
数字の2
高齢の方と電話でお話をしていた時のこと。
その高齢の方に、ある相談窓口のフリーダイヤルをお伝えする運びになり、私は0120で始まるその番号を電話越しにお知らせしようとしました。
が。
問題がひとつ。
その方、お耳が遠いのです。
電話番号ですから聞き間違いがあっては困ります。私はしっかりと、低めの声で、ゆっくりと伝えました。
「ゼロ」
「ゼロ」
「いち」
「いち」
復唱してくださいます。順調です。
次は「2」です。
「に」
「え?」
「え?」
思わず私が「え?」と繰り返してしまいました。
まさかの「2」が伝わらない⁉
「いち・に・さん の に です」
「え?」
「ワン・ツー・スリーのツーです」
「は?」
あ、余計に分かりにくかったですね。失礼しました。
「に」って確かに勢いのない音声です。どうしたら伝わる?
これがアルファベットやひらがなだったらある程度の共通認識で説明ができます。「AmericaのA」とか「あさがおのあ」というふうに。
でも数字の2は「数字の2」としか言いようがありません。
うわ~どうしよう。
私は「二人三脚の2」「二束三文の2」「2月2日の2」などと思いつく限りの「2のつくワード」で説明を試みました。
なかなか通じません。
あの手この手のしばらくのやりとりのあと、その方がこうおっしゃいました。
「数字の2?」
そうです!そうですとも!「数字の2」です!
っていうか、電話番号をお伝えしているのですもの。最初からずーっと「数字の2」でしたよ~。いったい何の「に」だとお思いで?
もしかして「数字の2です」って言えば分かってもらえたの?
逆転の発想が必要だった?
ともあれ0120の「012」までやっと到達。ふぅ~。
…意外とそのあとはスムーズでした。
よかった、よかった。
電話は音声だけですから正確に伝えるのは工夫が必要ですね。
本日は以上です。
今日も良い一日を!
*****柳田明子社会福祉士事務所〰聴く・伝える・ともに考える〰(2001年開業)〔(公社)日本社会福祉士会の独立型社会福祉士名簿に登録されています〕ブログ(2010年~)http://a-yanagida.asablo.jp/blog/*****
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