今月の野鳥(JB2017年10月号)
「すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。」(マタイ7:17)
秋は実りのシーズン。山々の木々もさまざまな実を結び、動物たちに貴重な食料を提供しています。例えばブナの実の不作は熊に大きな影響を与え、それによって人里に食べ物を求めて出没し人間に影響を与えます。同じようにミズキの実は野鳥に大きな影響を与えています。昨年は不作でしたが、今年はどうでしょうか。今月の鳥はコガラ。身近でよく見かける鳥、ネクタイを結んだかのようにのどから胸までの黒いシジュウカラの仲間です。山の森林に住む鳥であり、この季節になると、木の実を口に咥えて飛び去るシーンをよく見かけます。コガラは、頭にベレー帽をかぶったかのような黒が特徴的です。(撮影2016/10/27長野県戸隠にて)
カラ類の中で、私の一番好きなコガラ。冬になっても山から降りてくることはないので、こちらから山に出かけないと見れない。黒い模様は、シジュウカラはネクタイ、ヒガラは蝶ネクタイと称されるが、コガラは帽子をかぶっていると言われる。鳴き声は、コガラは少し濁って聞こえ、ヒガラの澄んだ声とは対照的である。近年の台風の通過で森が荒れてしまった戸隠の森林側物園。それ以前は、水芭蕉園のそばに秋になるとアザミが咲いて、その種を啄むためにコガラが来ていた。今はその姿を求めて、植物園の中を歩き回らないといけない。