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一番苦労したグローブは?

”一番苦心して作ったのはプロの選手用ではなく、指を失った少年のためのグラブだった”
ー7日付産経新聞1面「産経抄」より

元メジャーリーグのイチローさんらのグラブを手掛け、「グラブ作りの名人」と呼ばれた元ミズノ社員の坪田信義さんが3日に89歳で亡くなった。

”野球少年だった坪田さんは、15歳で入社するとグラブ作りを志願した。長い下積みを経て、40歳でようやく特注品作りを任される。プロ野球の選手一人一人の注文に耳を傾け、工夫を重ねていった。ポジション別のグラブを初めて世に送り出したことでも知られる”

坪田さんのグラブを愛用した選手は200人余りに上り、巨人V9時代の王貞治さんや元大リーガーの松井秀喜さんらも含まれるという。当然一番苦労したのはメジャーで数々の記録を打ち立てたイチローさんのグラブかと思ったが、そうではなかった。

”訃報のなかの肩書は元ミズノ野球グラブ職人だったが、本人は職人ではないと言い張った。自分を押し付けるのではなく、選手の要望に忠実に応える技術者だ、とうのだ”

私も野球少年だった。高校入学を控え、数万円する硬式用のグローブを買ってもらった。ショート用で鮮やかなオレンジ色のグローブが目をひき、一目で気に入ったのがミズノ製だった。

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