【中国動向観察】中印衝突犠牲英雄を「侮辱」で逮捕:fashionインフルエンサー?
再び逮捕者が出た模様だ。北京市東城区の警察派出所(東城公安分局)のSNS「平安北京東城」は26日、昨年6月のインドとの衝突で死傷した兵士(英烈)を「侮辱した」としてSNS・Weibo名「YvonnAlmond」(イヴォン・アーモンド:以下、アーモンドちゃんと略称)こと、許○怡容疑者(27歳)を英雄烈士の名誉を汚した罪で逮捕、勾留していると発表した。
警察によると彼女は罪を認めていない模様で、現在捜査が進められているとのことである。
中印衝突での死傷者の「英雄」について、彼らを「侮辱」したとして既に数人が逮捕されており、その中の比較的有名だった「辛筆シンちゃん」が逮捕されたことは前に触れた通りである。
今回逮捕されたアーモンドちゃんは女性でその上どうやらファンションインフルエンサーであったようだ。彼女のSNS・Weiboアカウントは既に消去されみられない状態になっている。
アーモンドちゃんのアカウントを開こうとすると消去されたと表示が出る
しかし、消されていないイヴォン・アーモンドを検索すると同姓同名で多くの写真や動画がヒットする。どうやらこのファッションインフルエンサーが彼女ではないかと思われる。みていると中国当局あるいは中国のナショナリストが大嫌いな感じのタイプの人である。英語を交えて話しながら、欧米のファッションを紹介し、時には外国らしい場所でのファッションショーを動画で紹介するものもある。
ファッションショーのパスをかざすアーモンドちゃん
コテコテの外国嫌いの中国人からするとまさにこういう人々は忌避される人の典型だ。外国文化、インフルエンサー、若者、欧米、英語、どれをとっても大嫌いなのだ。それゆえアーモンドちゃんがどのような発言をしたか不明であるが、動画でうっかり、殉死者を軽んじる発言をしてしまった可能性がある。そしてそれ自体は大したことなかったとしても、平時から彼女を疎ましく思っていた人々はここぞとばかり通報したに違いない。
皮肉なものだ。中国の指導者たちはみな欧米が大好きだと先日書いたばかりだ。しかし、それは晒してはいけないのだ。こっそり、ひっそり隠れ欧米派なら問題ないが、それを晒すととんでもないことになる。そういう社会なのだろう(939字)。
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