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柳津町地域おこし協力隊10月活動報告:美代 兼孝

10月の活動報告になります!

10月に役場として出動して捕獲した鳥獣は

イノシシ:5頭
カモシカ:2頭(放獣作業)

でした!

ニホンカモシカについて

今月錯誤捕獲が続いた二ホンカモシカについて解説をします。

二ホンカモシカは偶蹄目(ぐうていもく)ウシ科の草食動物です。


こう見えてもウシ科の動物です。

ウシ科とシカ科の違いについて、以前富士サファリパークの方から聞いたことがありますが「角が1本か、分かれているか」で変わるらしいです。

他にシカっぽいけどウシ科の生き物としてはトムソンガゼルがいます。

実はウシ科です

こちらも角が枝分かれをしていないから「ウシ科」の分類になるわけですね!



カメラに目線をくれるカモシカさん

閑話休題、そのカモシカについてですが現在日本では特別天然記念物という扱いになっています。

ざっくりと説明をすると
「絶滅しちゃうから獲っちゃダメですよ。」
「狩猟対象ではありませんよ。」
という認定を受けている生き物ということですね。

実際、普通のシカは2歳からほぼ毎年子供を産みますが、カモシカについては2年に1度1頭の出産をする程度と増える量がだいぶ控えめとなっています。

また、シカと違い常に縄張りを維持する習性があるため広範囲に広がりづらいというのもあるようです。
シカも縄張りを作ることはありますが発情期のオスのみで、それも環境が変わればあっさり捨ててしまうようです。


ニホンカモシカの放獣作業について

さて、ここからが本題になるわけですが罠をかけているとたまにカモシカが掛かることがあります。

そうなったときに必要な措置が「放獣作業」となるわけです。

「放獣って言ってもただ逃がすだけでしょ?」

と思う方もいるかもしれませんが、それがまた大変な作業となっています。

基本的に間違って掛かる罠は「くくりわな」がほとんどです。

過去の記事を見ていただいた方にはわかると思いますが、イノシシが逃げられないほどガッシリと足を拘束する罠です。

つまりそれを外して逃がすとなると.…。


さすまたで押さえつけて罠を外している様子。

大の大人数人でさすまたで押さえつけてその隙に罠を外すorワイヤーカッター等で破壊する必要があるわけですね。

のんびりした見た目のカモシカとはいえちゃんとした野生鳥獣です。
意外と強い力を持っているので危険が伴います。
角も意外と鋭いので、過去には命を落とす方が出た事例もあるようです。


ここまで見て、「麻酔銃を使えばいいんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。


が、麻酔銃を撃てる方はこの町にはいません。
もし他所から呼ぶとなると依頼料も十数万.…とても払えたものではありません。

あってはならないことではありますが、他市町村では内緒で撃って埋めて隠してしまう事例があると聞いたこともあります。

当町ではきちんと猟友会の方と連携しているのでそんなことは起こってはいませんが.…。

対策について。

できる対策としては、

・カモシカの縄張りに罠を掛けない
(溜め糞をする習性があるので見極める)くらいでしょうか。

足の形がイノシシやシカとほぼ変わらないこともあり、カモシカが掛からないくくり罠というのはないためそのくらいしか対処法はありません。

「いいハンターは錯誤捕獲をしない。」
と言われているので、私もいいハンターとなれるように努力をしていきたいです。