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パン屋さんの光景から。ソーシャルワークを考える。

パン屋さんでの親子の光景から、社会福祉士のソーシャルワーク(自己決定)を考えます。2016年のブログ記事を振り返ります。

社会福祉士の可能性を探求し、社会福祉士自身が元気であることを望み、世の人々の心が軽くなり、そして私の収入もアップすることを考え続けて23年、フリーの社会福祉士(2001年開業)柳田明子です。

独立に関心のある、社会福祉士として後悔しない選択をしたいあなたに向けて発信しています。


さて。

2016年に、私、パン屋さんでよく見かける光景について投稿しています。

その光景は今も変わらないもので、先日もパン屋さんで目にして、
そういえばそんな記事を書いたなぁと思い出したところです。

以下に再掲します。
※8年前、私のママ度数が高かった時に書いたものなので、「ママと子」の場面として表現していますけれど、パパでも祖父母でも誰であっても同じことです。「ママ」と限定していることに他意はありませんのでご了承ください。

2016年09月03日 07:08
パン屋さんでの光景

近所のパン屋さんでよく見る光景があります。パン屋さん・・というよりベーカリーとかブーランジェリーとかいうほうが似合うかもしれないような、トレイに自分でパンを選んでレジに持っていく、ちょっとしたオシャレなカフェも併設されている、私にとっては身近なパン屋さんです。

その光景というのは「親子連れのやりとり」です。もう少し具体的にいうと、若いママと4〰5歳のお子さんのやりとりです。

ママがお子さんに「好きなパンを選びなさい」とトングを渡します。子どもは張り切って、ようようパンが見えるくらいの背丈をうんと伸ばして目移りするほどにパンを見比べます。

そして1つ選びます。

「これにする」と。

誇らしげに見えます。かわいいです。

ところが。

ここでよくある(というかほとんどがそうなんですけれど)のが、ママのダメ出し。

「それは大きすぎるでしょ」「甘すぎる」「それは辛いよ」・・・などなど。

せっかく選んだ珠玉のパンを却下されて意気消沈するも、果敢に次を選びます。

でもそれもなんやかんやの理由でダメ。

そして「もうこれにしとき」とママが選んで、はい、おしまい。

ここで悲しそうに、でも素直にママのいうとおりにする子と、イヤだイヤだコレがいいと駄々をこねる子がいます。

一見すると前者のほうが従順な良い子のように見えますが、私には後者のお子さんのほうが健全に思えます。

だってママは「選びなさい」って言ったんだもん。たくさんの中から自分で選んだんだもん。それ、食べたかったよね。

ママは「好きなものを選びなさい」といいつつ、でもある程度想定してるんですよね。想定・・というより期待でしょうか、「当然これを選ぶだろう」「これを選んでほしい」と。

ところが、子どもは思う通りのものを選ばないんですよね。思いがけない選択をしてくるわけです。

パンもそう、進路もそう。

「好きなように生きてほしい」「自由に進路を選んでほしい」と思う気持ちにウソはないけれど、でもそれは実は「私(親)の想定する範囲の中で」だったりします。

なので、これまでの自分(親)の人生にはなかった選択肢を提示されるとビックリして「いや、それはないでしょう、普通は・・・・」なんて思ってしまう。

選んだパンが大きすぎるか、甘いか、辛いかは食べてみないと判らない。大きすぎたって、甘くったって、辛くったって、死ぬわけじゃなし。

・・・と今の私は思えるのですが、それは今だからであって、私も「自分の想定範囲」から抜け出せない母でした。

そんなパン屋さんでの光景を、微笑ましさとちょっぴりの胸の痛みを感じながら、若いママに「自分で選ぶって素敵で大事なことよ」と話しかけたい気持ちを抑えて、好みのパンを気兼ねなくトレイに載せつつ横目で眺める私なのでした。

2016-09: フリーの社会福祉士 柳田明子のひとりごと より


上記記事は母目線ですが、
最近はこのような親子の光景を社会福祉士目線で見ています。

すなわち、私たちが自己決定とか意思決定支援をベースにソーシャルワークを展開している(つもりの)時も、

自己決定」と言いながら、

実は勝手な「理想」のようなものがあって、それに誘導していないかということ。

あるいは、ご本人の意思確認後に「それはちょっと…」などと言ったり思ったりしてないかということ。

もしも何かしらの条件があるなら、先に提示しておいたらいいのかもしれません。

パン屋さんで例えるなら、

「好きなのを選んでもいいよ。2つまでね」
とか
「甘いのを1つとそうじゃないのを1つね」
とか
「コレとアレ以外でね」
などと。

その理由もあったほうがいいかな。

条件なしで「好きなのを選んでいいよ」と言ったからには、
食べきれないほど選んだとしてもそれはOKにする覚悟が必要で、
選んだ人には【食べきれなかった体験をする権利】があるのかな。

・・・などなど、
パン屋さんの甘い香りに誘われて、そんなことをつらつら考えています。


本日は以上です。

今日も気持ちの良い一日を!

柳田明子社会福祉士事務所
〜聴く・伝える・ともに考える〜
(2001年開業)

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