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〈2025年1月〉今月のかっこいい音楽詰め合わせ
2025年1月に聴いた29枚のアルバムの中から、特に好きだと思ったアルバムをご紹介します。人生においてお耳のお供はあればあるだけ良いものですから、この機会にぜひ覗いて聴いてみて下さい。
また、選んだアルバムの感想の他に、以前関連するエッセイを書いていた場合は一緒にリンクを掲載しています。気が向いたら併せてどうぞ。
Zach Phillips / True Music
ニューヨーク・ブルックリンのSSWで、Fievel Is GlauqueやBlanche Blanche Blancheのメンバー。
本作は2024年の深夜にブルックリンでPCを使って収録されたアルバムだとか。そういうひっそりしたDIYな雰囲気が素敵で、自分も深夜に聴きたくなる一枚。PCで収録してるので、本来はそんな音にならないところを意図して音を作っていると思うのですが、全体的に音がモコモコしてるのが愛おしいですね。年始の慌ただしさを忘れて一息つくのにいい音色。
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Franz Ferdinand / The Human Fear
みんな大好きスコットランドのインディー・ロック・バンド。私にとってこのバンドは、洋楽と接するようになり始めた時期によく聴いていたバンドです。初期の雰囲気は好きだったんですが、ジャケットがバウハウス風なデザインから変わるのと同じように曲調も変わって、離れてしまっていました。
本作はそういう文脈で言うと、かつての彼らの気配を感じる音色。聴きながら、「おお!」と思う瞬間もありました。もうバンド歴も長いですしみんな大人ですしメンバーも違いますから、あの頃のような爆発力はありませんが、昔の友人に再会したような気分でした。
<関連エッセイ>
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Ela Minus / DIA
コロンビア出身のクリエイター、2nd。私はあまり高音が強い電子音が得意ではないので、ちょっと聴くのに苦労しました。だけどそれはそれとして、ただならぬ気配を感じる一枚です。シュッとしている温度低めなボーカルなのに、どこか人間らしさを覚える……。どうしても気になってしまう、無視できない音楽。
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Jasmine.4.T / You Are the Morning
マンチェスター拠点のSSW、Jasmine Cruickshankによる本名義デビュー作。リリースはPhoebe Bridgersが立ち上げたレーベルSaddest Factoryで、本作はJulien Baker、Phoebe Bridgers、Lucy Dacus(つまりboygenius)がプロデュースしているとか。
軽やかさと淡さと光を内包したハスキーボイスが存在感大。爪弾かれるアコギの温度感もあって、全体的に苦悩を抱えつつもどんよりした暗さはなく、力強さを感じます。春を待つ頃に聴きたいですね。
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The Weather Station / Humanhood
カナダのフォークバンド……だけど、もはやフォークというジャンルを飛び越えてThe Weather Stationという一つのジャンルになったような気がしています。
決して明るい雰囲気ではなくて、内省的な音色なのですが、その音の鳴中に浸りたい瞬間って人生にはあるよな……。このバンドの音楽を聴くと、いつもそう思います。闇の中で見えるものもある、そんな気持ちになります。
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Kele / The Singing Winds Pt. 3
イギリスのロックバンド、Bloc PartyのフロントマンKele Okerekeによるソロ名義作。最初の音を聴いた瞬間から、え……かっこよ……と心奪われました。
ボーカルと同じくらい存在感があるギターの音色、インディーロックでありながらどこか哀愁を感じるメロディラインが最高にいいです。「今わたしは音楽を聴いている……!」という胸の高鳴りが続く、満足度の高い作品。好きです。
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Nyron Higor
ブラジルのマセイオ出身。自主制作のデビュー作『Fio de Lâmina』が、いい音楽を集めて来るでお馴染みGilles Petersonにも注目された、マルチ奏者。
インスト多めなアルバムで、ブラジルの伝統的なリズムは感じるけどどこか今時なローファイさ、ベッドルームポップのチルさがあって耳馴染みがいい一枚。ゆったりした気持ちになれる、ときめきを感じる美しい音色です。
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Maribou State / Hallucinating Love
今年もNinja Tuneは俺たちを裏切らない。1曲目からそんなことを感じたアルバム。メンバーの病気などを乗り越えて生まれた音楽は、ジャングル、ガレージ、トランスといった踊れるエレクトロニカの系譜をガンガン感じられる、だけどシュッとしてて熱すぎない良さがあります。同じくUKのエレクトロニック・ダンス・デュオ、Jungleが好きな人には刺さるはず。
<関連エッセイ>
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Circa Waves / Death & Love Pt.1
2013年にイギリスのリバプールで結成された、インディー・ロック・バンド。音楽好きな方なら、この文面だけでどんな音楽が聴けるか察しが付くのでは。
その期待を裏切らない、2010年代の空気いっぱいの王道インディー・ロック。それでいて、このアルバムはフロントマンKieran Shudallが臨死体験をしたのがきっかけで生まれたというのだから驚き。でもそのストーリー自体がなんかインディー・ロックって感じなんだ……。
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2025年、早速フルスロットルで音楽がやって来て嬉しいです。今年も好きな音楽がたくさん増えたらいいですね。
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先月聴いたアルバムはこちら。
矢向の2024年ベストアルバム10選 #AOTY2024 はこちら。
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© 2025 Aki Yamukai
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