【ユーロ2020準決勝の見どころ】②

準決勝②イングランドVSデンマーク~システムではめるのはどちらのチームか~

無失点で勝ち上がってきたイングランド代表。基本システムは4-3-3だが相手により微妙に立ち位置を変えてきた。ドイツ戦は3バックで挑み右サイドにウォーカー&トリッピアーを配すことでサイド攻撃を封じた。デンマークもドイツに近い3-4-3を基本とするが果たしてどのようなシステムで臨むのか。

デンマークは屈強な3バックを背後に中盤をディレイニーとホイビュアが走り回り支配。左のハーフスペースでテクニックのあるデムスゴーがアクセントになり押し上げた左WBメーレとのコンビネーションで崩す。また左を起点にしながら右のワイドをバルセロナのブレイスウェイトが縦に突破するといった攻撃が多い。トップはドルベアが入った場合はポストプレー、ポウルセンはサイドに流れてポジションチェンジをしながら背後を狙う。特筆すべきはその柔軟性。立ち上がりでシステムがハマらないと見るやCBのクリステンセンが中盤の底に上がり中盤で数的優位を作り出す。イングランド戦も相手の出方を見て対応してくるだろう。

イングランドは4バックで来るのか、3バックでドイツ戦の再現を狙うのか。興味深い。

イングランドがマウント(またはグリーリッシュ)をトップ下に配した4-3-3にした場合、デンマークはクリステンセンが中盤の底に上がりマウントを見るだろう。CMFの2人、ライスとフィリップスはデンマークの2CMFとがっぷり四つを組むことになり、これはどのシステムでもおそらく変わらない。細かいシステムで言うとイングランドの4-2-1-3に対しデンマークの4-1-2-3。きっちり噛みあう。問題を引き起こすとしたらデンマークのデムスゴーだろう。4バックと2CMFの間で受けるデムスゴーを誰が見るのか。彼にスペースを与えることになると左サイドで数的優位を簡単に作り出すだろう。

イングランドはドイツ戦と同じく、ウォーカーを右CBに下げ右ワイドにトリッピアーを置き3-4-3で臨むのではないだろうか。ウォーカーが降りるデムスゴーを捕まえ、上がってきたメーレはトリッピアーがマッチアップ。攻撃時はウォーカーが押し上げトリッピアーと右サイドの数的優位を作り出し、右ウイングとの連携でサイドを攻略。右ウイングには左利きのサカ、またはこれまで出番の少なかったフォーデンがカットインで切り込む。または右サイドを起点にボールを保持して左サイドのショー&絶好調スターリングがチャンスを作る。左サイドをえぐりゴール前に素早いクロスを放り込むパターンは今大会で何度も見た。

イングランドはいかにデムスゴーを抑えるか。そしてサイドの連携でデンマークを押し込むか。はたまたデンマークが猛攻を耐え少ないチャンスをものにするか。いずれにせよ好試合になることは間違いない。

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