エヴァンゲリオン新劇場版:Qをシンプルに考察してみる。

難解、でもエヴァンゲリオンシリーズの謎を解き明かすために超重要な作品「Q」。

巷には考察があふれていて、かなり真実に近いのでは?と思うものもあるが、どうも最後の最後までしっくりきた!納得!というものに出会えない。正直、描かれていない部分に想像を膨らませすぎているものや、旧作の設定に引っ張られ過ぎているものが多い気がする。別世界説なんてもの出てきてもう飛躍しすぎだったりする。

そんなこんなで一度自分で描かれているセリフやシーンのつなぎからシンプルに考察してみようと思った。ではシーンごとに順を追って考えていこう。

【1】初号機奪還作戦

まあここは観たまんまかな。「コード4A」やら「コード4B」やら謎の敵が出てくるが説明がないのでよくわからない。使徒っぽくもあり、エヴァっぽくもあり。とりあえず分からないものは分からないという姿勢で行きたいと思う。

で、なぜ初号機が黒い箱に入って宇宙空間を漂っているのか。誰がなんのために?というのが最大の謎なわけだが、それはもう端折られているので分からない。「破」のラストで初号機が覚醒してサードインパクトが始まりえらいことになったのがきっかけなのは分かるが、槍が刺さって沈黙したから解決しているわけで、宇宙にまで飛ばす必要はないはず。「破」の予告でも槍が刺さった状態で封印されていた。地球上にすら置いといたらまずい理由がさらにあったのだろう。誰が?まあ、「ゼーレ」「ネルフ(ゲンドウ)」「ヴィレ」のうちどれかだろう。これはまた後々考えたいと思う。

【2】ヴンダー

無事地球に帰還したシンジ君であったが、分からないことだらけである。謎の戦艦「ヴンダー」。そして謎の敵「コード4C・ネーメジスシリーズ」。「4A」「4B」も「ネーメジスシリーズ」に含まれるのかどうかは分からないが、おそらくは全部含めて「シリーズ」なのだろう。

で、かわいそうなシンジ君。14年も宇宙にいたのに大人たちは誰もちゃんと説明してくれない。アスカにいたっては超キレている。

アスカがキレている理由が分からない人が意外と多いのだけれど、アスカの気持ちになってみたら分かる。「破」で、自分が思いをよせていたシンジに助けられるどころか殺されかけ(実際はダミーシステムによるわけだが…)自分が眠っている間にシンジは恋敵の綾波を助けそれがきっかけで世界はえらいことに…。そりゃ複雑だよね。起動実験のパイロットを引き受けたのも綾波のためというよりはシンジへの思いだろうし。だから「バカシンジが帰ってきてよかったー!」とはならない。アスカの中では「なんで私は見殺しで綾波は世界を滅ぼしてまで助けたんだ?そんな力あるなら私助けられたんちゃうの?」的な気持ちが渦巻いていたのだろう。まあそれが本作のラストにつながるわけです。はい。

【3】なんやかんやあってネルフ

なんやかんやあってシンジ君は綾波の声のするエヴァに運ばれネルフへ。この0号機みたいなエヴァはマリから「アダムスの器か?」といわれている。なんのこっちゃ。ATフィールドがないということは…どういうこっちゃ。

「アダムス」はセカンドインパクトを起こした4体の白いやつ。それ関係のエヴァってことなのだろう。のちにこいつは「Mark.09」だということが分かるのだが、「Mark.06」が月で造られた特殊なエヴァだったので同じように月で造られたのかもしれない。てことは「Mark.6」も「アダムスの器」なのか。まあそんなところだろう。結局アダムス関連のエヴァはATフィールドが使えないという事か。

【ピアノの連弾~真実を知るシンジ】

問題のピアノの連弾シーン。問題というか、ここで印象的なセリフが。シンジ君「うまく弾くにはどうすれば?」カヲル君「気持ち良ければEのさ」シンジ「気持ちよくなるためにはどうすれば」カヲル「反復横跳びさ。気持ちよくなるまでやればいい」…実際は全然違うがこれはエヴァンゲリオンシリーズにおける庵野監督の意思表示なんだとどっかの考察で読んだ。

まあ新劇場版自体がやり直しの物語であり、おそらくはテレビシリーズと旧劇とつながっているのだろうし、それはシンジ君にとっても庵野監督にとっても「やり直し」なのだろう。そして気持ちいい音が出るまでやり直す…え、次で終わりじゃないの?いや、まあ、次で気持ちよく終われるのだろう。もう、次まで生きてる自信がないよ。

余談なんだけどエヴァが好きで好きででも新劇場版が伸びて伸びて伸びているうちに死んじゃったりしてる人たくさんいるんだろうな、と思う。だからもう、いったん終わって。

で、なんやかんやあってシンジ君は真実を知る。まずはトウジのシャツ問題。俺、あれ、ミスリード誘ってると思う。だいたいの考察があのシャツからトウジが死んでいるという結論になっている。ていうかシンジ君もトウジ死んどるやんけ!と思ってるっぽい。でも考えてみなよ。サードインパクトに巻き込まれて死んだならシャツだけキレイに残るか?世界はコア化しちゃってるし。

ここは単純に考えたい。ネルフにシャツがあるということは…ネルフでシャツを脱いだということだ。

で、ネルフでシャツを脱ぐ人ってなんなのかっていうと、パイロットなわけです。まあ職員も着替えるからその可能性もあるわけだけど、シンジと同い年で急にネルフに就職はないだろう。子供がネルフに着てシャツを脱いだ…この状況証拠からするにエヴァに乗った可能性は高いとみた。そしてどこかで生きている。そもそもサードインパクトで死んでたら妹があんなに優しくしてくれないだろ。あのヴィレのコクピットにいたピンクの人、あの人はきっと身内や親しい人が死んでるね。めっちゃ舌打ちしてたから。

で、ついでにカジさんも生きていると思う。まあだいたい物語において生死不明の人は生きてるから。名前だけ出てきて「死んでいるかも?」という人が、物語が進んでいって「実は…死んでました」はあまり見たことない。死んだと思わされた人はだいたい生きている。死んだ?と思わせるために名前だけがチラッと出てくるわけでしょ。

まあカジさんはヴィレに深くかかわっているだろうから別の場所で重要な仕事をしているのだろう。で、トウジはトウジでまた別の場所で…っていうのはめんどくさいので一緒にいるのだと思う。知らんけど。

で、シンジ君はサードインパクトの真実を知り、綾波は別の人だったことが分かりクラクラして、観ている人も訳が分からずクラクラしてたらなぜかDSSチョーカーをカヲル君が引き受け「エヴァでやっちゃったことはエヴァでやりなおそうぜ」となる。

DSSチョーカーをなぜカヲル君が外せるのか、そしてなぜ遠くに放り投げないで自分に付けてしまうのか。投げちゃえよ。自分で自分の首を絞めるとはこのことだよ。ちょっと結末ありきの展開がすぎて不自然かなここは。しいて辻褄を合わせるならカヲル君はアダムスなわけだからそれくらいの超能力は使えちゃうんだよね。首輪を外すくらいレイリーやルフィに出来ちゃうんだから。で、それをなぜ遠くにポーイしなかったかと言うと、ヴィレに外すのがバレるから…とかかな。苦しいけど。バレたらあかん理由が特にないしな。

【第13号機】

で、クライマックスの第13号機ダブルエントリーからのすったもんだですが、これはまた続きを書きます。(つづく)


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