さとみくん1st フルアルバム レビュー「Never End」その2

2023年9月13日に発売されたすとぷりの
さとみくんの1stフルアルバム「Never End」の
レビューの2回目です。今回はアルバム中盤の
6曲の感想をつづっていきます。
その1はこちら。

7.PRESENT

ギターサウンドに乗せたさとみくんの優しい
歌声が心地いい歌いだし。
この曲もラブソングですが、My Heroineより
ちょっと落ち着いた大人の目線で描かれています。
日常感があり、生活の中にパートナーの存在が
ありその横顔をそばで眺めているような、そんな
シチュエーション。
愛する人との日常も、最初は特別感でドキドキ
だったかもしれないけれど、月日が経つと慣れて
きて、よく言えば落ち着き、悪く言えばマンネリ
という状況になっていくものだな・・と考え
ながら聞き進めていくと2番では

時間がすれ違って 「大丈夫平気だよ」って
なんてことないなら
そんな顔で言えないだろ
君のために頑張っていたつもりが
みえみえな嘘をつけさせてしまうくらい
寂しい思いをさせてしまっていただなんてさ
ほんと馬鹿だよな

と歌っています。
二人の間にはちょっとしたすれ違いがあったん
ですね。今はそのすれ違いを解消した後なのか、
解消する前なのか。
当たり前の日常の積み重ねこそ尊いもので、
「世界中で1人だけ!」と気づいたものの、
ちょっと寂しいをさせてしまっている相手の
方の思いはどうなのか気になります。

この先も 僕の隣を選んでくれるなら
幸せにするから 覚悟しててよ

という歌詞から、どうやらまだ解決はこれから
みたいですが、さとみくんの歌い方が優しくて
愛の深さが伝わるから余計に、どうかその思いが
成就してほしい気持ちが強くなります。
そんな風にこの歌の世界にのめりこんであれこれ
考えてしまうほど、引き込まれてしまいました。

8.Starlight Moonlight

声優の岡本信彦さんとのコラボ曲。
この曲はすとぷりの「ハルトレイン」と同じ
鶴崎輝一さんが作詞作曲しています。月の王子で
ある岡本さん、星の王子であるさとみくんが
かわるがわる現れて「運命はどっち?」「さあ、
選んで」と歌います。
このテーマは、さとみくんが作家の方に
リクエストして作ってもらったのだそうです。
三連符の美しいメロディラインとゴージャスな
アレンジ、そこに二人の華やかな声が重なり、
歌詞の内容も相まって、聴いているとただただ
「幸せだ」とニコニコしてしまいます。
プライベートでも交流のある二人は、昨年歌って
みた動画を投稿しています。歌ってみた動画は
二人が別々に収録をしたボーカルを合わせる
作業になりますが、特に歌の解釈について
事前に申し合わせはしていなかったものの、
お互いの歌い方が一致していて、二人の相性の
良さを見せつけてくれました。

今回は、さとみくんが先に歌を収録し、そのあと
岡本さんが収録をしたという流れだったそうで、
さらに二人の歌がきれいに揃って美しいです。
Cメロからラスサビへ向かう盛り上がりの
ところはまさに「胸が高鳴る」という表現が
ぴったり。岡本さんはやっぱり表現が豊かで
さすがとしか言いようがないです。ラスサビの
「恋煩い」の歌い方は不意打ち過ぎてキュンと
しました。
どっちを選ぶか・・・「君がいないと輝けない」
より「空のダイヤは全部君のものさ」の方が
いいかな?

9.Contact

すとぷり全員が歌う曲。2019年に発売された
さとみくんのミニアルバムに収録されていた
すとぷりの全員曲「Feeling Love」と同じ作家陣。
さとみくんから「Feeling Love」から4年
経って、目線の上がった曲をと依頼して書き
下ろしてもらったそうです。
今回も予想しなかったタイミングにとまどい
ながらも好きな気持ちに気づいていく様子を
ポップに表現。メロディ、アレンジともに
キャッチーなモチーフなちりばめられていて、
聞いたらみんな好きになってしまう要素が
詰まっています。
「Feeling Love」と歌詞を見比べてみると、
大人になったことを表現しているのか少々
奥ゆかしいというか、あまり思いを押し付けたり
要求をせず距離のある所から思っていられる
余裕が感じられます。
歌はとにかくサビの4人のユニゾンが本当に
きれいで気持ちいいです。文字で説明するのが
とても難しいのですが
「目と目(↑)が合った時にときめく」
「すれ違(↑)う度にまた惹かれてく」
という、(↑)のある音のクイっと上がるところ
が4人がしっかり乱れず揃っているところが
個人的には気持ちのいいポイント。
ラスサビの「時を止めてよ Uh Yeah」の
さとみくんのパートは、このアルバムの中
どころかこれまでのさとみくんの歌の中で1.2を
争うくらい、好きな歌いまわしと声で、そこだけ
何度もリピートして聴いてしまいました。
すとぷりメンバーのソロアルバムのすとぷり
全員曲はこれまでも神曲がおおくありますが、
今回もそのとおり、新たな神曲がここに誕生した
といえるでしょう!

10.もっと

こちらはすとぷりのころんくんとのペア曲。
公式ペアとしてこれまで多くの素敵な歌を発表
していますが、さとみくんが「さところ曲の中で
過去一好き」と話しています。
2022年12月に発売されたすとぷりのアルバム
「Here We Go!!」に収録されていた二人の曲
「天使に口づけ」と同じ作家陣。「天使に
口づけ」は切ない恋心をドラマチックに
歌い上げる素敵な曲。今回もとにかく切なくて、
「もっと」と歌い上げれば歌い上げるほど
その思いが叶わないような気すらして、
どうしたらいいのかと心がざわつき、胸が締め
付けられます。
この曲では相手の「君」について「背中の羽根を
失くした 無邪気な天使」と表現されています。
「天使に口づけ」では「誰にも見つけられない
ように その羽根を隠す」と歌われていたので、
この曲が「天使に口づけ」と関係しているのなら
どうして隠していた羽根を失くしてしまった
のか、二人は今どんな状況に置かれているのか、
胸がざわつきます。
「永遠に一緒にね」と「君」は言ってくれている
ようですが、どこかその愛には有限なものが
感じられ、だからこそそれを超えたくて
「もっと」と思ってしまうのでしょうか。
本当に永遠と思えて、二人の愛が本当に満たされ
ているのであれば、「永遠に」「もっと」なんて
そんなに言わないと思うので、それをあえて
言葉に出すごとに切なさが募っていきます。
ドラマチックに抑揚をつけて情熱的に歌うさとみ
くん、一方澄んだ声で淡々と無垢な祈りのような 
歌い方をするころんくん。声質もアプローチの
仕方も全く違う二人のハーモニーは、組み合わさ
るとなぜか(?)ぴったりとハマって二人で
しか見せられない華やかさと力強さを生み出し
ます。それはまさに奇跡。もう何度この奇跡を
見せられているのか。この曲ではこれまで二人の
曲ではあまりなかった掛け合うようなサビの
歌い方やハモリもあり、終盤に向かって「すごい
すごい」と思っていたら最後に二人の声が
重なって一つの声となり、思いの乗った言葉と
メロディのボールがポンとはじけるように
放たれ、何度聞いても鳥肌が立ちます。そして、
この曲が表現する儚いけれど強い愛のメッセージ
が心の中に広がりました。

11.ずるいひと。

女性目線で書かれた歌詞の内容がさとみくんの
歌としては新鮮な曲。以前歌枠の生配信で歌って
くれた「違う人の彼女になったよ」がすごく素敵
だったので、発売前に「この曲は女性目線の
曲だよ」とさとみくんに放送で聞かされてから
とても楽しみにしていました。そして聴いて
みたらやはりこれが本当にぴったりすごく合って
いました。
歌詞を読むと、この曲の主人公の女性は不本意な
恋愛関係に身を投じているのがわかります。

そんな甘い言葉 よく言えるわ
君には帰る場所があるじゃんか

・・・というわけです。
ざらついたサウンドとさとみくんの感情に
逆らわない荒っぽい歌い方が、主人公の
やさぐれた心やこじれた関係に行き詰っている
状況にマッチしています。
よく「惚れた弱み」って言いますが、こうなって
しまったら惚れた方が負けですよね。もう相手に
とっては都合のいい女性になってしまっています。
ただ、相手には帰る場所があるし「あの人」も
いるとはいえ、自分にしか相手に与えられない
ものもあるという気もしていて、だから自分にも
連絡をして会いにくるのだろうとその状況に
浸って酔っているようにも聞こえて、それは、
さとみくんの感情に任せていても、洗練されて
オシャレな歌い方から主人公の女性がとても
魅力的に映り、そう感じるのかなと思います。

今すぐ教えてくれよ
君の嫌いになり方を
お願いだから もうこれ以上
優しくなんかしないでよ

嗚呼なんてこんがらがってんだ
あたしこんな好きんなっちゃって
いっそのことこっちから
消えてくれれば楽になるのにな

この部分の歌い方はもうこれしか正解はない!
というくらいの息遣いや地声と裏声の切り替え、語尾の置き方など、感情の乗せ方とメロディの
なぞり方が絶妙。

ぜひ、レコーディングに立ち会ったスタッフさん
に「感情表現が爆発してる」と言われたという、
さとみくんの豊かな表現の海に溺れてください。

12.悪い子のダンス

印象的なメロディのイントロで始まるこの曲は、
すとぷりの「ストロベリーレボリューション」の
ほかころんくんにも楽曲提供のある烏屋茶房さん
作詞作曲。ちょっと斜に構えつつも真理をつく、
リズミカルに明るく歌いつつも時々チクっと
トゲを刺すような歌詞の世界観が痛快でクセに
なります。
規制や正義に縛られて生きてないで「悪い子」の
ダンスしちゃおうよと誘う歌詞の内容は、普段
さとみくんが放送でリスナーの学校での悩みに
向き合う時に「学校ってすごく狭い世界だから」
と話す内容にもリンクしていて、今学校に通って
いる人達には刺さるでしょうし、とうの昔に学校
を卒業している私にとっても、仕事や家庭でも
なにか見えない規制や規則に縛られたり妙な空気
を読んでがんじがらめになったりしてる日常を
思ってグッときます。

アレンジはスピード感のあるちょっと懐かしさも
感じるポップなサウンド。このサウンドのノリに
身を任せるような飾り気のないさとみくんの歌は
かえって色気を感じさせます。
電子音だけでなく手打ち感のあるバンドサウンド
が交じる音色にさとみくんのパンチ力ある声が
とっても相性良く響いて、夜、海沿いの道路を
ドライブしながら聴いたら気持ちよく走れそうです。

今回はここまでです。この6曲はアルバム発売後
に全編を聴いたものばかりで、感想を書くのに
ちょっと時間がかかりました。
でも、何度も繰り返し聞きながらあれこれと
思いを巡らす作業がとっても楽しかったです。

その3はこちら。

今回も最後までお読みいただき
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ヤネウラミシン
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