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投稿から7年後に新聞取材。夫さん・妻さんキャンペーンその後。

9年前の私のブログの「夫さん・妻さん」キャンペーン宣言記事が、2年後に論文に引用され、そしてさらに5年後に新聞取材を受けるという思いもよらない展開となったこと、そして今の「夫さん・妻さん」状況を書きます。


社会福祉士の可能性を探求し、社会福祉士自身が元気であることを望み、世の人々の心が軽くなり、そして私の収入もアップすることを考え続けて23年、フリーの社会福祉士(2001年開業)柳田明子です。

独立に関心のある、社会福祉士として後悔しない選択をしたいあなたに向けて発信しています。


さて。

今日11月22日は「いい夫婦の日」です。

私は、2015年11月22日ブログ で「夫さん妻さんキャンペーン」という記事を書きました。

少なくとも当時の私の周辺において、
公式な場では「妻さん・夫さん」が(おそらく自然発生的に)使われていること、
そして、まだなじみはないかもしれないけど、このニュートラルな呼称を使っていこうという内容です。


記事本文を再掲します。

2015年11月22日 05:11
夫さん妻さんキャンペーン

今日は11月22日。「いい夫婦」の日だそうですね。

夫婦といえば「配偶者」の呼び方が時に悩ましいところです。

私の場合は自分の配偶者のことは「夫」を使います。ですが、時々、年配の方とお話しする時などには「”主人”と言ったほうが印象が柔らかいかな」といったような策略めいた気持ちが頭をよぎることもあります。

とはいえ、自分の配偶者のことは原則「夫」であることは揺らぎません。

問題は「相手の配偶者」のことを話題にする時です。「ご主人」「奥さま」・・・これが一般的ですよね。でも、例えば、相手がご自分の配偶者のことを「夫」と話をしているのに(きっとそこには何かしらの彼女なりのこだわりがあるだろうに)、そこへ「ご主人」というワードを投げ込むのは無粋な気がするのです。それになんだか自分への後ろめたさも感じます。

かといって「配偶者さん」とか「パートナーさん」というのも、とってつけたような、いかにも「私は‟主人”という言葉を使わない主義なんです!」と不要に主張しすぎているような居心地の悪さがあります。

ところで。

近頃、福祉・医療分野において、記録や会議の場で「夫さん」「妻さん」あるいは「夫氏」「妻氏」という表現を見聞きします。

これは、公的な(あるいは中立的な)立場である場や表現媒体において、「主人」「奥さま」といったある種の上下関係をうかがわせる文言は避けて公平な表現を求め、なおかつそこに敬称(っぽいもの)をつけた結果でしょう。

特にそうしようという取り決めがあるわけではなく、自然発生的なものだと思います(が、どうでしょう)。

この「夫さん」「妻さん」という呼び方、これ、一般の会話でも使っていけば良いのではないでしょうか。

今はまだ聞き慣れないのでちょっと落ち着かないかも知れませんが、みんなが使うようになればきっと馴染みます。というか、「彼氏さん」「彼女さん」が当たり前に使われているのですから、その延長線上の表現ですよね。


先日、テレビで観たお笑いのネタ番組で、芸人の厚切りジェイソンさんが「夫さん」「妻さん」という表現を使っていました。

「夫さん」「妻さん」が市民権を得る日も近い!と確信しました。

私は、会議や記録はもちろん、講義中も意識して使いますし、日常の(例えば友人との)会話にも使うようにしています。

使えば使うほどそれが当たり前になります。耳にすればするほど違和感を感じなくなります。

「夫さん」「妻さん」を積極的に使っていきましょう。「夫さん妻さんを当たり前に使おう初めの一歩キャンペーン」開始!

2015/11/22夫さん妻さんキャンペーン: フリーの社会福祉士 柳田明子のひとりごと


この記事が、
なんと2年経って
日本語とジェンダーを研究されている水本光美氏(日本語ジェンダー学会理事・北九州市立名誉教授)の目に留まり、
記事にコメントをいただいたんです。

そして水本氏の論文に引用されました。

2017年のことです。

日本語とジェンダー 第17号(2017) 水本光美氏
【寄稿論文】他人の配偶者の新呼称を探るアンケート調査
一「ご主人」「奥さん」から「夫さん」「妻さん」への移行の可能性一

https://gender.jp/wp/wp-content/uploads/2020/09/NGG_journal_17_mizumoto.pdf

(柳田記事の引用個所はp25)

そしてさらに5年が経過した2022年6月、「夫さん・妻さん」を取材していた新聞記者の方がその論文を目にされて、その論文に引用されていた私も記者さんの取材を受けることとなりました。

その時のブログ記事はこちら↓

記事本文を再掲します。

2022年06月23日 05:55
毎日新聞WEB記事【「普通」をほどく】(取材をうけて)

私は2015年11月22日に【夫さん・妻さんキャンペーン】というタイトルの記事を投稿しました。
https://a-yanagida.asablo.jp/blog/2015/08/21/7738832

夫さん・妻さんという呼称を福祉領域の現場で見聞きすることが増えてきた印象があるということと、その呼称を日常会話でも使っていきましょう!という主旨の記事です。

あれから7年。

「夫さん・妻さん」は確実に広がってきていると感じます。ブログや新聞記事、一般の女性誌で使われているのを目にしたこともあります(特集として取り上げられているのではなく、記事文章の中で使用されていました)。先日、某市の介護保険課に問い合わせをしたら。当たり前のように「夫さん・妻さん」を使って説明してくれました(私がそのような主旨の記事を書いていることなどは知らずに、です)。

そんな中、毎日新聞の連載【「普通」をほどく】で『「ご主人・奥さん」はNO、じゃあどう呼ぶ?』というWeb記事が昨日アップされました。

実はその記事に私が登場しています。

冒頭に書いた2015年11月22日の記事がきっかけで取材を受けたのです。

毎日新聞該当記事のURLは以下です(が、有料記事です。無料部分では私のくだりをご覧になることはできません。私の登場はweb記事のみです。ご了承ください)
https://mainichi.jp/articles/20220621/k00/00m/100/279000c

記事を書かれた女性記者さんの素直な思いや、丁寧な取材に基づく現状が綴られています。

また2015年11月22日の私の記事にコメントをお寄せくださった水本光美氏(日本語ジェンダー学会理事・北九州市立名誉教授)も取材を受けられていて「たかが言葉、されど言葉。言葉の影響力には敏感であるべきです」とのお考えやデータに基づいた現状が紹介されています。

「夫さん・妻さん」。違和感、ありますか?

記事にもありますが「夫さん・妻さん」は「耳慣れないだけ」。私もそう思います。使えば使うほどなじんできます。聞けば聞くほど当たり前になってきます。

娘さん・息子さん、彼女さん・彼氏さん・・・と同じ感覚で「妻さん・夫さん」。

何の価値観や歴史的背景も伴わずにその立場を示す呼称ですね。

公平さが求められる福祉現場ではもちろん、日常会話でも引き続き「夫さん・妻さん」を使っていこうと思います。

「夫さん・妻さん」キャンペーン、継続!

2022/6/23 毎日新聞WEB記事【「普通」をほどく】(取材を受けて): フリーの社会福祉士 柳田明子のひとりごと

※毎日新聞該当記事のURLは以下です(が、有料記事です。無料部分では私のくだりをご覧になることはできません。私の登場はweb記事のみです。ご了承ください)


そして2024年の今、男女共同参画や公の場では当たり前に「夫さん・妻さん」が使われるようになりました(と私は感じています)。

さらには新聞等でも目にしますし、日常会話でも違和感なく使われていることを感じる場面が増えてきたと感じます。

今年7月に女性誌『VERY』でも取り上げられ、「定着しつつある呼称」とされていることには時代を感じます。


ですが、まだまだ市民権を得ているとは言い難いし、抵抗がある人もおられるでしょう。

娘さん・息子さん、彼女さん・彼氏さん・・・と同じ感覚で「妻さん・夫さん」。このフラットな呼称、引き続き公私どちらの場面でも使っていきたいですし、発信もしていこうと思います。

妻さん・夫さん」という呼称、あなたはどう感じますか?

社会福祉士は人の痛みや価値観に向きあう仕事です。

自分の口から発せられた言葉が、
どんな意味を持ち、
どんな影響力をもって相手に届くのか、
丁寧に考えながら紡ぐ必要がありますね。



本日は以上です。

**11/29(金)にzoomお話し会を開催します**
金曜の夜の遅い時間ではありますが、
皆さんのご参加をお待ちしています。

↓下記記事内に申し込みフォームがあります↓



今日も気持ちの良い一日を!

柳田明子社会福祉士事務所
〜聴く・伝える・ともに考える〜
(2001年開業)

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