画期的TFA(Tennis using Finger Action)テニス理論第2弾
2)バックハンドストローク
2―1)片手バックハンドストローク
バックハンドは出来るようになれば、全てのショットの中で最も安定して打ち易いショットになるであろう。ラケットの振り方には横振りと立て振りがあり、フォアハンドストロークには横振り要素が大きく入っているが、バックハンドストロークは立て振りである。
バックハンドストロークで多くのプレヤーが陥っている打ち方は、いわゆる横振りの打ち方である。ラケットをフォアハンドストロークと同じように振り回すと腹切りスイングになり、釣り遅れになってしまう。
バックハンドストロークは、テークバックした時の位置からラケットのグリップエンドでボールを押すように振り出すが、インパクトの位置まで直線状にラケットを引きだしながら、ラケットを親指で上方に跳ね上げてボールの前面をヒットする。TFA理論(Tennis using Finger Action)はバックハンドもフォアハンドストロークと同じように指を使う事を勧めるが、人差し指ではなく親指を使って、ラケットを上方に勢いよく回転させながら押し上げてボールをヒットする。
この時、親指の位置はグリップの底側に置き、インパクト前は力を入れずにグリップに添えておく。又、打点に関しては身体の横にすると横振りになり易く腹切りスイングになるので、打点は斜め前にして、この打点に向かって立て振りのスイングでボールを打つ。
極端に言うと、テークバック無しで打点を斜め前にして親指の操作のみでボールを打つ事も可能であり、親指を使う効果はフォアハンドストロークの人差し指の場合と同じである。これらの事を理解してボールを打つと、フォアハンドストロークよりバックハンドストロークノ方が安定して打てるので、どちらで打つか迷った場合、バックハンドストロークの方を選んだ方が良いと言える。
2-2)スライスバックハンドストローク
多くの場合によく使われるバックハンドストロークのスライスについて述べるが、最も力の入らないショットである。グリップは薄い握りのコンチネンタルグリップが向いている。テークバックではラケットヘッドの位置が背中の後ろになるまでラケットを引き、この位置より右肩でラケットを引っ張る事が大事で、決して腕だけでラケットを引張らないようにする。
スライス系のショットは腕でラケットを振るのではなく、肩の動きとラケットの重さによってラケットを振り出す。又、ラケットをインパクト直前に親指でグリップを押してヘッド振り抜くと、回転のかかったボールになる。
慣性力と摩擦力の観点より、ボールの前面ではなく底面から後面を下から若干上向きにこすり上げるとスピンが多くかかる。バックスピンがかかったスライスボールには上向きの浮力が働き、野球のピッチャーが投げるような糸を引くようなボールになる。
バックハンドのスライスボールがコート面に着地すると、前進方向と回転方向が同じなので、摩擦抵抗によってボールは止まり勝ちになるが、ボールに働く浮力によって浅い侵入角度でコート面と接触すると、摩擦抵抗が小さくなってボールがコート面を滑り、ボールが伸びるように感じる。
バックハンドストロークのスライスは、トップスピンより感覚的で微妙なタッチが要求される。ラケットを単に手首を使って上から下方に振り出すとチョップボールになるので、必ず肘を伸ばしながらラケットを前方に小指で引っぱる事である。又、バックハンドスライスは防御的であると言えるが、非常に大事なショットで多くの場面で使用されるので、是非ともマスターしなければならないショットである。
バックハンドストロークのスライスで思い出されるのは、先ずオーストラリアのローズウオールであろう。彼のスライスのフォームは、一流のバレーリーナの様な優雅さがあり、多くの人を魅了した。又、インドのクリシュナンのスライスもローズウオールのスライスの流れを汲むものであった。彼らに共通しているのはラケット面にボールを乗せて運んでいるようなフォームであるが、現在でもその要素は残っているものと思われる。
2-3)ダブルハンドバック
ダブルハンドは左のフォアハンドと似ている。左肩でラケットを引っ張り出し、インパクト直前に左人差し指でグッリプを押して、その後左肩と人差し指でヘッドを最後まで加速する。