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Web3でBeatをカーボンニュートラル化

 かれこれもう30年近く大切に乗ってきた私のビート。この先もできる限り長く乗り続けていきたいと思っています。
 しかし、時代は脱炭素。旧車愛好家にとっては悩ましいことになってきました。
 最近は、ヒストリックカーのエンジンを下ろして、代わりに電動パワートレーンを搭載する「EVコンバート」という技術も進んできましたが、やっぱりエンジンのサウンドや振動も捨てがたいと考える方も多いと思います。
 そこで、EVコンバートよりずっと簡単に、しかも車そのものを一切改造することなくカーボンニュートラルを実現する方法を考案し、早速実践してみました。カギとなったのはブロックチェーン技術です。

 まず、自分の車の二酸化炭素排出量を算出します。
 CO2排出量は、理論上燃やしたガソリンの量に正比例しますので比較的簡単に計算できます。詳しい説明はネット上にたくさん出ているので、興味のある方は検索してみてください。

ガソリン1リットル使用で発生する二酸化炭素=2,360g

 私の場合はスマホアプリで給油記録をつけていたので、2022年のガソリン使用量628リットルから、CO2排出量1.48トンとなりました。1.48トンと言っても目に見えない気体ですので実感が湧かないですね。

 排出量がわかったら、次は排出量相当の排出権すなわち「カーボン・クレジット」を入手して排出量を相殺します。
 カーボン・クレジットは、植林活動や太陽光発電など、二酸化炭素を吸収あるいは削減するプロジェクトによって生み出されます。
 生み出されるカーボン・クレジットの量の計算方法や客観的な証明方法はまだ開発途上なので、世の中には怪しげなものもあると言われていますが、科学的な根拠に基づいて認証しようとする民間組織も登場しています。後述する私の排出権は、VerraやGold Standardが定める方法によって裏付けられたものです。

 排出権の取引は、主に企業などを対象に試験的な取り組みが始まっています。しかし、個人向けのサービスは現時点(2023年3月現在)ほとんど存在しないようです。

 そこで私が利用したのはWeb3です。
 2021年秋に誕生したKlimaDAOというDAO(分散型自立組織)は、科学的に裏付けられた排出権(デジタル・カーボン)と連動する仮想通貨KLIMAを発行しています。このKLIMA取得した上で、自らの排出量である1.48トン相当分をブロックチェーン上から消去することによって、私のビートは2022年はカーボン・ニュートラルになったと見なすことができる、というわけです。

 この方法を用いれば、ヒストリックカーに限らず、例えば自宅の光熱費や旅行で乗った飛行機など、CO2排出量の推定さえできれば個人レベルでも自主的に相殺することができます。
 実際は小数点以下の取引はできないため、私の場合は2トン分を相殺しました。エンジンオイルやタイヤの摩耗など、算出困難な部分も含めて多めに相殺したと考えることにしましょう。
 まあ「自己満足」の世界ではありますが、もしかしたら世界で最初にカーボン・ニュートラルを実現したビートになったんじゃないかな?と一人悦に入っているところです。

※暗号資産の取得方法についてはネット上にたくさん情報がありますので興味のある方はご自身で検索してみてください。当然リスクもありますので、自己責任でお願いします。

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