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MPRE受験体験記(2024年11月7日)

2024年11月7日(木)、MPRE(Multistate Professional Responsibility Examination 長い、、)を受験してきました。まだ結果が出る前ですが、逆に結果が出るとその結果に影響されて、現在のピュアピュアな印象が遡及的に毀損されるおそれがあるので、今のうちに、試験までどんな準備をしたか、当日はどんな様子だったのか、実際に受けてみてどのように感じたか等をつらつらと書いておこうと思います。一応、後で結果は記載しようと思います。過去の諸先輩方が既にMPREについて色々出されているので、あまり意識が高くない、英語できない系一学生の感想としてとらえていただければと。

1.前置き
MPREとは、Professional Responsibility(いわゆる法曹倫理)に関する試験で、ほぼすべての州で司法試験の一環?として採用されていると聞いています。毎年3月、8月、11月の3回受験するチャンスがあり、(少なくとも日本人は)11月に受ける人がやや多いようです。これは、11月に受けておけば仮に落ちても、本試験までの3月にもう一度受験できるためということのようです。自分は、8月頃に渡米して初めてMPREを知ったので(今でこそMPREといえるが、当時はすぐこの試験の名称も忘れていた。)、ロースクールの授業についていくのも大変な中そんなにすぐ試験を受ける必要があるのか、、、という感じでしたが、振り返ってみると、法律に関する英語の試験の準備をして実際に受けてみるというプロセスを本試験の前に体験できるという意味でも、この時期に受けてよかったなと思いました。
試験自体は、2時間、60問、1問3点になります。10問ほど採点されないダミー問題があるため(謎の文化)、満点は150点です。州ごとに異なる合格点が設定されており、例えば、ニューヨークでは他の州よりも若干高い85点が要求されます。つまりニューヨークでも、6割正解すれば合格ということになります。
問題は、仮想の説例について、弁護士等が懲戒処分の対象になるか、民事責任を負うか等について4択の中から選択するものです。概ね、Yesが二つ、Noが二つ、Yes、Noにもそれぞれ異なる理由が記載されており、結論とその結論に至る理由をしっかり理解しているかを確認するものになります。

2.申し込み
他の学生がもう申し込みを始めたと聞いて、慌ててその日のうちに申し込みました。予想していたよりも早く、メールを見返すと8月16日に申し込んでいました。11月7日(木)か11月8日(金)の二つの候補日があったのですが、申し込みをした時点で、受験しようとしていた会場の8日(金)のスロットがおそらく全て埋まっており、7日(木)の午前8時~という早い時間のスロットしか申し込めませんでした。ただ後で同じ会場に申し込んだ人が午前10時~で予約できていました。なぜ、、、

3.準備
ほとんどの方と同じかと思いますが、Barbriが無料で配布している教材を主に使用しました(その後Themisが無料で配布しているテキストを入手するものの、全く目を通さず)。正確に言うと、Barbriのサイトに無料登録すると、オンライン上で、(i)アウトライン(試験範囲をほぼ網羅的にまとめたもの。200頁くらい)、(ii)解説動画、(iii)模擬試験4回分、(iv)その他の補助教材を入手することができ、専らそちらで勉強しました。ほとんどの資料はPDFでダウンロードすることもでき、便利です。
勉強期間としては2週間くらいかければ十分という話を事前に聞いていたものの、英語が苦手+初めての外部試験ということもあるので、比較的早く勉強を開始したと思います。最初は何から手を付ければよいのかわからず、とりあえず空いた時間にアウトラインを少しずつdeeplの力も借りながら読み進め、9月末くらいには一旦読み終わりました。個人的にもあまり効率が良くない方法だなあとは思っていましたが、実際の試験は英語で受けるので、英語に慣れるという目論見もありました。
ただ、英語で読んだこともありもちろんほとんど記憶には残っておらず、また、何が重要なポイントかもよくわからない状態だったので、その後、1日1~2個のペースでBarbriの解説動画を見ました(1週間くらいですべて見終わるペースです。)。おそらくこの解説動画まで見ている人は少ないのではないかと思うのですが、字幕が出ており一応意味は理解できなくはない、重要なポイントは強調される、動画中に一時停止してその時点の理解度を確認するクイズが出される(高性能!)、解説のおじさんがチャーミングということもあり、自分は結構楽しめました。
その後、試験2週間前の10月26日から、ようやく練習問題に手を出し始めました。ここは正直もう少し早く始めた方がよかったと思うのですが、単に逃げていただけです。1番最初に解いた練習問題は60問中39問正解で、次の練習問題も39問、結構ギリギリだなと焦ったのですが、その後くらいから概ね8割が取れるようになったので、まあなんとかなるかなという感じで当日臨みました。ちなみに、Barbriの他にQuimbeeの無料の試験も2個受けました。どの問題も、わからない英単語が出てきたら調べ、また解説は読んで復習しました。問題の印象としては、Barbriの方が少し適切な問題を出している感じはするものの、それでも(問題の難易度を無理やり上げるためか)無駄な長文、意図的に挿入される無関係な情報、やや疑問符が付く解説というところどころ?な部分がなくはなかったです。
これらの勉強方法が実際に受けてみてどうだったかは後述します。

4.当日
試験会場が車で1時間半程度かかる場所で、試験当日の早朝に出発するのは怖かったので、前日入りして近くのホテルで一泊して会場入りしました。
事前にメールで、試験開始の30分前には会場に来るように案内があり、その時間に入れることは全く期待していなかったのですが、なんと7時半ぴったりに鍵が開いて会場に入れました。Pearsonという外部業者に試験監督業務を委託しているからなのか、我々の会場のスタッフはとてもフレンドリーで、心地よかったです。
事前の案内に写真付きのIDを二つ持ってくるように指示があり、一つはパスポートでよいものの、もう一つは大学のIDカードしかなく、これがダメならどうしようと思っていたのですが、結論としては大学のIDカードでOKでした。
会場にはいつもロースクールに通うためのバッグを背負っていったのですが、ロッカーが用意されており、スマホと一緒に、ロッカーにしまうことができました(スマホは電源を切ったうえで、会場で渡される別袋に入れるよう指示があったので、別袋に入れたうえで、自分のバッグに入れてロッカーに預ける形となりました。)。
パスポートとロッカーキーだけが持ち込み可能で、セキュリティチェックを受けた後、別部屋に通され、いよいよ受験開始です。

5.受験
席に着くと試験官のおばちゃんにすぐ開始してよいといわれ、私が一番最初に別部屋に案内されたこともあり、おそらく8時より少し前に試験を開始しました。メモ用紙や筆記具はなく、パソコンと騒音防止用のヘッドフォンだけがあります(なぜか消毒されていることを何回か強調された気がします、、結局特に騒音もなかったので使いませんでした)。
試験を開始すると、最初は使い慣れないパソコンで、目の悪い自分には文字が見づらかったのですが、文字サイズを自由に変更できたので、その後は問題なく試験を受けることができました。各問題ごとに後で見直す目印としてフラグをたてることができ、問題をすべて解き終わった後のレビュー画面で、フラグを立てた問題だけを見直すことができます。結構便利でした。
時間としては、試験終了の20分前の1時間40分くらいでいったんすべての問題に解答し、その後フラグを立てた問題をすべて見直した後、ちょうど試験時間が終わりました(フラグを立てた問題を見直したところ、ほぼすべての回答を変えました、、吉と出るか凶と出るか)。
難易度としては、英語という意味では、(一問英単語の意味がわからずそもそも何が聞かれているのか謎の問題があったものの)Barbriの練習問題で出てくるような謎の長文や難解な英単語はあまり出てこず、その意味ではシンプルで、読みやすいように感じました。
ただ、肝心の中身として、結構直球で難しい問題が多く、2択まで絞れるものの、その2択が難しいという状況に陥ることが多かったです。Barbriの問題の方が難しいから本番は簡単に感じるという話はなんだったのか、、

6.終了
2時間経った後、試験官を呼んで退出しました。会場から出る際に、試験の結果は5週間くらいでNCBEのアカウントにポストされるよ、もし今回の試験体験に不満があれば報告してねということを記載した一枚紙のプリントをもらいます。終わった後は、Popyesというアメリカのフライドチキンのチェーン店(すごく美味しい!)に寄ってランチをして帰りました。

7.振り返り
終わってみての一番の印象としては、あれ結構難しくない!?、Barbriの問題とやや問題の印象が異なるという感じでした。周りの学生に聞いてみても同じ印象ということだったので、(自分が気を遣われていなければ)自分だけではないようです。個人的な反省としては、Barbriの練習問題さえ解いておけば大丈夫とやや楽観視していた部分があったと思います。公式のNCBEが出している問題集があるので、それもやっておけばよかったと思っています(有料で50ドルくらいするので躊躇してしまった。。)。
ただ、個人的な感覚としてはおそらく6割をとるという意味ではなんとか大丈夫だった気もしており、Barbriの練習問題さえ解いておけば、その点数は確実に取れると思うので、結論としては、これでよかったのかもしれません。
また、この試験に落ちる状況として一番ありうるのは、英語の問題文が読めない、英語が読むスピードが遅いため時間内に解き終わらないという場合だと思われ、その意味では、私のような英語苦手人間が早め早めに英語の勉強だと思ってアウトラインを読んでいたのは良かったなと思いました。

8.終わり
落ちてたらこの投稿は消すので、察してください!




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