観る将日記〜2023.1.14朝日杯将棋オープン戦名古屋対局〜
こんにちは、やなはらです。
今年は年始から幸先よく将棋イベントに参加できててほくほくです(この後しばらくないですけど)
個人の感想満載ですが、よろしければどうぞ。
今年からチケットが抽選制になった朝日杯将棋オープン戦。
昨年と同じく対局会場SS席のみ申し込むつもりだったが、早々に定員以上の申込により抽選確定のお知らせが出たため万が一外れてしまったときのことを考えて確実そうな大盤解説も申し込んだ。結果両方とも抽選になりドキドキしていたが、幸運にも両方当選。
近々東海地方で将棋イベントがあるかもわからないので後悔するぐらいならと両方購入。
対局会場の座席が最も左端だったので正直あまり見えないかなぁと思っていたが、大盤解説への移動もし易く結果的に良かった。
そしていざ当日。遅刻なく国際会議場に到着、1年ぶりただいま。両会場のお席を確認し、大盤解説会場には抜け殻(コート)を置いて後からくるやつがいるぞと地味なアピールをして対局会場に。記録係のお二人のお仕事を眺めたり、舞台袖の先生方が見えないかと座席でもにょもにょしたりしているうちに対局者が登壇。
席は前述の通り左端だったので正面から見て右手の久保豊島戦の盤面を確認するのはやや難しく(見えないわけではないがやなはらの視力が若干足りず)、正面から見て左手で対局する菅井山﨑戦をメインで見ることにした。ちなみに菅井先生のご尊顔はこれでもかというぐらいよく見えた。盤上格闘家の名がまさにぴったりな気迫ある姿をいつもは真横から映像で拝んでいるが、斜め前から肉眼で見る姿はとても貴重で新鮮な角度だった。棋士が盤面に集中する姿はやはりとんでもなくかっこいい。食い入るようにその姿を見つめていた。
一方豊島先生は背中を見つめることになったわけだが、背中でも色々と様子が読み取れて人間の感覚も侮れないなぁと感じた。広背筋には表情がある(安定のお前は何を言っているんだタイム)。
本筋から少しそれるが朝日杯公開対局の魅力を語ろうと思う(唐突)。最大の魅力は普段見ることのできない角度から対局の様子を見られることだろう。駒音や息遣い、ぼやきは中継映像でも感じることはできるが生身で感じるそれらはまた一段と違った迫力がある。何より会場に漂う張りつめた独特の空気はあの会場でしか体験できないものに思う。200人ほどいても会場は身動ぎひとつに気を遣うほど、ほぼ静寂に包まれている。あんなにたくさんの人がいるのに誰も音を立てず何かに熱中すると、その空間は歓声や悲鳴がなくとも熱気に覆われるのだと初めてわかる。スポーツ観戦する際の盛り上がりとは一足違う趣きがそこにある。ぜひ一度味わって欲しい(露骨な宣伝)
観戦日記の本筋に戻る。当たり前だが対局会場にはAI表記がない(公式も禁止しているのでスマホやタブレットで形勢確認もダメ)。盤面を見て集中して自分なりに考えて形勢判断をすることも普段はないのでこれが思いの外楽しい。棋力の高い方から見れば全く見当違いの形勢判断をしているのかもしれないが、素人なりに考えて観戦して一人楽しむ分には全然あり。なんとなく有利不利を感じつつ観戦しているとあっという間に秒読みが始まり、久保豊島戦が終局した。久保先生お疲れ様でした。豊島先生おめでとうございます。感想戦は大盤解説会場で行われるので会場の空気を揺らしてしまうことに申し訳なさを感じつつ大盤解説へ移動。
太地先生のびっくり等身にもう拝見するのは3度目なのにまたびっくりしつつ和田あき女流のかわいさにも癒されつつ感想戦が開始。悔しさの滲む久保先生と発声の際声が少し掠れているように感じた豊島先生の姿から熱戦であったことも伝わった。いや見てたから知ってるんですけど自分の感覚と齟齬がなかったことが嬉しかったという方が近いか。そして生で見る大盤前わちゃわちゃ、駒渡し合い、最高。
大盤解説会場のことももっと見ていたかったが、菅井山﨑戦が素人目に見ても佳境だったので急いで対局会場に戻る。その後山﨑先生が投了。山﨑先生お疲れ様でした。菅井先生おめでとうございます。
大盤解説会場では山﨑先生のぼやきが止まらない。会場を楽しませようと頑張ってくださったのかもしれない。会場には笑い声が響き、菅井先生も穏やかな表情を浮かべて感想戦をされていた。山﨑節絶好調の中、突然和田あき女流と見つめ合ってうんうん頷いていた菅井先生がとても良かった(多分時間が押してることを察して話を切ろうとした?)。
その後対局会場に戻り対局者インタビュー。昨年は少し緊張した空気の中でのインタビューだったが、全員気心知れた関西棋士ということもあってか和やかな空気でインタビューが進む。久保先生の女性ファン増えたな〜(意訳)に豊島先生のファンが多いんやぞ!と示すように豊島先生を茶目っ気たっぷりに指差したり、次局への意気込みを語るのに豊島先生に向かってガッツポーズで頑張りますしていたり菅井先生のマイクパフォーマンスがすごい。恐るべし菅井沼。ズブズブである(喜んで飛び込む)。どうも区民であり菅井ファンです。
そして昼食休憩。
頭を使ったからか意外にお腹は空いたので外食を思考したが、何歩か歩いて会場外に出るのが即面倒になり結局持参したカロリーメイトで済ませた。
特にやることもないので対局会場の椅子でわらわら出てくる手ブレ写真整理をしているとTwitterに菅井先生が普通にファンと交流しているとの情報が…!結局お声がけする勇気も出ずスルーしてしまったがTwitterに流れてくる情報でお腹いっぱい…happiness……
そして午後の対局へ。
対局開始後14:30から久保先生と山﨑先生のダブル解説があるとのことでそちらに早めに移動するつもりだったが今度は豊島先生のご尊顔がこれでもかというぐらいよく見えたし背中から拝む菅井先生も気迫いっぱいで両者に視線は吸い寄せられ目が離せない。昨年と同じカードになったが昨年感じた対局が終わってしまうことへの寂しさみたいなものは不思議と感じなかった。このお二人はまだまだこれからも対局を重ねて何度も何度も名勝負を繰り広げ、私がキャッキャできることがこの一年でよーーーーくわかったからかも知れない。
後ろ髪引かれる思いではあったが、その場を何とか立ち、ギリギリ久保先生と山﨑先生の解説には間に合った。解説会場では想像通り楽しい掛け合いの解説だった。詳しくは朝日新聞さまのYouTubeチャンネルをご覧いただき高評価とチャンネル登録をお願いします(露骨な宣伝2)
その後少し大盤解説を拝聴してまた対局会場に戻る。豊島先生の一分将棋が始まりまさかの同一局面2回目がカウントされた頃、対局会場で思わず観客の方が呟いてしまったのだろう…千日手…と小さな小さな声が聞こえた。そんな小声も人の耳に入るほど本当に静かなのである。豊島先生は一分将棋のためおそらく考慮時間を稼いでいたのであろうと思いつつ、もう一局見られたらそれはそれでお得(?)だなぁなどと思いつつ、銀がこれまでと違う場所に成り、千日手の世界線は無くなった。その後互いに一分将棋に。これまでの持ち時間のことを思えばお互いが一分将棋になった途端時間の感じ方が狂うように感じる。持ち時間の長短の難しさは色々な先生方が語られているが、その感覚をほんの少し感じることができた気がする。形勢は揺れ動いたように見え、結果的には菅井先生が投了された。菅井先生お疲れ様でした。豊島先生おめでとうございます。
終局直後からすぐにその場で感想戦が始まり、相手の目を見ると有名な豊島先生とおそらく視線を合わせている菅井先生の姿をなんとか写真に収めることができた。
その後係の方に促され大盤解説会場に移動となるが、移動のタイミングが重なったため目の前を先生方が歩いていた。後ろからでも笑顔がわかる。局後のその姿は最高にかっこいい漢たちの背中である。まるで少年漫画のような青春の1ページ。エモい。
大盤解説会場では菅井節炸裂で会場を盛り上げる。豊島先生は穏やかな顔で見守っている。爽やかな感想戦であった。
ただ負けたことを明るい声で話しながら立ち去る菅井先生からは悔しい気持ちも感じ取れた。勝負の世界で生きるのだからそれはきっとそうだろう。そんな中でも私たち観客を盛り上げてくれたことに頭が下がる思いだ。
対局者の先生方、解説聞き手の先生方、運営スタッフの皆様、最高に楽しい思い出ができました。ありがとうございました。今後も引き続きよろしくお願いいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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