【10分・2人・声劇台本】会社員の旅行

男1:女1

【演じる上で注意点】

OO編と区切っていますが、演じられる際には通して演じる事ができます。
注釈:以下は、読まないでください。
 () 描写(読まないでください)
 [] セリフ読み方
【】各場面
A 男性の名前を入れて読んでください
B 女性の名前を入れて読んでください
N ナレーター(女性推奨しています)

【あらすじ】

会社内恋愛をしている2人、その会社では毎年社員旅行があった。その年、台風の影響で旅行が延期になり、2人は予定していた旅行をキャンセルせざるを得なくなった。

【台本】

【会議室編】
(2人は会議室で会話をしてる)
男「あー、やっぱキャンセルするしかないよね」
女「そうだね。せっかく、草津旅行したかったのに…しょうがないよ」
男「俺らが社員旅行の幹事じゃなければ、有給取れたのに…はぁ~」
女「なんで立候補したのよ」
男「だって、そしたら1泊2日無料券だよ?
2人で使えるかなと思ってさ」
女「うん…まぁ私も狙って立候補したから、なんとも言えないかな」
男「まぁ俺らのも、延期するか」
女「それがさっき電話で聞いたら…無料券使ってるから、リスケできないって言われて」
男「あー!無理かぁ」
女「うん」
男「しょうがないさ、これはどうしようもない」
女「それで、社員旅行のほうはいつになってるの?」
男「うん。夏の湘南が台風でキャンセルだから、冬の群馬です」
女「そっか、了解。」
男「会議室もそろそろ次来るから、出るか」
女「お昼は?」
男「今日は、適当に済ませるけど、そっちは?」
女「お昼も会議だから、今日はパスかな」
男「わかった。じゃ、18時にいつもの店の前?」
女「うん、じゃーね」

男N「その半年後、2人は社員旅行で四万温泉シマオンセンのバスターミナルにいた」
男「[団体に叫んでいるように] みなさぁーん!各自でこの後はー!タクシー使って!ホテル向かってくださいねぇ!19時半から夕食なので、それまでにはホテル帰ってください!タクチケは、俺らが持ってまーす!」
女「こちらでーす!」

(沈黙)

男「これで、タクチケはみんなに渡ったかな。俺らも移動する?」
女「うん。あ、あのタクシー捕まえよ」
男「おけ、荷物運ぶよ」
女「私の荷物はこれだけだから、あとは会社のやつ?」
男「あ、それは佐藤さんが持っていってくれた」
女「え?なんで?…佐藤さんが?」
男「いや、なんか持って行きますって」
女「はぁ~…わかってないね」
男「ん?なにが?」
女「いや、なんでもない。一応、佐藤さんも女の子なんだからね」
男「うん?知ってるよ。1年目で頑張ってる子じゃん」
女「はいはい」
男「どうしたんだよ、急に」
女「いいから、タクシー乗るよ
[タクシーの運転手に向けて]
あ、すいません。シマホテル・イースト館に向かってほしいです」
男「お願いしまーす。あと、これタクシーチケットです」

【ホテルロビー編】
男「(沈黙)ありがとうございましたー!運転手さんもお疲れ様です。
多分、荷物これで全部なので!」
女「荷物持ってっといてね」
男「え?あ、うん」
女「チェックインしてくる」
男「おい、待てって。この量一人は大変だよ」
女「いいから、一人でやって
私、チェックインしないといけないから」
男「[少し呆れて] いやーこれは」
女「…じゃ、いってくるから」

(長めの沈黙)
女「荷物運ぶの終わった?」
男「うん…はぁ~疲れたー!もう冬なのに、汗だくだよ」
女「それで、夕食はそのままの時間で、朝食はー、少し遅めになった」
男「マジ疲れたから、予定の確認、あとででもいい?」
女「ダメ。今聞いて、佐藤さんに手伝ってもらったんでしょ」
男「なんだよ。見てたんなら、手伝ってくれてもよかったじゃん」
女「私部屋に行くから、あとでね?」
男「え、あーうん、わかったわ」
女「[少し意外そうに] え…あぁ、うん。それじゃ、夕食の時にね?」

【部屋編】

(男は、女の部屋をノックしていた)
男「おーい。俺だよー…開けて?」
(ガチャっ、とドアが開く)
女「なに。」
男「いや、このドアチェーン外して、中入れてよ」
女「わかった。入って」
男「失礼します」
女「で、なに」
男「まぁ座ってお茶でも飲もうよ」
女「…」
男「(沈黙)よっこいっしょ」
女「はい、これお茶」
男「ん?なんか冷めてるけど」
女「いいから、飲んで」
男「って、そっちのお茶も冷めてるじゃん」
女「うん。そうだよ」
男「待っててくれたり、した?」
女「うん。もっと早く来てほしかった」
男「ごめん。怒ってる気がしてさ、LINEも返信ないから」
女「[溜息] はぁ~…怒ってるよ」
男「佐藤さんでしょ?」
女「うん。」
男「そこまで深く考えてなかった」
女「そうだよ。いつもみんなに優しすぎるんだよ」
男「しょーがないだろ?付き合ってるって、社内には言えないんだから」
女「でも…」
男「心配にさせたのは、ごめん」
女「…やだった」
男「なら、そっち座ってないで、となりくる?」
女「いかない…でも、
Aがこっちきて」
男「わかったよ…(少し沈黙)」
女「ぎゅっして」
男「ほら、ぎゅーーー」
女「[嬉しそうに] うふふふ」

男「大浴場行かなくて、大丈夫?」
女「入れない」
男「ん?なんで?」
女「今、胸に大きなキスマークあります…
[少し嬉しそうに] 誰かさんのせいで」
男「睨むなよ。てか、3日前だぞ?」
女「知らないよ。消えてないもん」
男「B?」
女「ん?」
男「俺の部屋来ない?」
女「なんで?別にここでもよくない?」
男「俺さ、その、幹事の権限?使ってさ、露天風呂付の部屋取ったんだよね」
女「え……」
男「うん。ほら、俺の部屋荷物置き場でもあるから、一人で泊まるからさ」
女「うん」
男「だから、誰も来ないし…ダメ?」
女「[見透かしたように]ふふふ、そんな事言ってー?本当は、一緒に入りたいんでしょ?」
男「[裏声] んー?いやー?」
女「[嬉しそうに] もうー!しょうがないな~
浴衣に着替えて、部屋に行くから、待ってて?」
男「お!まじで!」
女「はいはい、それじゃ先行ってて」
男「待ってるからね」

(沈黙。
ノックをする音)

女「やっほ!ドア、鍵かけとかないと危ないよ?」
男「あー来るってわかってたからね」
女「なら、私が来たから、鍵かけとくね?
誰もこないようにっ!」
男「そうだね」
(2人は部屋の奥へと入っていく―—―少し沈黙)
女「わぁ!すごい広い!なにー!この景色もすごい!」
男「まぁ荷物散らかってるけどな」
女「あ…あるし」
男「そりゃそーだろ?露天風呂」
女「ね?…」
男「なんだよ」
女「先に入ってていい?」
男「別に一緒に入ればよくないか?」
女「そうじゃなくて!…
その、は、恥ずかしいから…」
男「んー、ちゃんとかわいいよ?」
女「うるさい」
男「綺麗だよ」
女「いいから、少ししたら入ってきて」
男「わかった」

女N「その後、2人は濡れた髪と共に、遅れて夕食会場に到着したという…浴衣の下に大きなキスマークを付けて」


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