【15分・2人・声劇台本】図書館ではお静かに
男1:女1
【演じる上で注意点】
図書館で話しているシーンでは、声を抑えて、こそこそ話をする場面があります。
注釈:以下は、読まないでください。
() 描写(読まないでください)
[] セリフ読み方
【】各場面
太字 小声で抑えて話してください・こそこそ話風
A 男性の名前を入れて読んでください
B 女性の名前を入れて読んでください
【あらすじ】
受験勉強をする高校生の2人は、図書館に来ていた。しかし、勉強が手につかない様子。
【台本】
(図書館で対面に座っている2人)
男「…おい、なんだよ。なに書いてんだよ」
女「別になんも」
男「もー、俺のノートに…なんだこれ?」
女「パンダ」
男「[声を抑えて笑う] ふふ、ほんと絵心ないよな」
女「[大きな声] うるさいっ!」
男「おい、声抑えろよ」
女「あ、ごめん…やばい、めっちゃ遠くから睨まれてる」
男「もう…どうすんだよ」
女「ごめんて、一回ジュースでも買いに行く?」
男「うん。そうしようか、外出るか」
(少し沈黙)
(2人で図書館の外で、)
男「ほら、お茶でいい?」
女「うん。いくら?」
男「別にお茶くらい、いいよ」
女「あ、そう。なら、ご馳走様」
男「で、模試どうだった?」
女「んー、悪くはないと思う。秋の模試で高くなってれば、ほぼ安泰くらい?」
男「まじか!俺、この夏の模試良くなかったんだよね…特に世界史がやばくて…」
女「世界史は、暗記科目だからなぁ」
男「そう!それ!その暗記ってのが、苦手なんだよね」
女「まぁ大学受験の為だけだしね」
男「それな、てか、大学行けたら、東京?」
女「そうかな?そっちもでしょ?」
男「んー、俺は東京よりの千葉だね」
女「なら、お互い近いね」
男「まぁ渋谷とか行ってみる?」
女「確かに!なんか、渋谷、新宿、表参道って、御三家だから行ってみたい!」
男「なに、その御三家」
女「知らないの?オシャレになるなら、そこらへってこと」
男「へぇ、服に興味ないから、わかんない」
女「はぁ…あんたねぇ、それだから高校でも彼女できなかったんだよ?」
男「うるせーよ!余計なお世話だ。そっちこそ、勉強とバイトばっかで、
彼氏なんて聞いたことないけど?」
女「私はー、ほら、服?買わないといけないから、バイトしなきゃいけないの」
男「いいよなぁ、バイト出来て。部活あるからなぁ」
女「そうね。てかさ、あんた好きな人とかいるの?」
男「…は?どうした急に」
女「いや、単に気になっただけ」
男「…いいや!なんか、魂胆あるだろ」
女「だから、無いって」
男「えー、なら、先にそっちが言ってよ」
女「お~?「先に」って事は、いるってこと?」
男「別に、いるともいないとも言ってない」
女「[見透かしたように] へぇー?」
男「あ、なんかその言い方、腹立つー」
女「はいはい。もう、勉強戻ろ」
男「いや、なんだんだよ。コイバナしないのね」
女「うん、なんか言わなそうだから」
男「戻るか」
(少し沈黙)
女「ねぇ…ねぇってば…A?」
男「…なに」
[以下、少し声を大きく]
女「今、何してんの?」
男「世界史」
女「ちょっと問題出し合わない?」
男「いいけど、そっちも世界史?」
女「いや、物理」
男「俺、物理得意じゃない」
女「これ」
男「このページの問題?」
女「そう、どれでもいいから」
男「なら、これは?」
女「えっと…初速度が5で…加速度2.5の…物体の移動距離は…
(少し沈黙)
えーっと、6メートル?」
男「ん?…違う」
女「…あれ?ちょっと待ってね……等加速度直線運動の公式は……あ、15メートル?」
男「正解!てか、複雑だな」
女「この公式、覚えずらいの」
男「めんどくせー」
女「てか、そっちの問題も出すよ」
男「世界史わかるの?」
女「うん。はい、これ」
男「なにこれ?手書きの問題?」
女「うん」
男「ちょっとまって…これが…ロシアのミールの解体…ストルイピンで、
ロシアの882年だからキエフ公国…合ってる?」
女「正解」
男「ロシア好きなの?」
女「い、いや?」
男「なんじゃそれ、次は?」
女「んー、なんか罰ゲームつけて、問題出し合う」
男「罰ゲーム?」
女「そうそう、そっちの方が面白い気がする」
男「別にいいけど、何がいいの?」
女「好きな人教えてよ」
男「[大きな声] はぁ!?」
女「しっ!声抑えて!」
男「あ、ごめんごめん。で、好きな人を言うってこと?」
女「そう、いいから、はいこれ、私からの問題」
男「[溜息] はぁ~、[悩む]えっと…ふむふむ…んー…」
女「あと、5秒ね」
男「え、は?、待て待て」
女「5」
男「おいおい」
女「4」
男「ずるいって」
女「3」
男「聞いてないっ!」
女「2」
男「…」
女「1…そこまでー!」
男「…まじかよ」
女「では~、好きな人を発表してください」
男「え…いや!待って、Bだって問題解けよ」
女「えー…そっちの罰ゲーム後でもいい?」
男「いや、それは不公平。だから、問題出す。その本貸して」
女「ん」
男「えーっと…これは?」
女「うん…えっと…エネルギー保存の応用だから…んーっと…あ、わかった…
Vはこれであってる?」
男「ちょっとまてよ…[舌打ち]…ちっ…あってるよ」
女「だろ~?[声大きく]さぁ!言え!…あ」
男「[図書館員と話す] あ、はい…すいません…もう帰るので…はい
…Bのせいだぞ」
女「ごめんて…とりあえず、出よ」
(沈黙)
男「うわぁ…やっぱ、外は暑いな…で、どうする?」
女「うん…ごめん。」
男「いいよ、もう。気にすんなって」
女「なら、うちきて勉強する?」
男「それも、ありだな。模試の復習したいし」
女「てか、罰ゲームは?」
男「なに?…まだ、やるの?」
女「うん、だって好きな人聞いてないし」
男「なら、そっちが言うならいいよ?」
女「えー…しょうがないから、いいよ?」
男「…まじで?…言ってる?」
女「うん…だから、教えてよ」
男「なら、せーので言わね?…ほら、そしたら、公平じゃない?」
女「うーーーん…いいよ」
男「じゃ……い、い、いくぞ……せ、せ、せーーー…のっ!」
男「B」女「A」
男「[焦って] え、は?」
女「[焦って] なんて言ったの?」
男「待って、Bこそ、な、な、なんて言ったの?」
女「……Aって…言った」
男「…まじ?」
女「うん…おおまじめ」
男「俺らって、両思いなの?」
女「うん、そうみたい」
男「なら、付き合う?」
女「どうしようかな…」
男「…どゆこと?」
女「もう!…[溜息] まぁ、Aがそんなに好きなら、付き合ってあげもいいよ?」
男「うん。好き」
女「[嬉しそうに] ふふふ、私もっ!」
男「うわぁ!…くっつくなよ…熱いって」
女「えー、ハグ嬉しくない?」
男「…嬉しいけど」
女「でしょっ!…で、この後どうする?」
男「もしさ、よかったら、夏祭りいかね?」
女「夏祭り?…どこの?」
男「隣町でやってるんだよ」
女「…でも、私たち受験生…だし」
男「ほら!たまに息抜き、必要でしょ?」
女「…[溜息] はぁ~」
男「なんだよ、嫌なのかよ」
女「違う。ただ、告白してほしかったなぁって」
男「え、ごめんて。とりあえず、そっちの家いく?」
女「なら、6時に駅前」
男「え?別に、このまま家で勉強すればよくない?」
女「違う!…[教授風に] いいか?世の中のカップルは!夏祭りに、浴衣を着て来るの!」
男「うん?」
女「だから!浴衣着て、集合ね」
男「俺、浴衣とかないけど?」
女「…え、なら、[なげやりに] なんか夏っぽい服!」
男「はいはい。わかったよ、彼女様」
女「よろしい!」
(沈黙)
男「ねぇ、ねぇ、Bってば」
女「え!あ、ごめん、音楽聞いてた」
男「[溜息] はぁ~いくか」
女「…ん」
男「ん?なんだよ、引っ張るなって」
女「…ね…見てよ」
男「なにを?」
女「…はぁ~…なんでもない」
男「嘘だよ。かわいいよ」
女「[嬉しいそうに] ありがとっ!」
男「てか、少し勉強した?」
女「うん、少しだけ復習した。Aも?」
男「うん、ただ、なんでロシアの問題だったの?」
女「…なんで?」
男「いや、あれテスト範囲じゃないからさ」
女「じゃ、あとで復習する時、世界史の答え、頭だけ見てね」
男「…ん?たしかー…答えは、ストルイピンとキエフ公国だろ?」
女「…なんで、そこだけ暗記力あるの」
男「で、なに?」
女「いや、頭文字って意味わかる?」
男「ストルイピンとキエフ公国だから…す、と、き…あっ!」
女「そうだよ。すでに告白してたの…」
男「わかるかよ!」
女「ばーーか♡」