【中国動向観察】習近平が福建省を視察ー両会後初の地方視察・古巣福建を見たい?
習近平国家主席は22日、福建省武夷山(市)を視察した。両会後初の地方視察になる。南平市では茶畑を視察した。三明市にも足を運び、沙県にある病院や知識産権取引所なども見てまわった。
福建省といえば習近平が寧徳市トップ(当時は地区と呼称)から厦門市、そして省トップという長年働いてきたいわば「故郷」のようなところであるからこうした場所を訪れるかどうか気になるところだ。ただ習近平による近年の地方視察は大体、自然環境保護、ハイテク技術特区または企業、歴史博物館、地方部隊という4点セットがお決まりだ。
特に軍に関しては規律(汚職腐敗対策)や忠誠を求める際にはかつて毛沢東が古田会議を開催した跡地が観光名所になっていることからここがポイントであり、軍の汚職取り締まりを行う中で2014年に開催された全軍政治工作会議の会場ともなった場所だ。習近平が今回訪問するかが気になるところだ。ここで軍人を再度集めて会議を開く可能性もなきにしもあらずだ。
そして台湾問題が喫緊の課題になる中、対台湾の拠点である東部戦区傘下の73集団軍が厦門に置かれているからここを視察する可能性も大きい。
もちろん古巣の寧徳訪問有無の大いに気になる。そしてそう、昨年の中印国境衝突で殉死し、軍事委員会から表彰されて英雄に祭り上げられた陳祥榕が祀られている墓も寧徳にある。
1989年寧徳で働いていた時代の習近平
さて習近平の突然の地方視察は何を意図しているのだろうか。