足立レイの髪の毛を食べよう
足立レイ、だ~~~~~いすき
取り乱しつつ失礼いたします。はじめましての方ははじめまして。闇雲隠と申します。
この記事は京都大学ボーカロイド研究会が頒布した部誌「Vocaleaves」に寄稿した記事です。また、obscure.さんの企画「#ボカロリスナーアドベントカレンダー2024」の参加記事です。
私は本会場の本日2024年12月16日分の担当です。前日はふらいぱんQさん、翌日はカトリーヌさんです。リンクの貼り方よくわかんなかったです。ごめんなさい。
さて、皆さまは足立レイおよびお御髪そうめんをご存じでしょうか。ご存じの方も多いとは思いますが一応簡単に説明いたしますと、足立レイはみさいる氏によって2017年より作られている等身大ヒューマノイドロボットです。自分の足で歩くことが目標とされており、合成音声で現実の体を持っていること、また「中の人」がいない合成音声であることが特徴です。私はpicdo氏による楽曲のまわる洗濯ネットが一番好きです。
お御髪そうめんとは鵠屋様より販売されている「キャラクターのお御髪をイメージした色付き素麺」です。2022年に発売されて以降、夏の風物詩ともなっています。
ところで足立レイのサイドテールもよく見ればそうめんに見えますね。見れば見るほどそっくりです。そして2023年の冬、足立レイのお御髪そうめんが…!!!なんと…!!!
出ました!!!!もちろん足立レイ愛好家の皆さんは購入しましたよね!?!?!?!?
私は買い忘れました。
いや違うんです。存在は知ってたんです。ちょうど同じ時期でワンダフル☆オポチュニティ!のグッズが出ていたのでどれを購入するかを検討していたらお御髪素麺のほうはカートに入れたまま支払い手続きを忘れ、気が付くと販売期間が終了していたんです。本当に私っていつもこうで、こういうことが今までに一回や二回ではなくて、きくおさんのグッズの星くんぬいぐるみも買い忘れてたし、ライブのチケット取ってたのに日時を勘違いしてて行き損ねたこともあるし、もう、私ってほんとバカ、誰も私を愛さない…
いや、人類には思考によってさまざまな窮地を脱してきた歴史があるはずです。不可能はあるとしても、自らの知性や情熱、その他さまざまなものによって理想に漸近することが可能であるはずなのです。
こんなところじゃ終われない。
買えないなら作りましょう。足立レイの髪の毛。
作ろう!
乾燥した素麺を茹でるときに水に色素を混ぜる形でも色が付いた素麺を作れるらしいのですが、せっかくなので生地から作ってみることにします。生素麺というものを作ったことはおろか食べたこともありませんが、調べたところ家でも作れるみたいです。上手くいけば乾麺よりも弾力があるものになるらしい。未知なので楽しみです!
なにぶん初めてのことでして一人で進めるのが不安だったため、親交のあるchiaさん、Klaynさん、えあさん、もふーさん、ぶくれしゅちさんにお手伝いをお願いしました。参加者0人を避けるためchiaさんとKlaynさん以外には何をするか伝えませんでしたが、仲良くがんばるぞ!
~1日目~
髪の毛作りには材料が欠かせません。一番肝心と思われる粉ですが、近所のスーパーではうどん粉が売っていなかったので強力粉と薄力粉を混ぜて代用しました。それ以外に塩、赤と黄色の食用色素、油、水などを用意します。
強力粉と薄力粉を2:3で混ぜていきます。
闇雲「あ!爆裂にこぼしちゃった。でも粉も生きてるし、仕方ないね」
えあ「??」
chia「前から思ってたけど、闇雲さんを甘やかしてはいけない」
塩水を加え、ざっくりと混ぜると次第にそぼろのように粉が固まってきます。不安に負けず混ぜ続けると、いわゆる「生地」の形になってきました。
しかし、ここでミスが発覚。本当は粉に塩水を混ぜる段階で塩水に食用色素を加えておかなければいけなかったのですが、それを忘れてうっかり普通の生地を作ってしまいました。仕方がないので新たに少量の水に溶いて生地に練りこみます。理論上は問題ないはず……と思ったのですが、なかなか色が入らずにひやひやしました。
生地が形になってきたら細く伸ばします。ラップが見当たらなかったので代用として濡らしたキッチンペーパーで表面を覆って休ませました。最初はかなり固く感じましたが、伸ばして休ませることを繰り返すにつれ次第に生地は柔らかくなっていき、伸びも良くなってきました。
こう見るとかなり足立レイの髪の毛の原型といった様相ですね。悪くないのでは?
一旦家に持ち帰り、細くした生地を割りばしに巻いた状態で一晩生地を休ませます。上手くいけば箸を引っ張ってびょんびょんと伸ばせるようになるはず!わくわくです!
~2日目~
さて、生地を寝かせました。この生地を細く伸ばして茹でたらついに足立レイのお御髪の出来上がりです! ドキドキするぜ!
協力者が見守る中、休ませた生地を取り出すと……
現れたのは、一つの大きな塊となった生地でした。表面に塗っていた油分が足りなかったのか、細く伸ばされた状態になるはずだった生地は生地同士がくっついてしまっていたのです。
仕方がないので予定を変更し、最初から足立レイうどんを作る予定だったことにしました。できる限り細く切ったつもりなのですが、不慣れなため太めになっちゃった。
無事に切り終わり茹でようとすると、さらに問題が発生します。打ち粉として使った粉が少なかったらしく、切った後の生地がくっついてしまったのです。でもお湯はもうぐらぐらに茹だっていて、やばい!!!!!
もふー「茹でたら菜箸でほぐれるかも……?」
闇雲「確かに! やってみましょう!!」
全然ほぐれませんでした。
もう駄目だーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
こちらが出来上がった素麺です。そうめんつゆ使ってるし。一時はどうなることかと思いましたが、何とかなりましたね! うんうん! 良かった良かった! さっそく食べてみましょう!
いただきます!
硬っっっっっっっっっっって
そもそも生地がくっついて切った時より大幅に太くなっていることに加え、茹でたことで水分が飛んだのか触る分には柔らかかった生地がめちゃめちゃ固くなってしまいました。協力してくれた人たちからの評価も散々でした。勝手にあすけんで解析されるわ、発言まとめメーカーにまとめられるわでもう滅茶苦茶です。
髪の毛をおいしく食べたかったので今回は完全に失敗です。こんなはずではなかった……
さて、めちゃめちゃ失敗してしまいました。でも人は失敗から学べる生き物です。失敗は成功の母。母なる大地を信じたらまだ大丈夫。改善点となると、こんなところでしょうか。
・やっぱり中力粉を使った方が良いかもしれない。混ぜるのは手間かつ割合が難しい。
・生地が柔らかくなりすぎてしまうため、色素水は後入れせず塩水に溶いて入れる。
・もっと油や打ち粉を大胆に使い、生地同士が引っ付かないようにする。
・人数の都合上レンタルキッチンを借りたが、生地を持って電車で移動するのは良くない。すべて家でこなした方が良い。
・伸ばすための棒に割りばしは細すぎる。もう少し太く長いものの方が良い。
このことを踏まえて、もう一度チャレンジしてみたいと思います。私は足立レイの髪の毛を絶対に食べるんだ……!
・第二回
のんびりしてるうちに前回から三か月も空いてしまいましたが、第二回お御髪素麺作りを始めます。現在時刻は21:30です。今回は手伝ってくれる人もいなくて不安ですが、頑張るぞ!
まずは200gの中力粉に塩水を入れ、生地を作ります。今回は忘れずに色素も溶かします。
余談ですが、中力粉がマジでどこにも売ってなくてスーパーを10軒以上回りました。天ぷらとかお好み焼きに使うらしいのですが、最近は中力粉から作らずてんぷら粉とかお好み焼き粉使う人が多いみたいです。通販で買えばよかった。
細く伸ばして油を塗り、休ませ、また伸ばして休ませます。絶対に引っ付かないように油もたっぷり塗り付けます。前回は割り箸に巻きましたが、反省を生かして今回はつっぱり棒を使います。家で使っていたものを二本拝借しました。
さて、生地を棒に巻くためには棒を水平にしなければいけませんが、いい場所は……
棒にぐるぐる巻きつけた後、湿度を保てるように濡れタオルを入れた袋にいれて口をビニールテープで密閉しました。いい感じ!
さて、ここから一晩寝かせる必要があるのですが、この作業が終わった時点で時刻は4:30となっていたため、ほどよい一晩の時間が分からなくなってしまいました。素麺作りで一番大切なことは計画性かもしれませんね。開始時間から考えると7時間小麦粉と格闘していたことになります。素麺づくりって本当は朝の9時とかからやった方がいいんじゃない?
なにも分からないので、とりあえず放置して大学に行きます。帰ってきたらいい感じの時間になっていることでしょう。上手くいってくれ~! 頼む…
帰宅しまして、具合は…
あ!!!!! めっちゃ伸びる!!!!!!
明らかに前回と違います。私の写真がまずくてまるで脳みそのようですが、油をたっぷり塗ったおかげか指でほぐすことができます。くっついてないぞ!今ならいけるのでは!?
成功では!?!?!?!?!?
こうしちゃいられません。お御髪そうめんはあったかい出汁もセットになっていました。
準備!!!!!!!!!!!
出来ました!!!!!! 足立レイのお御髪素麺!!!!!
髪飾りをイメージした海苔をトッピングし、ついでにレイちゃんといえばのから揚げも用意しました。たまに太いものが混ざっているのもご愛敬ですね。いただきます!
おいしい!!!!!!!!!
普通の素麺と比べてぷりぷりとした弾力があります。ちなみに「素麺」は細さが1.3mm以下と法律で定められており、どう見ても1.3mmより太いので正確に言うと「ひやむぎ」もしくは「うどん」になるのですが、そんなことはもはや全く気になりません。
レイちゃん、レイちゃんの髪の毛美味しいよ!!!!!!!!!
成功して嬉しい!!!!!!! やったーーーーーー!!!!!!!
・作ってみて
最初は買い損ねたから自分で作ってやれ! という気持ちで始めましたが、実際に素麺を一から作るのはめちゃめちゃ大変でした。やってみるまで知らなかったのですが、自分が始めたことは終わらせるまで終わらせることができないのです。個人的に一番しんどかったのはつっぱり棒に生地を巻いていく部分でした。重力に負けて次第に落ちてくる麺、生地を巻けば巻くほど斜めになっていく水平だったはずのつっかえ棒、次第に近づいてくる夜明け……生地を作り出した責任を放棄して寝ることを何度か真剣に検討しました。そのたびに足立レイの応援する顔を頭に浮かべ……としていたなら良い話なのですが、実際は購入したもののレシートを思い出すことでその思いをねじ伏せていました。ただ、苦労した分実際に足立レイのお御髪素麺をすすったときの感動はひとしおでした。好きな存在のお御髪ということを差し引いても作り立ての素麺は美味しいのですが、日ごろ何気なく食べていた素麺が特別なものとして色づくような経験はそうありません。生活の中に好きな存在が割り込む余地。もしかしたらあり得たかもしれない世界を考える。その繰り返しで、世界はより豊かになるのかも。
さて、ここまでしておいてなんですが足立レイの髪の毛を作って食べて何がしたかったのですか?と聞かれると正直私には答えられません。試していませんが、茹でる水に色素を入れて素麺が色づくならその方が何倍も楽だったでしょう。何が君をそんなに駆り立てたんだ?と聞かれても、納得させられる答えはこれを書いている今も、そしてこの記事が出た頃でも出せないと思います。ただ、足立レイが好きだという気持ちをそんなにあっさりとした行動だけで済ませたくはなかったのです。時間で言うと実働時間でも10時間は超えているでしょう。それだけの手間や時間をかけるに値すると行動で示すこと。これも一つの愛のカタチとしても良いのではないでしょうか。
これからも足立レイという一人の少女が歩む道が愛で包まれていますようにとの祈りを込めて、この記事の結びとさせていただきます。“あ”だちレ“イ“だけにね!(追記:レイちゃん立ちましたね!!めでたい!うれしい!みさいるさん本当にお疲れ様です!)
……。
結びとしましたが、やっぱりこれだけは言わせてください。
足立レイお御髪素麺の再販してくれ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献
https://dailyportalz.jp/kiji/130306159892
https://cookpad.com/recipe/5085462
https://www.nicovideo.jp/watch/sm30719287
https://www.nicovideo.jp/watch/sm33386516
https://mechanicalgirl.jp/adachi-rei/
https://kuguiya.com/blogs/news/240724
https://kuguiya.com/products/mechanical-soumen2023
協力してくれた皆さん
chiaさん(@chia_bsn62)
Klaynさん(@Klaynqrseve)
えあさん(@ea_air1218)
もふーさん(@vocalamb_124)
ぶくれしゅちさん(@bateaza)