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今月の野鳥(JB2018年3月号)
「こうのとり、青鷺の類、やつがしら鳥、こうもり。」(レビ11:19)
年度最後の鳥は、レビ記・申命記の中に出てくるヤツガシラです。日本では春先、渡りの途中に立ち寄ることがある鳥ですが、分布の端なので見るのが難しい鳥です。しかし、イスラエルでは2008年に国鳥に選ばれたように、中東・ヨーロッパでは広く親しまれているようです。1967 (昭和42) 年に、皇居の吹上御苑に飛来したヤツガシラを見つけた昭和天皇が、近侍に双眼鏡を持ってこさせたときに、近侍が何故芋(八頭芋)を見るのに双眼鏡が必要なのかと質問した、という笑い話のような話が残っています。頭の上の飾り羽根(冠羽)は通常は閉じてまとまっていますが興奮するとこのように開きます。
(撮影2017/3/31沖縄県与那国村にて)
日本では、バーダーがまず見ることを目標とする鳥の1つでしょう。畑のような場所で、虫をクチバシで掘り出して放り上げて口に入れる姿がなかなか面白い鳥ですね。春の移動時期に南西諸島で多く見られます。
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