【ユーロ準決勝イタリアVSスペインを終えて】
予想通りスペインがポゼッションで上回りイタリアを押し込む展開となった。特筆すべきはスペインのシステムと中盤での守備。
スペインはモラタを外しダニ・オルモをセンターにした伝統の(?)ゼロトップ。予想していたようなミラーゲームにはならずダニ・オルモがハーフスペースに下りて中盤で数的優位を作った。
また守備においてはペドリがジョルジーニョを、コケがヴェラッティをマンマークで押さえ仕事をさせなかった。画面にはあまり映っていなかったがバレッラはブスケツが遮断していたのだろう。イタリアは中盤を飛ばさざるを得ず、CBからのロングフィードが主体の攻撃になる。スペインの最終ラインは序盤こそ裏を取られそうになっていたがよく統率されていて前半途中から完全にスペインペースに。
イタリアの中盤に対してしっかりと対策を練って臨んだスペインに対してイタリアの対策は甘かった。ブスケツはバレッラが見ていて時にインモービレが降りてプレッシャーをかけてはいたがそこまで厳しいものではなかった。ブスケツにとっては1メートルのスペースがあれば十分。ペドリに関しても割と自由を与えていたためイタリアはこれまでにない試合展開を強いられた。
試合は終始スペインが支配していたが、ゴール前はきっちりイタリアのベテランCBコンビが抑えていた。後半カウンターの数少ないチャンスをものにしたイタリアが先制。スペインはモラタを投入して追いつくが逆転には至らずPKで敗れた。
個のクオリティーでも戦術面でもスペインが上回ったがやはりフットボールは点を取らないと勝てない。前線にもうひとり違いを作れるスペシャルな選手がいたら…例えばアセンシオ、イスコのレアル組がいたら…とつい考えてしまう。
決勝はイタリア対イングランド・デンマークの勝者。スペインに完全に攻略されたイタリアはどのような戦いをしてくるのか。興味深い。