![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/172172058/rectangle_large_type_2_d6c6b5bd29b77f597cd686f25c975dee.png?width=1200)
10X社の価値観 / Stailer 事業の実績
こんにちは、株式会社10Xの代表・矢本 (yamotty) です。
この度、10X社を紹介する資料であるCompany Deckを、手ずからに刷新しました。大きく以下の2点に注力しています
今の10Xという会社が持っている価値観のアップデート
Stailer 事業の実績をできるかぎり客観的にお伝えする
このnoteでは、あたらしくなったCompany Deckのポイント解説を通じて、今の10X社の状況をお伝えできればと思います。
なお「解説をすっ飛ばして資料を見たいよ」という方は以下のSpeakerDeckより御覧ください。
それでは本文です。
10Xがもつ価値観
約8年の経営を経て、10X社内には「~指針」「~戦略」といった抽象度の高い概念が乱立しており、運用が止まったものや放置されているものが散見されました。
創業者としてはどこかでこれをリファクタリングしたいなと思っており、ちょうど2024年末のタイミングで実行に移しました。
まずは、こういった広義の「指針」を改めてフレームとして定義し直し、また古いドキュメントや運用を停止するものを明確にし、アーカイブするという作業を行いました。
新たに定めた指針は以下のレイヤ構造をとるように再デザインしています。
![](https://assets.st-note.com/img/1738108864-MSbRc6okGBuHCp3TiZq1gXwL.png?width=1200)
こうした構造のアップデートに加え、Mission とCredo という最も抽象度の高い2つの価値観をアップデートしました。
Missionのアップデート
創業来、私たちが設定してきた「10xをつくる」というMissionは、今でもゆるぎのない価値観です。一方で自分たちの事業や事業を通じて達成したいことを示すうえでは抽象度が高いという課題もありました。
今の事業との結びつきを説明しづらいな〜と思っていたのです。
Stailer という事業が育ち、新たな新規事業が芽生える中で、この先10年の方向性と事業を結びつけて語れるものにアップデートしたい、と考えていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1738137804-0MXiAEo6YWDJLCS7dx1hzGHO.png?width=1200)
こうした背景から、Missionを「小売業の未来を拓く」として再定義しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1738137778-6JGxeDSy3YqMX1vntOBauIcr.png?width=1200)
Credoの設定
Missionのアップデートを社内に発信したところ、嬉しいフィードバックがありました。
「Missionが事業や顧客に立脚しているものはよく理解できた。しかし、10XがこのMissionを定める背景はそれだけではないはず。10xをつくるという内発的な価値観もあるはず。社員としてこの価値観に共感して仕事をしている人も多いのではないか」
このフィードバックは私にとっても気づきがあり、そして創業者として設定してきた「10xをつくる」への共感を口にしてもらえたことに、小さな感動を覚えました。
フィードバックを踏まえ、あらためて「10xをつくる」とは何なのかを検討すると、それは自分たちにとっての信条であると整理できました。
これまでもこれからも大事にしていきたい創業時の価値観である「10xをつくる」を、公式に Credo (信条) として設定しました。
改めて長く紡いでいきたいと考えています。
![](https://assets.st-note.com/img/1738137745-JVuwKpfjINisXlG79HrxtA5F.png?width=1200)
ネットストア市場の現状と、事業の特性
Disclaimer: 既存事業であるネットスーパー・ネットドラッグストアのための基幹プラットフォーム事業「Stailer」については、その事業名を「Stailer ネットストア」と改める計画があります (あくまで計画です)。
これに先立ち、Company Deck内では「ネットスーパー」を一貫して「ネットストア」として言及しています。やや聞き慣れない言葉かもしれませんが、暫定として受け止めていただけると助かります
ネットストア市場の現状
新型コロナは、EC事業者には強い追い風となりました。ネットストア市場も例外ではなく、2020年には前年比 +48%と急速な拡大を見せました。
ではこの追い風が止んだ後、どうなったのか?
実はネットストア市場は安定して2桁成長を続けています。
![](https://assets.st-note.com/img/1738137729-rB7xUh5Fnaop1ldeR6OZ93Pv.png?width=1200)
横に並べたスーパーマーケットの市場推移と比較しても、ネットストア市場は高い成長率を示しています。
ネットストア事業の特性
私たちがパートナーとネットストア事業を営む中で見えてきた「事業に共通する特性」をインサイトとして開示しました。
それは (1) 店舗の顧客に比べて圧倒的に顧客層が若く、(2) ネットストアの利用に伴い顧客のLTVが大きく増加する、という事実です。
![](https://assets.st-note.com/img/1738137720-zuMBp2yK3qcEZYoPt9UxwTaL.png?width=1200)
この2つを統合すると「若いお客様を引き付け、そのお客様のウォレットシェアを高めていく」うえで、ネットストア事業は非常に有効なのではないかといえます。
この顧客インサイトが現実のものとなっていることに、私たちは非常に強い手応えを感じています。
Stailer ネットストア事業のハイライト
3つのハイライトを開示させていただきました。特にNewな点に絞って紹介したいと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1738137707-SW20LhcjFoYEBrz4m5uZCabN.png?width=1200)
お客様アプリに対する圧倒的な高評価
当然ながらネットストア市場には10X社以外にもアプリケーションを公開している企業は複数存在します。
こうした各社を横比較することのできる貴重なオープンデータとして、アプリストアでのユーザーレビューがあります (※ 10Xがクローリングして集計)。
主要なネットストアアプリの評価を比較すると、上位の多くが10X 製で占められており、また10X 製のアプリの評価分布は非常に高いところで安定していることがわかります。
私たちの大きな強みの一つであるUXの高さが、お客様から目に見える形で評価されており、優位性の一つになっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1738137685-gV2OnGh3kHX9UPlaSYJI0ENm.png?width=1200)
強い継続率と、市場を大きく上回る成長率
プラットフォームの価値は、そのプラットフォームを流れる価値の大きさで大部分が決まると思っています。
Stailer ネットストアは、約4年間の運営で数百億円規模と、市場トップクラスの流通総額 (GMV)を扱うプラットフォームに成長しました。
成長の一番のドライバーは顧客継続率の高さと言えます。
左の図は、「毎年新たにStailer ネットストアでお買い物をしたお客様からもたらされるGMVが、翌年以降はどう積み上がるのか」を示しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1738137666-CL4AOSfeTqzZF79WKdNhyJI6.png?width=1200)
流石に実数はマスクさせていただきました(汗
端的に言うと、利用初年のGMVに対し、同じ顧客からのGMVは2年目に大きくネガティブチャーン (増加) します。3年め以降は少しずつ減少し、フラットになります。
ここに毎年新しい顧客からのGMVが積み重なることで、全体のGMVが成長していきます。
こうして生み出されている2024年のStailer ネットストアの成長率は、市場全体と比較しても5倍以上高くなっており、大きなα (独自の強み) が生み出せています。
パートナーのP/L 黒字化の実現
最後は我々にとって重要なパートナーである長野・デリシア様の黒字化事例を紹介させていただきます。
デリシア様とは戦略的に利益化を目指すためのプロジェクトを立ち上げ、2023年後半より一緒に取り組みを進めてきました。黒字化のために取り組んでいる内容は以下のnoteに詳しいです。
下図は、Stailer ネットストア導入前後のデリシアネットスーパー事業 (※)の店舗営業利益率の推移を示したものです。
導入後1年半で、営業利益率が大幅に改善し、-31.4% → +1.0% へと黒字化しました (2024/3時点)。デリシアネットスーパー事業創業来、初の出来事でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1738181767-SF1OYLtjeqW5dQlNXgGzxayb.png?width=1200)
デリシア様に実数掲載を快く許諾いただきました。なお、デリシア様はデリシアネットスーパー事業という名称で事業運営されています。
デリシア様にとっても長年赤字だったデリシアネットスーパー事業が黒字化できることを確認できたため、現在はさらなる事業拡大に取り組ませていただいています。売上の規模はStailer ネットストア導入前と比較して3倍近くまで急成長しています。
組織構造
最後に、組織構造についてのアップデートもあります。2022年より10Xはマトリクス組織と複雑な人事制度を運用してきました。
しかし昨年末に記載したnoteにあるように、10Xは構造改革を行いました。
皆が痛みを伴う組織変革を経て、組織はスリムでフラットに、人事制度は事業成果に長期でコミットするうえで最低限の形へスリム化しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1738137841-10nxEgForakGX3pJuACbzWHv.png?width=1200)
私たちは「組織は事業に準ずる」という規律を持っています。
事業はネットストアの力強い拡大、新規事業の立ち上がりと大きく変化をしており、今後もそれは続くでしょう。
その事業の姿に、組織の姿をできるだけ理想に近い形で変化させ続けたいと思っています。
決してベストはありません。ただ、しなやかで変化できる組織を今後も創り続けたいと思っています。
以上、ここまでが新しくなったCompany Deckの解説です。
改めてご関心を持っていただけた方は以下よりぜひお読みいただければ嬉しいです。
全力採用中です!!
雌伏の時を経て、10Xは改めて大きく飛躍できるように採用を強化し始めています。最後に今オープンになっているポジションと、私 (CEO) 目線での推しポイントを紹介させていただいて締めたいと思います。
推しポイント
10XのBizDevはマジのBizDevだと今も昔も思っています。自分たちだけで動かすことのできないレバーを、パートナーを動かすことでレバレッジを掛ける。そこに簡単な調整は一つも存在しませんが、実現できたときのインパクトは本当に大きいです。
全メンバーがそれぞれ担当小売パートナーの売上からコスト項目までのあらゆるレバーを引きながら黒字化を目指すというPLを持てることが推しポイントです。サービス自体が小売パートナーに取っての一つの事業であり一緒にPL全体と向き合っていることが通常のアカウント担当との違いで、事業責任者になれば見る事業PLを持つ視点を全メンバーが持たざるを得ないことは、プレッシャーでもあり、機会でもあります。
さらに今年からは事業ポートフォリオの拡大という変数も重なります。BizDevの腕によって機会とTAMを押し広げていくことができるポジションです。ぜひいろんなバックグランドの方に挑戦いただきたいポジションです。
推しポイント
Credo のなかにある「人が実際にかかえる問題」を射抜き、構造的に解決できるプロダクトデザインへ落とし込むのが10Xのプロダクトデザイナーです。専任となったsuuminさんはすべてのプロダクトデザインに関わり、そればかりか会社のあらゆるタッチポイントに適切な思想やシステムでデザインを反映させてくれる信頼できる方で、彼女と一緒に働けることが「推し」の一つです。また新規事業の拡張をまだまだ進めていく途上にあり、ゼロからプロダクトを作っていくプロセスに深く関与いただけることがもう一つの「推し」です。私もいっしょに仕事させてもらうことが多いポジションでもあります。
suuminさんの最新の記事も合わせてどうぞ。
https://note.com/suuminbot/n/n4e295f4381bd
推しポイント
10Xのプロダクトはすべてが多角的です。UXだけ、エンジニアリングだけ、顧客だけ、KPIだけ、財務だけといった点の視点ではなく、すべてを同時に把握し、意思決定していくことが求められます。
それはストレスでもあると思いますが、私たちが掲げる「長期」的な成長のためには必然のことだとも思います。こうしたPdMに多くが委ねられた環境自体が推しポイントです。ぜひ長期で成長するプロダクトを一緒に作りましょう。
ぜひPdM浦さんのnoteも呼んでみてください。
https://note.com/yskur/n/ncb15c10f60cb
推しポイント
10Xのエンジニアリング組織は、要件が不確実な状況から自ら関わり設計をし、大手のパートナーの信頼に足る品質を提供しながらプロダクトを開発し、それでいてその結果はエンドユーザー含むユーザーからダイレクトにフィードバックが届くという、B2B2Cモデルならではの文化があります。
特にプロダクト開発においては業務ドメインごとにオーナーとなるチームを定める体制を取っていることから、チームによってはSWE自ら泥臭く (賛否はありますが) 現場の業務を理解しに行くことも日常の光景です。
こうして作られたプロダクトは、確実に人やモノを動かし、買い物を支えるインフラとなっています。こうした意義・文化が推しポイントになります。
推しポイント
10Xの事業の大きな特徴は、顧客がすべて大企業であり、社会の中で不断の性質を求められるインフラ企業だということです。必然として、その顧客 (パートナー) を支えるわたしたちも、不断のインフラとなる必要があります。
それはセキュリティの面であったり、情報管理の面だったり、様々な面で「ベンチャーだから」では許されないというプレッシャーでもあります。
同時に、事業の成果を最大化させるために従業員の生産効率を高めることを社内ITの側面からサポートすることも求められます。
ただ現実の問題として私たちはまだまだ小さなベンチャー企業です。限られた条件の中で、事業から求められる高い規律をどう生み出していくのか。ここにチャレンジがあるのがこのコーポレートITというポジションの推しポイントです。
カジュアル面談も受け付けているので、もしポジションに迷う方や、今はポジションがないかもしれないけれど話を聞いてみたい、という方はぜひ以下のリンクよりご応募いただければ嬉しいです。