〈2024年11月〉今月のかっこいい音楽詰め合わせ
やっと秋が来たと思ったら冬もいきなり来た2024年11月に聴いた74枚のアルバムの中から、特に好きだと思ったアルバムをご紹介します。人生においてお耳のお供はあればあるだけ良いものですから、この機会にぜひ覗いて聴いてみて下さい。
また、選んだアルバムの感想の他に、以前関連するエッセイを書いていた場合は一緒にリンクを掲載しています。気が向いたら併せてどうぞ。
Flying Lotus / Spirit Box
10/30にサプライズリリースされた(ので、10月の音楽詰め合わせから漏れてしまった)アルバム。みんな大好きアメリカの音楽プロデューサー、サントラを除くと2019年以来のアルバムリリースとか。確かに最近はタイアップが多い印象があったので、こうして彼の純粋な音を聴けるのは嬉しいです。しゅっとしたひんやり系のハウス、これまでのイメージと少し別な方向性のようにも感じますが、それはそれでかっこいいのが流石です。
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Tuxedo / IV
ご機嫌なディスコサウンドと言えばこの二人。Jake OneとMayer Hawthorneによるデュオの音楽を聴くと、踊りたくなる元気が湧いてきます。どのアルバムを聴いても安定して楽しい……!
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Contour / Take Off From Mercy
サウスカロライナのKhari LucasによるソロPJTで、本作がデビューアルバム。本作は、一緒にデュオPJT"BLACK DECELERANT"を結成しているOmari Jazzと共同制作されたものだとか。
かなり私の好みに刺さりました。ソウル、R&B、ヒップホップ、サイケ、エレクトロニック、エクスぺリメンタル……といった様々なジャンルの系譜を感じつつ、一枚を通して聴くとまとまりがある。それでいてあっさりし過ぎてる訳でもないし、情報量多すぎて頭痛い……ってことにもならない名作。この秋にぴったりな音色です。
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Urika’s Bedroom / Big Smile, Black Mire
ロサンゼルスのアーティスト、デビューアルバム。これもめちゃめちゃ好きですね……。「もしカート・コバーンがMacBook Proを持っていたら、Nirvanaはどんな音を出しただろう」という想像から生まれた、グランジとコンピューターミュージック。全体的に温度低めでありながら、ぐっと引き込まれるクールさ、気だるさがあります。
歌声やメロディの雰囲気から、前に聞いたOrgan Tapesの"唱着那无人问津的歌谣(Chang Zhe Na Wu Ren Wen Jin De Ge Yao)"を思い出しました。
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Meishi Smile / Limerence
アメリカのプロデューサー兼ビジュアル アーティストのFayeYimによって結成された、ロサンゼルスを拠点とするエモ・エレクトロニカ・バンド。本作はかなり聴き心地がよくて、シューゲイザーな土台の上にロックやポップス、チルな雰囲気が散りばめられています。ずっとこの中にいたいと思わせてくれる音色。好き……。
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Yatta Bandz / Acrylic
2019年のシングル"Money Talk"でデビューした、ニューヨーク/ブロンクス出身のヒップホップ・アーティスト。あまり情報が多く出ていないのだけど、このアルバムを聴くだけでも彼が今のニューヨークのヒップホップシーンで人気を集めているのがよくわかります。だってかっこいいアルバムだから……。
音の響きが怖くない、メロディラインが美しいヒップホップがお好きな方にオススメしたい一枚。
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Linkin Park / From Zero
待ってた……。ずっと待ってました。再始動が決まって、アルバムの発表があってからずっと。11月か~長生きしなきゃなあ~なんて思っていたらもう11/15が来ていました。
再始動時の思いの丈はこちらのエッセイに綴っています。
アルバムを聴いた印象は、「なんかえらい懐かしい雰囲気に戻ってるな……!」でした。全体を通して聴いてみると、やっぱり"Heavy Is the Crown"は最初のギターからもう“あの頃”のLinkin Parkでびっくり。先行公開されていた"Two Faced"も、曲の構成がもうあの頃……! スクラッチ音が懐かしい……。他にも、楽曲によってはかつてよりも激しく感じる音もあって、ずっとドキドキしながら聴いていました。
ああ、新しい彼らの音がこんなに嬉しいなんて。
2025年2月の来日はさいたまスーパーアリーナとのこと。先述のエッセイに書いた通り、私はかつて同じ場所で彼らのライブを見ているので、なんだか感慨深かったです。
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Jon Batiste / Beethoven Blues
第64回グラミー賞で最多5部門受賞、Coachella2024への出演(更にヘッドライナーを務めたLana Del Reyのステージにも登場)……と、活躍が止まらないミュージシャン。ニューオリンズで演奏していた経験もある彼が、現代のジャズ・彼のルーツや経験と過去の作曲家ベートーヴェンを結び合わせた名アルバムです。ベートーヴェンの有名な作品の中に、Jon Batiste作曲の曲も入っているのだけど、自然と馴染んでいる不思議。
1曲目は皆さんご存知「エリーゼのために("Für Elise")」。物悲しいイメージがある楽曲ですが、彼の手にかかればエリーゼの足元は軽やか。他にも、「運命(交響曲第5番)」のアレンジ「5th Symphony In Congo Square」は、ベートーヴェンとアフリカのリズムの共通点を音で表現した心躍る仕上がり。元の楽曲へのリスペクトと、Jon Batisteらしさが詰まった聴き心地の良さを楽しめます。
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Fazerdaze / Soft Power
ニュージーランドのSSWで、本作は7年ぶりのリリースとなる2nd。本人曰くこのアルバムは「ベッドルーム・スタジアムのレコード」とのことで、確かにベッドルーム・ドリーム・ポップなんだけれど音に広がりを感じます。ホッとするのに少し不安定で、きらきらしているのに夜に聴きたくなる。近しいのに遠い。そんな雰囲気のアルバムです。
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Chelsea Wolfe / Unbound EP
北カリフォルニア出身のSSWで、カントリーミュージシャンの父親に育てられたゴシック・ロックミュージシャン。本作は、既存曲のギター・ピアノ・ボーカルバージョンと、カバー曲を収録した4曲入り。静かで物悲しい、だけど暖かい温度を感じます。
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TYSON / Chaos EP
ロンドンの音楽一家出身のR&B SSW。本作はデビューEPで、Wu-Lu (
2022年リリースのアルバム”Loggerhead”でお馴染み)が参加した楽曲"Grunge"も収録しています。
ネオソウルと言っていいのでしょうか、穏やかな立体感のある音色が心地よくて、どっぷり浸りたくなる一枚です。
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Becky and the Birds / Only music makes me cry now
4AD所属、Thea Gustafssonの本名義デビューアルバム。本作はセルフプロデュース作だとか。繊細さと芯の強さを感じるスモーキーなボーカル、電話の録音や環境音、ストリングズ、コーラス……。色んな音が組み合わさったアルバムだけど散らかった印象はなく、全体に共通するきらきらした浮遊感があって心地いいです。
所属レーベル4ADについては、以前こちらでご紹介しています。
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Delorians / Sweetboy Serenade
インドネシアのSSW、私は初めて聴きました。最近流行りのLo-fiとかシティポップといった、肩ひじ張らないけど格好いい音楽のいい所どりといった感じで結構好きです。のんびり聴きたい一枚。
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Leo Bhanji / Shell
このアルバムはかなり好きです。洋楽ファンならご存じの方も多いだろう、イギリスのレーベルDirty Hit所属。冬に似合う物静かなインディーロックもあれば、エレクトロニカの要素が入った楽曲もある名盤。素朴なギターや澄んだピアノ、物憂げなボーカル……。好きな音色がたくさん聴けて幸せな一枚です。
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あっという間に年末ですね。来月も来年も、いい音楽を楽しみに生きていきましょ。
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先月聴いたアルバムはこちら。
矢向の 2024年上半期ベストアルバム10選+α #AOTY2024 はこちら。
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