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27の秋、髪を切った

タイトル通りである。
私は昨日、20センチほど髪を切った。
補足すると、私が今行っている美容院の兄ちゃんは意志が強い人で、「鎖骨くらいのが、バランスいいですよ。」と言っていた。
それでも「切りたい気持ちなんです…」となんとか自分の意思を伝えたのである。(2回目の美容院なので意志の伝え方が難しい…)
相当な覚悟であることが伝わるだろうか。

いろんな要素が集まって、切ろうと思った。

①伸ばす意味がなくなった
②人生、うまくいってる時に切ってみたかった
③新しい自分になりたかった
④人生は永遠じゃないから

①伸ばす意味がなくなった
実は、結婚式をする時、髪が長いほうがアレンジできると思って伸ばしていた。ちなみに、結婚式の予定なんてまだない。
でもふと考えてみたのだ、このコロナ渦、いつ結婚式が出来るんだろう…
そもそも出来る頃には結婚式を延期しまくったカップルたちが上げまくる未来が目に見える。
そう考えたら伸ばす意味がなくなった。

②人生、うまくいってる時に切ってみたかった
あなたの周りにもいないだろうか、何かあるたびに髪の毛をバッサバッサと切る女。
その人はきっと私の親戚かもしれない…いやそうでなかったとしてもきっと気が合うことは間違いない。
それぐらい私は何かあると切るのだ。
数年前、失恋のたびに髪を切っていた。
「結婚式はヘアアレンジできる長さで♪」なんて結婚式の「け」の字も出てないタイミングで髪を伸ばし始める。(文章にすると恐ろしいな)
だからこそ別れた後に切る。
恋人のために伸ばした髪の毛がむなしいからだ。

私は今、人生が楽しい。
仕事も面白い、年収も上がった。
恋人も誠実で、時間とお金を好きに使える。
そんな人生のタイミングで切ってみたかったのだ。
自分のために髪を切ったのはいつぶりだろうか。

③新しい自分になりたかった
8月に新しい会社に入社し、今はインサイドセールスとして働いている。
実は前職でも電話営業は泥臭くやってきたほうだった。
どこか驕っていた自分がいた。「私は泥臭く電話かけてきたから」と。
でもインサイドセール、使う頭が違うのだ。
入社して2カ月、なんかうまくいかなくなった。数字が止まった。
そんな時、気の利いた先輩から「俺たちがやってた営業とインサイドセールスは違う。一旦、一から積み上げてみよう。」という言葉をいただいた。
そういう背景があって、心機一転したかった。
新しい自分で、インサイドセールスという営業行為に向き合いたかった。

④人生は永遠じゃないから
今、我が家の愛犬が水も飲めないくらいに衰弱している。
中学生の時から飼っていた。
保護犬で、母犬がダルメシアンのMIXだ。
ダルメシアンは101匹わんちゃんに出てくる、足の長い白い胴体にぶちが特徴の犬だ。
ただ、我が家の愛犬は父犬が真っ黒の雑種だったらしく素敵なぶちが見えない子だった。
でも私はその情けない愛犬が大好きなのだ、なんか不器用な感じが私と似ている。
歳もあると思う、肝臓腫瘍があるそうで歩けないほど衰弱してしまっている。
私はふと「人生は永遠じゃない」と思ったのだ。
毎日があっという間に過ぎ去って、なんだか永遠に続きそうだがそんなことはない。
昔、誰かの葬式の時、お坊さんから言われた。
「人はこうやって故人の死と向き合って、時間の大切さに気が付くものです。それが故人の残してくれた最後の贈り物かもしれません。」

人生は永遠じゃない。
もっと散歩に行ってあげればよかった。
もっとたくさん写真を撮ってあげたらよかった。
もっと一緒に過ごしてあげればよかった。

そんな大事なことを私は全く気が付いてなかったのだ。
もう一度言う、永遠なんてないのだ。
だったら今自分がやりたいことをやってみるべきだ。
自戒の念を込めて、私は髪を切った。

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