母体リスク
※本稿は2018年のtumblr投稿から転載した記事のため他のnote記事と内容が重複する場合があります
前のポストから何回か診察を挟んで、周産期内科の主治医もつけることになった。
多分、ペースメーカー入れなくても済むとは思うとのこと。
私の病院で、私と全く同じ病気で妊娠出産を行なった症例はこれまで約80あるそうだ。
思ったより少ないのは、そもそもこの病気に自覚症状がないことも影響していると思う。
この80のうち半分、約40例がペースメーカー無しで妊娠しているのだが、その8割が無事に妊娠出産を終えペースメーカーも植えずに済んでいるそうだ。
ところが、残りの2割については、出産後に徐脈が進行し、状況が悪化している。
1例を除いて他は全てペースメーカーを後から植え、事なきを得た。
1例については、突然死だったそうだ。
またしても死。
まずこれは10年以上の一例であって、この10年の医学の目覚ましい進展には期待しなくてはならない。
そして、知らぬ人とはいえ変わらぬ身だ。
彼女の冥福を悼むと共に、彼女と家族の悲しみが私たち後世の同じ症例にとって間違いなく教えと糧になっているということは忘れてはならない。
死んではならないと強く思う。
100%の保証は無いが、私の現在の病状はいたってペースメーカーを必要としておらず、経過が良ければ妊娠しても問題なく出産が可能であり、おそらくペースメーカー要らずの症例増に貢献できるであろうとのこと。
そうありたい。
そもそも妊娠出産で死ぬとは思っていないが、妊娠出産は誰にとっても死と隣り合わせの奇跡であることに間違いない。
少し他人のそれより死が顕在化しているというだけで、私はむしろ死を意識し、間違いなく死なないためのルートを確保して進むことができる。
それはありがたいことだ。
しかしやっぱ症例少なすぎるよ。