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あの子とわたし
*これは夏頃書いてそのまま投稿しそこねていた記録。
書きたいなぁと思うことは色々その都度思うのに忘れてしまうし、めんどくさくなっちゃうし、なんだか疲れやすくなっていたり
ただでさえダメ人間なのに歳を取ればとるほどダメさが増していきます。
とはいえお店はのんびりですが自分のペースでコツコツと。
少し今の感情を忘れずにおきたいなぁと思ったので久々に書いておきます。
てか、久々に自分のnote見返すと恥ずかしいけど面白いモノですね。
先日のお休みの日、銅版画家の藤原杏菜さんという作家さんの展示会に行ってきました。
彼女は去年の夏にこの世を去りました。
その訃報を知った瞬間の衝撃は今も鮮明に残っています。
あんなちゃんとはお店を初めて間もない頃、
同じく銅版画家である出口春菜さんの展示会に伺った際出会いました。
パっと明るい美人さんで、気遣い上手でおしゃべり上手
あっという間に大好きになりました。
その後、その時仲の良かった作家さんたちとみんなでよくご飯を食べに集まったり
何かイベントがある毎に同じメンバーで遊んでました。
2016年の年末、出口春菜さんとあんなちゃんの二人で展示会もしてもらいました。
タイトルは
“Nocturne うたかたの約束”
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148552244/picture_pc_c1577b8ae5f0e4a43a2b0fd252641293.png?width=1200)
今思うとなんでだろうって感じなんだけど、4日間だけの短い期間。
このDMは春菜さんと杏菜ちゃんの指切りげんまんしている手を一枚の銅版画にデザインしてもらったのです。
とても贅沢な、奇跡のような一枚だった。
この会期の搬出のとき、2017年の年明けだったかな。
あんなちゃんが作品を引き取りに来てくれて、そのまま占いをしてくれたのを覚えています。
(あんなちゃんは銅版画もできるしグロテスクでアーティスティックなお菓子も作れるし、占いもできちゃう多彩な女の子!)
普段は占いって怖くて苦手で(わたしってなぜだか良いことを言われない)遠い存在なのですが、あんなちゃんの占いはあたたかくて優しくて、でもコアがギュッと強くて、そんな占いに年明けからうるうるした。
具体的に何を言われたかは全然覚えてないんだけど、とても嬉しかったし、何よりあんなちゃんと二人でゆっくりお話しできた時間がとても有意義だったのです。
それからちょこちょこ会ってはいたけど、ある時期から連絡が取れなくなってしまい疎遠になっていたタイミングでの訃報でした。
一年経ったこの夏、苦楽園にあるギャラリー6cさんで開催されたあんなちゃんの展示会。
あんなちゃんの作品は個性的なキャラクターが細かく繊細に描かれていて、少しグロテスクでシュールな世界観はクスッと笑えて、彼女自身のように、魅力的でした。
版画に描かれているどのキャラクターも世間一般的な世界であればコンプレックスと言われそうな特徴を敢えて大袈裟に描いかれていて
(例えば食べすぎて太っちょな生き物とか)
そんな人の弱味みたいなものをこんなにもチャーミングに繊細に表現しちゃうあんなちゃんは、やっぱりとんでもなく優しい人だったなと思う。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148553262/picture_pc_531dbb229b99cea834dcb40ce6ed76de.jpg?width=1200)
作家さんの作品を扱わせてもらう仕事とは、とても尊いことを仕事にしてしまったと思う。
作品はこどもであり、命であり、作家自身でもあり、
それを預かる立場、受け継ぐ立場のわたしたちは責任重大なのです。
彼女の残した作品は、誰かの元で愛されるだろうしもう新しく生まれることがないという悲しさはどうすることもできない。
作品は、モノなんだけど、ナマモノだと思ってる。
愛情を持たずにはいられない。
全部抱きしめて今日もお店に立つ。
あの子との約束。