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統合失調症の体験談から3つの症状を知ろう。抗精神薬も解説

こんにちは!
病みサー公式note編集部です。

今日は、難解な精神疾患である
"統合失調症"について解説していきたいと思います。


統合失調症とは?

統合失調症は、思考、感情、行動に関連する精神の障害の一つ。現実を正確に認識する能力が失われるのが特徴です。

発症は主に若い成人期に見られ、その原因は遺伝、脳の構造や機能の変化、環境要因などが関与していると考えられています。

統合失調症の主な3つの症状

統合失調症には、「陽性症状」「陰性症状」「認知的症状」がみられます。

陽性症状

  • 幻覚: 聴覚や視覚などの感覚が、実際には存在しない刺激を体験する。

  • 妄想: 根拠のない固定的な信念を持つ。例えば、自分が特別な能力を持っていると信じるなど。

陰性症状

  • 情緒の平坦化: 感情の表現が乏しくなる。

  • 意欲の低下: 日常の活動に対する興味や動機が失われる。

認知的症状

  • 集中力の低下: 注意を集中させるのが難しくなる。

  • 記憶障害: 新しい情報を記憶するのが困難になる。

「病みサー」メンバーの体験談

統合失調症を診断され、現在も闘病中である「病みサー」メンバーから体験談をいただきました。以下に転載させていただきます。

〈統合失調症の急性期症状〉

幻覚: 聴覚や視覚などの感覚が、実際には存在しない刺激を体験する。

◆本人は幻覚だと気づかない、現実に起こっていることだと思ってしまう

幻覚は人の顔が動物に見えたり、道路を走っている車が怖く(形がいつもと違って)見えたり、歩道を銀色の車が横断していたり、 昼間はキラキラして見えていたモニュメントが夜になると恐ろしい物に見えたりする。

聴覚に関しては、悪口を言われている感覚があったり、頭の中ではっきり聞こえない話し声が聞こえてきたりする。 自分のじゃない心臓の鼓動が聞こえたりする。

✅妄想: 根拠のない固定的な信念を持つ。例えば、自分が特別な能力を持っていると信じるなど。

◆ストーカー被害を訴えたり、強迫的に何か(掃除やゴミ拾い)をやらないといけないと思い込んでしまう

◆頭の中に色々な考えが浮かんできて、自分の忘れていた記憶が思い起こされたり、普段考えもつかない事が妄想として出てくる。

◆例(あいつとあいつは実は付き合ってる)(小説を読んで、山に登らないといけないと思い込む)(いきなり家財を全て捨てて、それでも俺は生きていけるんだと行動する)等

統合失調症の認知的症状

◆頭の中で1日のスケジュールが決めれないくらい、認知能力が低下する障害が出る。 急性期は、数分前の事も記憶できず、人と会話しても何が言いたかったのかを忘れてしまう。1つの話題を続けることができず、話題がコロコロ変わってしまう。漢字が書けなくなったり、酷いと自分の名前も言えなくなる。

◆風がふいたり、ちょっとしたことで気が散ってしまい、話や行動に一貫性がなくなる。

病識の欠如。自分の調子がおかしくなったことに気づく時もあるが、それが何故か分からない。毒を飲まされたガスを吸わされた等の妄想が出る為、おかしくなり始めた初期には病識があるが、 自分が病気の疑いがある事を忘れてしまったり、思い出せなくなる。

◆人によっては幻触という、体中をまさぐられたりしている感覚が出る時がある。 幻嗅が起きることがある。

思考伝播という、自分の考えが周りの人に聞こえていたり、覗かれていると思い込むときがある。
◆急性期は、妄想に突き動かされ、ずっと行動し続けたり、急に眠気がきて倒れるように寝てしまう事がある。

統合失調症の治療方法3つ

  1. 薬物療法: 統合失調症の薬物治療には、主に抗精神病薬が用いられます。これにより、症状軽減や再発予防に効果があるとされています。

  2. 心理社会的治療: 認知行動療法(CBT)や家族療法、社会的スキルトレーニングなどがあります。これら心理療法は、症状の管理や日常生活のスキルを向上させるのを助けます。

  3. 日常生活のサポート: 統合失調症患者に向けて、職場や学校への復帰支援、社会的なサポートを提供するサービスなどがあります。

統合失調症に使う「抗精神病薬」を詳しく

抗精神病薬は統合失調症の主要な治療薬で、症状の軽減や再発の予防に処方されることが多いです。

また、抗精神病薬は大きく2つのカテゴリに分類されます。

第一世代抗精神病薬とは?

ハロペリドール(セレネース)やクロルプロマジン(コントミン)など

第一世代抗精神病は、ドーパミン受容体の遮断を主な作用機序としています。効果は高いが、エキトニア(手足の震え、筋肉のこわばりなど)などの副作用が起きやすいとの報告も。

第二世代抗精神病薬とは?

オランザピン、リスペリドン、アリピプラゾール(エビリファイ)など

第二世代抗精神病薬は、第一世代に比べてエクストラピラミダル症状(中枢神経系の障害に関連する運動障害や症状)のリスクは低いが、体重増加や糖尿病のリスクが高まることで知られています。

✅レキサルティは、非定型抗精神病薬であるSDAM(Serotonin Dopamine Activity Modulator)というカテゴリーに属する比較的新しい薬です。

SDAMは、セロトニン系受容体とドーパミン系受容体に強く結合し、セロトニン系とドーパミン系の働きを適切に調節してくれます。

評判としては、アリピプラゾール(エビリファイ)の改良版であり、エビリファイと同様に副作用は比較的に少なめです。

また、統合失調症だけでなく、うつ病治療への増強や、躁うつ病への気分安定効果が期待されます。

抗精神病薬の副作用の管理

抗精神病薬の副作用は、長期的な摂取や高用量での治療に関連してよく見られます。そこで、以下のような薬物が副作用の管理に用いられています。

  • 抗コリン薬: エクストラピラミダル症状の軽減のために用いられる。トリヘキシフェニジルなど。

  • βブロッカー: アカシジア(体をじっとしていられない感覚)の軽減のために使用される。プロプラノロー ルなど。

統合失調症の治療の継続と注意点

統合失調症の治療は長期的に続ける必要があります。

症状が改善しても、突然の薬の中止は再発のリスクを増大させるため注意が必要です。必ず、医師の指示に従って治療を行いましょう。

まとめ

統合失調症は、患者本人だけでなく、その家族や周囲の人々にも大きな影響を与える可能性があります。

早期の発見と適切な治療が重要であり、多角的なアプローチによって生活の質を向上させることが可能です。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的な医療アドバイスではありません。治療法や薬物に関する決定は、医療専門家と相談し、個々のニーズに基づいて行うようお願いします。


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