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【徹底解説】アテローム血栓性脳梗塞と理学療法
本記事では「アテローム血栓性脳梗塞」について、疫学や機序、リスク因子、予後から、理学療法戦略に至るまでを徹底的に解説していきます。
1. 疫学
アテローム血栓性脳梗塞は虚血性脳卒中(脳梗塞)の主要なサブタイプの一つであり、全虚血性脳卒中の約15〜25%を占めるとされています。
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この割合は地域や人種によって異なり、欧米では約15%前後ですが、pmc.ncbi.nlm.nih.gov
アジアなどでは大血管アテローム硬化による脳梗塞の割合が高く、中国では虚血性脳卒中の約1/3が脳内動脈の動脈硬化によるものとの報告があります。
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さらに、近年アジア人集団で大血管アテローム硬化症による脳卒中が増加傾向にあり、1990年代から2010年代にかけて年間5.7%もの増加が報告されています。
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発症年齢は高齢になるほど上昇し、55歳以降は10年毎に発症率が倍増するとされています。
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実際、2005年時点での虚血性脳卒中の平均発症年齢は約69歳でした。
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性差では、中年期以降では男性の発症率が女性より高い傾向にありますが、
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若年〜中年では女性も男性と同程度かそれ以上の発症リスクを示す報告もあります。
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全体としては女性の方が寿命が長いため、脳卒中患者数自体は女性が多い傾向があります。
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地域差では、低・中所得国での発症率が依然高く、脳卒中全体の約70%がそれらの地域で発生しています。
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主要な発症要因(危険因子)としては後述するように高血圧、糖尿病、脂質異常症などの心血管リスク因子の有病率の高さが背景にあります。
特に高血圧は全世界的に最も重要かつ有病率の高い脳卒中危険因子であり、2019年時点で成人男性の34%、女性の32%が収縮期140/拡張期90 mmHg以上または降圧薬服用という高血圧の定義に該当しました。
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こうした危険因子の広範な蔓延と高齢化により、今後も脳卒中の絶対件数は増加が見込まれており、対策が重要です。
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2. 発生機序
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