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【本の紹介】「答えのない事態に耐える力」とは。社会福祉士の現場感と重ねつつ料理で例えてみた。

「ネガティブ・ケイパビリティ」というポジティブとは(一見)反対のこの概念について書かれた本をご紹介。社会福祉士にも必要で、現場体験としても私は腑に落ちるこの力を、料理で例えてみました。


社会福祉士の可能性を探求し、社会福祉士自身が元気であることを望み、世の人々の心が軽くなり、そして私の収入もアップすることを考え続けて23年、フリーの社会福祉士(2001年開業)柳田明子です。

独立に関心のある、社会福祉士として後悔しない選択をしたいあなたに向けて発信しています。


さて。

今日は、

『ネガティブ・ケイパビリティ 答えのない事態に耐える力』(帚木蓬生 朝日新聞出版 2017年)』

という本をご紹介します。

私の手元にあるこの本は・・・

『ネガティブ・ケイパビリティ 答えのない事態に耐える力』表紙
『ネガティブ・ケイパビリティ 答えのない事態に耐える力』裏表紙

2017年に刷られたものなのですが・・・

『ネガティブ・ケイパビリティ 答えのない事態に耐える力』奥付

今なお
版を重ね
7万部を突破しているようです。

「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、

論理を離れた、どのようにも決められない、宙ぶらりんの状態を回避せず、耐え抜く能力です。

『ネガティブ・ケイパビリティ 答えのない事態に耐える力』はじめに p9より引用

・・・とのことで、

これは現代社会を生きる上で
ますます必要なことなので
版を重ねているのかなと
思います。

プライベートでも
この力が必要な場面は多々ありますが、

社会福祉士としても
もちろんある
と実感します。

私が思うに、
これは、

いわゆる
「様子をみる」
ということ(の裏付け)

なのではないでしょうか。

社会福祉士の現場感として、

とってもジリジリすること

ありませんか?

介入したいのにできない。
本当にこのまま様子を見ていていいのか。
何かできることがあるんじゃないか。

・・・そんなふうに感じる場面。

そして、
担当ケースをジリジリしながら見ていたら、
ある時、ふいに、
事態が動くような出来事が起こって、
落ち着くべきところに着地する
あるいは
意外な着地をする
とか。

そばにいる社会福祉士を見ていたら、

何かとあれこれ画策しようとしてるけど、
今はじっと様子を見てるほうが
いいんじゃないかなぁ・・・
となんとなく感じること

とか、

余計に事態を
悪化させてない?
様子を見たほうが良くない?
と思うけど、
様子を見ていたほうがいいと
断言できる根拠があるかと
言われれば自信がない

・・・とか。

そんな場面で発揮されるのが
「ネガティブ・ケイパビリティ」
なのかなと考えます。

これって、
例えば、

何か料理をしている時に、
レシピでは
「15分間さわらずに弱火で」
とあるのに
ガマンできずに箸でつついちゃって
無残に形が崩れる

・・・ってこと、
(私はイラチだから、
よくあるんですけど、)
その感じに似てるなぁと
思うんです。

待つ力
というか、
待てる力
というか、
待ったあとの結果を信じる力
というか。

この
待つ
様子を見る
は「放置」とは違います。

「弱火で15分そのままさわらず」と
書かれていたから
15分タイマーかけて
掃除機かけて戻ってきたら

焦げとるやん!

ってことも
ありがちです。

機種によって弱火の勢いも違うし、
その時の材料に含まれる水分などによっても
きっちり15分ではないから、
においや音などに
気をつけておく必要がありますね。

様子を見ている間も
目配りは必要。

そのあたりも含めての
ネガティブ・ケイパビリティ
なのだろうと
理解しています。

社会福祉士
「様子をみる」
「じっと待つ」
という選択をする時、

それが
「放置」ではなく
「ネガティブ・ケイパビリティ」という力を
発揮している
からこそ
そこに専門性があるのだ

と思うと同時に、

正解が分からない状態を耐える力って、
けっこうエネルギーを消耗する
ポジティブな力だよなぁとも
思います。

本の詳細はコチラ(出版社のHP)から↓


・ネット書店へのリンクあり。
に書かれている文言が、私が持っているもの(2017年/上記表紙写真)とは違いますね。今、気がつきました。興味深いです。


本日は以上です。



★2024年12月1日に
『ただなぞるだけの本。』(文芸社)
を出版しました。

ぜひ手にとっていただけると嬉しいです。
ことばを選ぶのはとっても楽しかったです♪
イラストも私が描きました(*^^*)


今日も気持ちの良い一日を!

柳田明子社会福祉士事務所
〜聴く・伝える・ともに考える〜
(2001年開業)

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