【第2章インド猫と暮らす】ヤンマール家族になる
妹分のミャンマーが行方不明になり、ひとりぼっちになったヤンマールを不憫に思った私たちは、家の中に入れることが増えました。というより、ヤンマールが好んで入ってきたというのが正しいでしょうか。
私たちのインド滞在は一年の予定で、近い将来帰国することになっていたため、猫を飼うことはできないねと二人で話し合っていました。ただし、現状で仔猫が生き残るのは困難であるため、大きくなるためのサポートはしようと決め、半分家、半分は外で暮らして野生の部分を失わないようにしてもらう予定でした。
しかし予想に反して、一度家に入ってきたヤンマールは、それからバルコニーをうろちょろすることはあっても、それ以上遠くに行くことはありませんでした。
一度、二人で出張旅行に行くことになったときも、ずっと家の中にいたいようだったので、結局学生さんに世話をしてもらうことにしました。
「ヤンマールをうちの子にしよう」。
2014年6月のある日、僕は、この先、ヤンマールを日本に連れて行くためにどのような手続きが必要か、ちらっと動物検疫所のWEBで調べた後、そう言いました。
手順が8まであるけれど、1年前から準備していればなんとかなるのではないか考えていました。実際はこの先、かなり大変な手続きが待っているのですが、このときはまだ知るよしもありません。
そもそも信頼できる獣医を探すところから頭を悩まし始めていました。マイクロチップなんて売っているのでしょうか。でも、広いインドだから、きっと周囲にお手本になるような事例があるだろうと思っていました。実際、アーメダバード周辺でそのような事例はなかったですが、それはまた後の話です。
先の話は少しずつ準備するとして、ともかく新しい家族が増えました。ヤンマールがガンディナガルの宿舎で一緒に暮らすようになって、私たちの生活はより一層温かみのあるものになりました。
ふたりとも猫と暮らすのをほんとは楽しみにしていました。
夜になると、母猫のおっぱいを求めてTシャツを吸いに来るヤンマール。まだ赤ちゃん。
家族となったヤンマールのために、猫の家具や食器が必要です。これから、インドの片田舎でそれらを探していくことになります。
参考リンク動物検疫所
[2014年6月に記す]
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