影響の程度を自覚し、理解することで、自分のパラダイムに対して責任が持てるようになる。
④ パラダイムシフトの力
パラダイムシフト=いわゆる、「アハ体験」のことである。行動や態度という表面的な部分ばかりに注目するのではなく、根本的なところから変わらなければ生活を大きく改善することはできない。
⑤ 見方=あり方
人間において、見方とあり方は直結しており、どう見るかとどうあるかは強い相関関係で結ばれている。それ故に、あり方を変えなければ見方を変えることは出来ないし、その逆もまた然りであるとコヴィー先生は述べている。
⑥ 原則中心のパラダイム
原則とは、手法や価値観とは異なり、あらゆる状況に普遍的に応用できる深い真理のことであり、永続的な価値を持つ人間の行動を導く指針である。原則に基づくことで、大きな変化を遂げられる。
⑦ 成長と変化の原則
成長には必ず「段階」がある。今の社会に蔓延している個性主義には、人を惑わし、欺くというまやかしが付随する。そこに頼ってしまうがために、成長の原則を崩し、結果として外の力に頼る癖がついてしまい自分自身を弱くしてしまう。
⑧ 問題の見方こそが問題である
上手くいっている経営者や高い業績を上げている企業に多くの人は感心を示し、その人・企業の文化を取り入れようとする。しかし、それは自分の基本的なパラダイムに従っているだけである。
例えば、管理職セミナーにいくつも参加している管理職者が、部下に自分の努力が伝わらず部下の能力を引き出せないという。個性主義の観点では、大胆な策を講じることで、部下の潜在能力ややる気を引き出させる。それがだめなら、もっと有能な人材を見つければよい、という考えに対し、コヴィー先生は上司に対する士気の低さが原因と考えられないのだろうかと指摘している。
このように、個性主義には問題の解決方法だけでなく、問題に対する見方そのものを歪めているとコヴィー先生は述べている。
⑨ 新しいレベルの思考
様々な問題の根源は、個性主義に従って生き、人間関係を築いてきたことに起因し、これらの問題の解決策として、新しいレベル、もっと深いレベルの思考が必要である。
この新しいレベルの思考こそが、『7つの習慣』である。原則を中心に据え、人格を土台とし、インサイド・アウト(内側から外側へ)のアプローチによって、個人の成長、効果的な人間関係を実現しようという思考。つまり、「自分自身の内面から始める」ということである。
2. 7つの習慣とは
「人格は繰り返し行うことの集大成である。それ故、秀でるためには、一度の行動ではなく習慣が必要である。ーアリストテレス」
①「習慣」の定義
知識・スキル・意欲が交わる部分を「習慣」と定義。
・知識:問いに対する理論的なパラダイム。
・スキル:方法(どのようにやるか)
・意欲:動機(どうしたいか)
② 成長の連続体
『7つの習慣』とは、成長という自然の法則に従い、連続する段階を踏んで、個人の効果性、人間関係の効果性を高めていく統合的なアプローチのこと。依存から自立へ、自立から相互依存へと至る「成長の連続体」を導くプロセス。
③ 効果性の定義
『7つの習慣』は、効果性を高める習慣である。原則を基礎とし、また、自然法則に従った効果性のパラダイムに基づいているため、最大限の効果が長期的に得られる。
真の効果性は2つの要素から成り立っており、コヴィー先生はこれらを「P/PCバランス」と名付けている。※P(成果):Production, PC(成果を生み出す能力):Production Capability
④ 三つの資産
資産には、① 物的資産, ② 金銭的資産, ③ 人的資産の3種類がある。
例:
① 物的資産:電動芝刈機を購入→手入れをしなかったため、ある時期から故障が頻繁に起こるようになり、性能も低下。
② 金銭的資産:収入を得るための能力に投資しなければ、収入を得る手段の選択肢は狭まってしまう。
③ 人的資産:親が優位に立って子供を操り、自分の思い通りにやらせてしまうと子供のPCが向上しない。
これらの様に、PとPCのバランスを取ることが必要であり、重要である。
⑤ 組織の成果を生み出す能力
組織において、P/PCバランスを考えずに物的資産を使うと、組織の効果性が低下し、劣化した物的資産だけが残ってしまう。例えば、最先端技術を駆使した機械をある社員Aが購入したとして、後任についた社員Bに関しては、メンテナンスの為のコストが嵩み、利益が減ってしまう。
P/PCバランスは効果性に不可欠なものであり、P/PCバランスを維持することで、最高のものを提供することができる。
⑥ この本の活用方法
(1) 変化と成長の継続的なプロセスで折に触れて読み返すことで、習慣を身につけることができる。
(2) インサイド・アウトのアプローチにならい、学んだことを2日以内に他の人に教える。
⑦ この本がもたらしてくれること
「説得されても人は変わるものではない。誰もが変化の扉を固くガードしており、それは内側からしか開けられない。説得によっても、感情に訴えても他人の扉を外から開けることは出来ない。-マリリン・ファーガソン」
つまり、自ら「変化の扉」を開き、「7つの習慣」に込められた原則を理解し、実践すれば素晴らしい成果が得られ、また、段階的に成長していく効果も飛躍的なものになる。
3. コーヒーブレイク
2-⑦に記載してある通り、私自身も自ら変化の扉を開いたことで、この本と出会うことが出来た。今までは、自己啓発=意識が高いだけ、ただの自己満足に過ぎない、と考えており、このような本に触れてこなかった。
しかしながら、意識を変えて触れてみると、非常に勉強になることばかりであり、今後自分自身にとって財産となることばかりであると感じている。
人は、変化を恐れるがために「安定」を求めてしまうが、ちょっとだけ勇気を出して新しいことに挑戦してどうだろうか。その上で、「7つの習慣」の原則に基づくことで飛躍的な成長が遂げられるだろう。
『7つの習慣』は内容が非常に充実しているため、複数回にわたり記事を更新していく。一つの記事で内容をすべて記載しても良いが、読み手側の視点では小出しにした方が内容の理解がしやすいと考えている。
次回はこの本の趣旨である『私的成功』について触れていく。
私的成功には、第1の習慣, 第2の習慣, 第3の習慣があり、それらは公的成功を収めるための大事な土台となる。
次回以降も乞うご期待頂きたい。
やんまー