絶対に役立たない合格体験記

僕は今年の学校推薦型選抜で東大工学部学科群1(建築学科)に合格しました。
その経験的に東大推薦はマジで情報ゲーだなと思ったから後輩のために書いてみてるんだけど、8割方役に立たないと思います。建築学科志望なら役に立つかも?


東大推薦において一番大切なのは


東大推薦に出願しないこと



です。いや、これ真剣に言ってます。そもそも東大推薦受かるような人は一般入試でも東大に受かります。今年は麻布から2人が合格したわけだけど、どっちも高三模試は当然1桁順位です。進学資料を持ってる後輩はそれを見て欲しいんだけど、冷静に考えて高三模試6位で共テも830↑なところから落ちるわけないやん。
どうせ一般で受かるなら推薦の準備にかける時間はかなり空虚です。「勉強したいのに書類を書かないといけない」この状況は受験生の弱ったメンタルには突き刺さります。何度推薦取り下げるか悩んだことか

じゃあなんで僕は推薦に出願したかというと、「おもしろそう」だったからです。本当に大学入試というものを舐め腐ってる。よく東大もこんなやつに合格を出したよな。ただただ面接を受けてみたいっていうしょーもない動機で出願してしまったのです。だらか書類を書くのがクッソ怠かったわけなんだけど、僕みたいに軽い気持ちで出すと、爆死します。
ただ、出さなくても後悔はしてたと思うから、結局のところ神楽でいい感じの成績を収めてしまい東大推薦が視野に入ってしまったのが諸悪の根源です。

じゃあちゃんと東大推薦向きの志望動機(後述します)を持ってるなら出してもいいのかって話をすると、ギリ出しても得するかな。勉強時間は間違いなく削られるけど、東大推薦で一番大変なフェーズをパスできるからなんだかんだ楽に準備が終わると思う。そもそもそういう人はこのnoteなんて参考にならないと思うけどね。

まあつまり推薦の準備を勉強の息抜きとして捉えられる変態さんと、東大推薦向きの志望動機を持ってる変態さんなら出していいと思います。








ここからは今までの話を読んでなお東大推薦に出そうとするマゾの皆さん向けにすこ〜しだけ真面目な話をしていきます。

東大推薦もメリットはあるよ

ここまでの東大推薦ネガキャンはあくまで「受験生」目線のものです。入ってしまえば推薦の方がよかったって場面は確実にあります。早期履修なんかはそのわかりやすい一例ですね。ここが東大推薦とそこら辺の指定校推薦の違うところです。指定校がカスなのは良いとして、東大推薦は特権がついてくるぶん大学が慎重に選考してくれます。でも「おもしろそう」とかいう軽い動機で出願した人を合格させてしまうなんて、東大教授には見る目が…….

ただ、推薦のメリットについてはまだ入学すらしてない以上あんまり語れないんですよ……


ここからはマジの『体験談』です。役には立たないと思いますが……

書類について

東大推薦に出願するにあたって提出するのは
・教員による推薦書(計3枚)
・調査書
・志願書
・実績自慢書
って感じで、上二つは他人任せで作ってもらえるのでちゃんと担任とか顧問とかに頭下げて書いてもらいましょう。(余談ですが教員による推薦書を読ませてもらえなかったんですよね……結局あそこには何が書いてあったんだろうか……)

で、問題は3つ目。ここにめちゃくちゃ時間かかりました。5回くらい書き直したもん。超ダメ出しされて心折れそうになったもん。このnoteでは主に志願書について書いていきます
4つ目の方は自慢するだけなので気持ちよく書けます。

いつ頃書いたのか

第1版は文化祭あたりの連休中(確か10月の頭ごろ)に書きました。でも僕が愚かすぎて、OBとしての文化祭を楽しみすぎたんだよね。その結果あまり練られていないものを教員に出してくっっっっっっっっそダメ出しされました。ただそもそもの話、何を書けば良いのかが全く分かんなかったからどの道苦しんでたと思う。
第1版で「舐めてたらやばいな」と思ってその後1ヶ月くらいかけてテンプレート通りの†志願書†を完成させました。1ヶ月と言っても、書く→教員による添削→書く…….の繰り返しが1ヶ月くらい続いたって感じだから、実際受験勉強できなかったのは10日間くらいかな。でも、その1ヶ月はずっと書類のことが頭にあって本当に不快だった。

志望動機と何を勉強したいか

志願書のテンプレートとはなんなのか、そしてテンプレートに従うべきなのかって話をしていこう。
まず志願書では「なぜ推薦で東大工学部を志願したのか(400字程度)」「建築学科で学びたいこと(800字程度)」を書かされます。
で、ここでは圧倒的にテンプレートに従うべきです。下手に個性出そうとすると、大爆死か圧勝かの分の悪い賭けになります。フツーに書いても個性のある人は面接で見抜いてもらえます。僕は1つも余計なことをしないで書いて、その結果受かってるわけだから、余計なことはしないほうがいいと思います。
書類では個性があるかというよりも、具体的に書けているかが見られてると思った方がいいです。
そう、具体的に書けてるかが見られてるんです。だから、「建築を勉強したい」だと不十分なんです。どこまで必要かというと「この研究室に行きたい」まで必要です。そして、その理由も超絶具体的なものが必要です。

分かりやすくするために僕の例をあげると、
なぜ推薦で東大工学部を志願したのか
 ・児童福祉に貢献するために、最強の児童館を作りたい
 ・↑の理由(最近の中学受験戦争の加熱で教育虐待みたいな概念も出てきてるし、子供の逃げ場を充実させたいと思った)
 ・そのために建築学科に行きたいんだ!!!
建築学科で何を学びたいか
 最強の児童館を作るために、
 ・まずは建築について何も知らない状態から脱却したい
 ・海外大学とのイベントとかに積極的に行って視野を広げたい
 ・空間が人間の心理に与える影響を研究したい
  →東大の〇〇教授の研究室に行きたい(そこは音環境について研究してる)
って感じで書きました。

正直1個目と2個目の明確な区別は付けずに1200文字記述だと思うと楽です。

こういう社会問題を解決したい
→どうしてそう思うようになったか具体的に
→そのためにこの授業、この研究室がピッタリ

って感じで考えていくと800文字くらいはかけます。残り400文字は頑張って字数稼ぎしてください。
・まずは建築について何も知らない状態から脱却したい
・海外大学とのイベントとかに積極的に行って視野を広げたい
ここは完全に字数稼ぎのために書いたやつです。(もろちんこう思ってるのは事実だけど、志願書に書くべきかは怪しいよ)

テンプレートを知ってたところで、解決したい社会問題なんてないし、興味ある研究室もない人はかなり苦労します。だって僕がそうだったもん。まずここを見つけないといけない。ここを見つけるのにコツとかはありません。自分と永遠に語り合いましょう。なんで受験期にこんなことしなきゃいけないんだと嫌になるとは思いますが、やらないと絶対に落ちます。
最初の方で触れた「東大推薦向きの志望動機を持ってる人」ってのは解決したい社会問題も興味ある研究室もあるタイプの人のことなんだけど、そんな高校生がいてたまるか!という気持ちがあります。

実績自慢書

ここは本当に自慢するだけです。さすがにサクサクかけるでしょ。
一応出願するかの目安になればということで僕が自慢した実績を書いときます。
・化グラ、奨励賞と金賞
・教養総合「建築を読む・書く・つくる」での作品
・速記検定
工学部建築学科は穴場なので好きにかけばいいと思います。
ただ、速記ほど関係のないものを書くなら、それが志願書の内容とどう繋がるのかって所を考えといた方がいいです。「速記練習してたら人間の聴覚ってすごいよなーーーってことに気づいて、それがきっかけで音環境に興味を持った」みたいなシナリオを用意してました。で、それは実際面接で披露しました。

ちなみに理学部はかなり実績重視っぽくて、ちゃんとした実績を携えた方がいいらしい(某数学教師NGO談)

出願の落とし穴

実は僕、出願に失敗してるんですよね。
というのも、期限までに支払いを済ませなかったんですよ。期限までに支払わないこと自体は別にセーフで、もう一回支払いの申請をすればいいだけなのよ。ただし、それは出願前のみの話であって、出願後に支払い期限が切れるとどうしようもなくなります。
ちょっと具体的に書くと、「志願票」(≠志願書)ってのを発行するのと同時に支払い番号が発行されて、その志願票に紐付けられた番号で支払うとセーフってシステムになってます。その志願票は何回でも発行できるから期限切れても無問題なんだけど、支払うよりも先に志願票を東大に提出する、すなわち出願をしてしまうと、提出した志願票の番号で支払わないといけなくなります。そうなんだけど、支払い期限がたった2日とかだから麻布生には難しかった…….
つまりミスが二つ重なったのです。1つ目は期限内に支払わなかった愚か者である僕のミス。もう一つは僕の入金を確認せずに勝手に出願した教員側のミス。このどっちかがなければこんなことにはならなかった。圧倒的に悪いのは僕ですが………
本当にこの件で大迷惑をかけてしまったNGO様には頭が上がりません………

みんなは𝒂𝒔 𝒔𝒐𝒐𝒏 𝒂𝒔 𝒑𝒐𝒔𝒔𝒊𝒃𝒍𝒆で支払いをすませようね!!!!!!!!

面接について

ここからはいちばん合否を分けてそうな面接について話していこう。
これさえやっとけば受かるってことが1つあって、それは

大きな声を出す

ただそれだけです。まず大きな声で面接官を威嚇しましょう。面接官の攻撃が一段階下がります。これは冗談とかじゃなくて真剣に言ってます。声がでかいと自信があるように見えてめちゃくちゃ印象が良くなります。有能そうに見えます。そして東大は有能な研究者の卵が欲しくて推薦をやってるので、かなり有利です。攻撃が一段階下がるのも本当です。僕の面接では返答に困ることは何一つ聞かれませんでした。(催眠音声について話してほしいの!?って思うような質問はあって、それは流石に困ったけど、困ったのベクトルが違うので…….
なんなら、同じ内容で聞き方を変えるやつもその催眠音声の質問しかありませんでした。まあ俺は優秀だし、一発で教授を満足させるなんて朝飯前なんだけど。流石に催眠音声について話したら落ちると思って直前で返答を変えたら東大教授を満足させられませんでした。でもそれは不可抗力でしょ。

何を聞かれたか

まず受験番号と名前を言って面接が始まります。いちばん最初に聞かれるのは「なぜ東大工学部に推薦で出願したか」です。要は志願書の1つ目の記述について詳しく言えばいいだけです。ここはしっかり練習しておきましょう。面接って最初の5秒で分かるみたいな話もあるし、最初のめっちゃ緊張してる状態で一から話を組み立てるのは流石に難しいし、絶対に聞かれると分かってるなら練習して得しかないわけだから。
その後は志願書に書いてあることに関連してその通りに答えれば良い質問が続きます。とは言っても志願書の文章を丸覚えして言うだけだと悪印象だろうから、ちゃんと自分の言葉でより具体的に言えるよう事前にイメージしといたほうが良いとは思います。ここら辺を話してるうちに緊張が解けていくと理想的ではあります。

質問される→答える→教授がフィードバックをくれる(要は誉められる)→別の質問される→答える→フィードバック→別の質問→・・・・・・

の繰り返しで40分間やりました。僕の場合は最後の方は消化試合でした。というのも、最後の方は進行役の人が時計を見ながら「まだ時間あるんだけど聞いときたいことある?」みたいに他の教授に語りかけて、教授陣が少し考えるみたいなフェーズでした。そのやりとりを見て、これ以上何やっても合否は変わらないなと確信しました。ただそれが合格ゆえなのか不合格ゆえなのかは本当に分からなかった。でも今考えれば合格が決まったから消化試合だったんだろうな。消化試合にしておきながら不合格だったら訴えるよ。
志願書外からは下のようなことが聞かれたんだけど、かなり就職面接みたいでしたね。だから学校の教員にしてもらった模擬面接と同じような展開でかなりやりやすかったです。

・東大は総合大学なんだけど、建築以外に何を勉強したいか 
→哲学 高校でやって楽しかった。もっとガチでやりたい。

・化学グランプリ金賞ってどれくらいすごいの?
→数千人中上位20人くらい。化学力もだけど実験して分析する能力を評価されたと思ってる。それは建築でも通用するはず。

・化学なのに建築なのはなぜ?
→逆に化学の実績だからって思考停止で化学に行くのは勿体無い。化学は俺にとって手札の1枚でしかない。どこかで役に立つかも知れないし手札は多いほうがいい。

・なんで建築の実績を集めようとは思わなったの?
→高校生のうちに得られる知識なんてたかが知れてる。だったら早いうちから建築ばっかりやるんじゃなくて、いろんなこと勉強したほうが楽しい。

・高校時代苦労したことは何か
→(本当はないから)頑張って捏造しました

・速記の経験がどう勉強と結びつくか
→速記も勉強も実力が単調増加しない。新しいことをやると最初は一時的に実力が下がる

〇〇研究室(志願書で書いたとこと)の論文とか読んだ?
→読んでない(皆さんは読んどきましょう)

国際交流の経験は?
→短期ホームステイとガーナ交流について話した

君は英語もかなりできるから大丈夫だね(教授の独り言)
→(英語での質疑を楽しみに出願したってのに英語で聞かれないのまじで?聞けよ!!!!!!!バカ!!!!!!!!!)

こんな感じです。論文読んでないってのは明らかに墓穴でしたが、周りの推薦生の話を聞いても1個もミスせずに面接終わらせた人はすごく少ないです。多少やらかしても受かります。気にせず次の質問に集中することの方が大事です。
英語での質疑がなかったのは許してません。めちゃくちゃ楽しみだったもん。麻布6年間の集大成として東大教授とぶつかりたかった。あと英語での質疑でひっくり返す可能性はあったからもし不合格だったら訴えてた、まじで
(追記 工学部学科群1の同期は僕含めて8人全員が英語での質疑がありませんでした。提出書類と海外経験エピソードだけでこいつは英語ができると思われるような人の方が合格しやすいんですかね。結構英語は大事みたいです。)

なぜ受かったのか(予想)

各々の返答に対してフィードバックしてれるからなんとなくの予想は付きやすくて、話し方は結構褒められました。まあ声がデカかったからですね。(余談ですが「手札」って単語のチョイスは麻布教員も東大教授も気に入ってくれました。そんなに独特なチョイスではないと思うけどね)声のデカさが合格した理由の8割くらいを占めてるとして、残りの2割くらいは心が3歳児だったからだと思います。3歳児って「なんで?」を無限に連呼して親を困らせる時期じゃん、僕の体は成人男性だけど心は3歳児なのよ。とにかく色んな分野の色んなことを知りたい。この†圧倒的知的好奇心†だけは他の東大推薦erにも負けない自信があります。東大がちゃんとここを評価してくれたから合格することができました。

都市伝説

笑わせると受かるのか
Twitterでアンケートとったら3/4は笑わせてました。僕もガーナ人は歩くのが遅い話で笑わせました。笑わせる⇔合格ではないど1つくらい笑いを取るための言い回しとか、ネタとかあると楽しいかも知れない。

しめ

ここまで絶対に役に立たない合格体験記を書いたわけだけど、文字数が1.5修論を超えててびっくりしてる。もし東大推薦についてもっと知りたいとか、志願書を読んでほしいとかあればDMにでも来てください。これ以上の情報はもう持ってないけどね。覚えてる限りのものは全部書きました。













最後に、本文に1箇所だけ下ネタを隠してるので頑張って探してみてください。(催眠音声ではないです)

お し ま い

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