見わたす山の端、かすみ深し
童謡、朧月夜の ”菜の花畑に入日薄れ、見わたす山の端かすみ深し” という一節を聞いて私のマンションから見える情景を思い出す。
数週間前に梅雨らしい雨が降ってマンションから見える山の裾にも濃い霧がかかった。私は雨が好きで特にしとしと降る雨はいわゆる ”エモさ” があってとてもいい。自分が景色に癒されるということを最近はよく実感する。
学校での人間関係がいつものように空気の読みすぎでややこしい事になって、色々なことがやになっても帰りの電車から見える夕日や電車を降りた後に仰ぐ空に心の中のイガイガも全て溶けて、どうにでもなるさと思えるようになった。
私は童謡がとても好きで、最近は朧月夜に始まり夏は来ぬやバラが咲いた、月がとっても青いからなど色々と聞いて楽しんでいる。
言ってしまえば現実逃避だけど、保健体育で現実逃避は悪いことじゃないと言っていたし、別に恥じらうことではないと思っている。
梅雨に入ったのか入らないのか、昨日激しい雨が降ったかと思えば今日はかんかん照りだった。
今日に至ってはほとんど初夏と言っていい。セミも鳴いて、カエルも鳴いて、私の好きなアジサイの花は萎えてしまった。でもその萎えたアジサイの脇から昼顔がスルスルと蔓を伸ばして夏の主役は私だと言わんばかりに生き生きと花を咲かせていた。この光景は確かに私の好きなアジサイは萎えているけどとてもいい。
そんな夏を感じさせる情景が広がって来ていても、まだ夜になれば涼しい風が吹く心地良い味わえる程度の夏で、この夏はずっとこうであってほしい。