永遠の憧れ、『JeNny』ちゃん
美を愛する幼きやんちゃっちゃんには、猛烈に憧れている存在があった。
それが『JeNey』ことジェニーちゃんである。真ん中の「エヌ」が大文字なのは公式の設定である。カッコいい!
ジェニーちゃんには前身の『バービー』がいる。マテル社の商標使用権を借り受け、タカラが製造販売したもので、初登場は1982年。
日本ではマテル社の例のバービーのウケが悪かったので、日本向けにタカラが開発されたのだ。
実は、やんちゃっちゃん母はマテル社のバービー(ツイストバービー)を持っていた。ケバくてゴツいバービーは、やんちゃっちゃんの人形遊びでは悪役だった。やんちゃっちゃんは、その頃まだタカラバービーという存在を知らなかった。
1986年、タカラバービーの名前が「ジェニー」に変わる。
(この辺は使用権と、まあいろいろアンタッチャブルな話があるようなので、いちファンの立場としてはそっとしておくとして、史実のみを言えば)名前変更のピンチをチャンスとして大々的にジェニーのデビューが宣伝されたのである。
この頃だろう、「ジェニー」の存在が、やんちゃっちゃんの地味なオカッパ頭にピカーと降ってきたのである(オカッパ頭については前章を参照のこと)。
なんかよく分かんないけど、きれいなお姉さん。ピカピカ、キラキラした世界。
当時、ジェニーはたくさんのデザイナーズブランドとタイアップしていた。ジェニー自身はモデルであり、ミュージカルスター(という設定)でもあった。こんなことは大人になってから知ったことだけど、CMすら覚えていないけれども、チビやんちゃっちゃんはジェニーの背後にある華々しい美のオーラを嗅ぎとっていたのだった。
しかし、暗黙の「お人形は一体ルール」。
今になって考えてみれば、欲しいと言えば買ってもらえたのかもしれない。だが当時、人形に興味のない姉(いじめる/からかう隙を見逃さない)の存在と、物をねだること=良くないこととの認識と、ジェニーのあまりのオーラに、絶対に手の届かない存在と決めつけてしまったのである。
就寝時、頭の中で作るお話の主人公の名前は「ジェニー」だった。ちなみに主人公は自分でもある。自分=ジェニー。贅沢なひととき!
ジェニーは美人で、スタイルがよくて、セクシーで、元気で、人気者だった。もちろん、ロングヘアーだった。美の権化だった。
大人やんちゃっちゃんは、オークションでコレクターさんから大量のジェニーちゃんを譲ってもらった。
ジェニーちゃんの詰まった夢のような箱。一つ一つ取り出すたび、笑みがこぼれたものだ。
ところで、ジェニーは顔のタイプだけでも歴代数種類、髪色やアイプリントやアウトフィット、特別な記念バージョンや限定バージョンで更に莫大な種類がある。更にジェニーフレンドなる47人ものお友達がいて、それぞれジェニー同様髪色アイプリ……(以下略)。掛け算地獄である。
果たして、やんちゃっちゃんは、お気に入りを決められるのか!?
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