最果て

あやふやな、宇宙とこの世との境に漂っていた。どこまでも、どこまでも広がる水面の下にも星々が広がっていた。
私と星々とを隔てる夜空すらなかった。ひとつひとつ、星が手に取るようにそこにある。

薔薇の香りが微かにしたように感じた。
水平線に影が見えた。
次第にその影におうとつや色が感じられるようになった。端麗な顔立ちをしている。
もう出で立ちが分かる。
絹を纏って髪も軽く覆っている。
薔薇の香りはその人影が近づくにつれはっきりと感じられるようになる。鼓動が高くなるのがわかる。

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