メディアの話その127 メタバースはVRじゃない。
いま喧伝されている「メタバース」は、VRの一種だけど、VRは別に新しいものではない。
コンピュータとインターネットがもたらしたのは、いながらに世界とつながるVR化と、世界に誰かの知識や概念がタグ付けされるAR化を加速したこと。
VRそのものは個々人の環世界であり唯脳。
ARは世界を分類し名前をつけていく行為。
どっちも人類の脳内にあること、人類の文明が更新し続けてきたこと。
むしろ、VRとARは、人間の世界認識の「本質」だったりする。
現在いわれている、メタバースその他は、VRやARを、インターネットとクラウドと位置情報とAIを活用して、共通プラットフォームでサービスにすること。
一方、環境問題は別。
EVやエネルギー問題、環境問題でごっちゃになって語られているのは、徹底的にメディア化情報化できるレイヤーの話と、物質的なやりとりや移動の話。自動車とARがつながる世界は、スムーズに広がっていく。
けれども、エネルギーと環境の問題は、脳内の拡張である、インターネットやメタバース、AIの話とはまったく異なる。脳外=自然がかかわるからである。
前者と後者のパラダイムシフトのスピードは必然的にズレる。