![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85596463/rectangle_large_type_2_bb7c3351896a1a0326b11b15a45d53d5.png?width=1200)
ホラーハウスもワンダーランド
やみこです。
お久しぶりでございます。
8月も終わりを迎えようとしておりすね。
去年の8月、やみこはコロナ第5波の波に乗りまして、軽症ながら後遺症に苦しむという夏を過ごしました。
今年の8月は…
…というか、夏はずっとゾンビでした。
【ゾンビパニックin心斎橋】
8月21日までホラーハウスイベントにて、キャストとしてお仕事をしていたわけです。
もっと噛み砕くとアレです。
お化け屋敷でお化け役として働いていたのですよ。
ね、分かりやすいでしょ。
やみこは人生で1度たりともお化け屋敷に行きたい!と思った事はありません!
怖いから!!
それでもこのお仕事の依頼に食いついたのは、
まぁ…稼ぎになるのもあるんですけど…
生きたままゾンビになれる事なんて、滅多にあるもんじゃない。
そう思ったからです。
滅多にどころか、絶対ないです。
ゾンビになるためには一回死ぬか、本物のゾンビさんに噛みつかれなきゃいけないわけですから。
もちろん、ハロウィンメイクでゾンビになろうと思えばなれるんですけど、ホラーハウスのゾンビは『人間を驚かす為の存在』です。
やみこの中では、ハロウィンのゾンビとは立ち位置が違うのです。
実際、このホラーハウスイベントは豪華でした。
ホラーハウス系イベントの運営がメインの株式会社闇さん。
そしてホラーハウスプロデュース歴30年の五味弘文さん。
さらに、関西土曜の帯番組【せやねん】とのコラボ。
【せやねん】は、吉本所属の芸人さんがご出演の情報番組で、その出演者の方々もこのホラーハウスに様々な形で関わっていたわけです。
…どんな形かは、イベント終わりましたけどヒミツにしときますね。
で、そんなすんごいホラーハウスに、やみこはゾンビとして約1ヶ月関わる事ができたわけです。
イベント会社の方、そして1期上の先輩方とも少しばかりお近付きになれたような、そんな気もしてます。
やっぱりネタライブに出ようとしないやみこには、こう言う場が繋がりを広げるチャンスなのですよ。
さて、そんなゾンビやみこでございますけれども。
ここでまた、色々悪いクセが暴走します。
拘りだしたら止まらないんです。
イベントが一般公開される前、プロデューサーの五味さんから、キャストとしての心構えやメイク、驚かす時のコツをしっかり教えてもらいました。
やみこはしっかり、それを守ってはいたんです。
いたんですけど…!!
もちょっとメイクにリアリティほしいな。
ゾンビって表情あんのかな。
目線はどんな感じかな。
背筋は伸びてるのかな。
歩く時足引き摺るのかな。
ゾンビをやればやるほど止まらないんです。
十中八九、ホラーハウスのキャストだとしても、そこまでのリアルは求められていないと思います。
それっぽく怖く見えればいいんです。
だって照明や効果音、周りの装飾だけで、人の恐怖心を煽ってるわけですから。
さらに言えば、キャストが出る瞬間に怖い顔したら、もっと怖くなるだけなんですよ。
でもやみこ、本物のゾンビっぽさの追究に走ってしまいまして。
傷がリアルに見えるようなメイクの仕方を調べて勝手にアレンジしたり、
ゾンビがどんな存在なのか、基本的なゾンビ知識を調べてみたり、派生して表情やら動き方やらを調べてみたり。
明らかに周囲との方向性の差が3倍くらい開いてました。
で、やみこなりにすっごいこだわったゾンビパフォーマンスは3つ。
①できるだけ瞬きしない。
②大きな音を立てない。
③人に見える可能性があればずっとゾンビでいる。
映画とかのゾンビって、多分白目剥いてるとかだと思うんです。怖くて観たことないから知りませんけど。
①のきっかけは、驚かせたお客様の1人がお子様で、その子が『人間やん、瞬きしたもん!』って言ってきたんです!!
演技派としては悔しかったですね。
マネキンゾンビさんの中に紛れて、ゾンビに扮する人間が驚かせるのが、今回のイベントの見どころでもありました。
やみこは表情を作らず、ただぬらぁっと動くタイプの、比較的リアルと言われるゾンビを演じてたんです。
だって表情作ると疲れるし、大きく動くとお客様にぶつかるかもしれないじゃないですか。←
ただそのお陰でお客様には【人形か人間が演じているのか一瞬では分からない、とにかく怖いゾンビ】と認識して頂けて、非常にありがったかったのです。
でもだからこそです!
え、瞬きして人間って言われたら、じゃあ瞬きしなければよりゾンビになれるんけ?
みたいな安直な思考で、その先のお客様相手には、できるだけ瞬きせずにゾンビを演じるようにしていました。
②はですね、これはやみこが主に担当していたポジションだから言える話です。
ゾンビキャストが担当するポジションは4つ。
・飛び出しゾンビ
・マスクゾンビ
・びっくり箱ゾンビ
・追っかけゾンビ
…まぁネタバレしない程度に表現するとこんな感じで。
やみこは【飛び出しゾンビ】を担当していたんです。
他のポジションと違って、1番簡単なポジションでした。
【追っかけゾンビ】はお客様を後ろから追うので、気付いてもらう為に大きな音が必要ではあったんですけど、【飛び出しゾンビ】は目の前に出て行くだけでいいので、大きな音いらないんです。
昔、声優養成所に通っていた時に、とある講師の方が言ってました。
『無声芝居をする際、大きな音で恐怖を煽るのは、芝居として良くない』と。
ゾンビキャストは喋れません。
ゾンビだからです。
飛び出した時の顔や動きだけで、ゾンビを演じてお客様をびっくりさせる必要があるのです。
そしてこの【飛び出しゾンビ】。
マスクやびっくり箱と違って道具がない。演技1つで驚かすしかないんです。
強いて言うなら、ゾンビとして体重移動した一歩だけ。
そこだけ音が出ますけど、あとはできるだけ大きな音で追い立てないように拘りました。
その最後の拘りが③です。
これはレクチャーの時にも言われた事を守り通しただけかもしれません。
ゾンビはゾンビで居続けるんです。
例え相手が子供だろうと、
超泣き虫で足がすくんじゃう女性だろうと、
暴力振るいそうな強面の男性だったら別かもしれないけど!!
ゾンビとして相対し続けました。
人間的に動かなきゃいけないシーンでも、『お客様の前に出る』或いは『この動きしたらお客様に見えるかも』という場合は、腕一本でもゾンビっぽく。
道を聞かれても絶対答えない。
入っちゃいけないルートに入ろうとしたら、ゾンビとして飛び出して止める。
隠れ場所覗かれたら、ゾンビとしてガン見する。
ただこれ心は人間ですからね。
何で入ってくんのォォォ!?
とか
ごめんなさい、そんなに泣かないでください…
とか
違う違う!!こっちじゃなくて左だから!!
とか
無表情ゾンビの心はめっちゃパニックですよ。
それでも声を出さずにゾンビでいられるのは、何かあればスタッフさんが助けてくれるという信頼があったからかもしれませんね。
そんな拘りが強くなり過ぎたゾンビやみこ。
お客様の悲鳴と共に、数々のコメントをその場で頂きました。
ゾンビとして受け取り、後日人間としてありがたく感じております。
複雑になったのは『可愛い、美人』というコメントでした。
すっぴんで1度も言われた事のないセリフを、まさかゾンビになって言われるとは思わなんだ。
一生ゾンビでいた方がいいのかと思った瞬間です。
…違うよね、メイクしたら可愛くなれるよって事だよね。
仕方ないから、ちゃんとしたファンデをようやく買いましたよ。齢三十四にして。
またなぜか顔ではなく、体型の事を言う方もおられまして。
『胸が大きい』『太っている』と、
頼むから顔見てくれないかと思うコメントでしたね。
さらに恐怖でどうしようもなくなったお客様からは、面白いコメントも。
『何でここに、2人で入ってんの!?』
『○○はホンマに死んだ方がいい!!』
『やめてください、たけしさん!!』
めちゃめちゃですよね。
飛び出しゾンビは、隠れ場所のすぐそばに、そのゾンビに殺された人間のマネキンが置かれていたんです。
だからでしょうね。
こんな怖い場所で、何で人間とゾンビが一緒にいるのか不思議でならなかったんでしょう。
そしてそのマネキン、【せやねん】ご出演の芸人さんだったんです。やみこからしたら大先輩。
死んだ方がいいって…。
一体あなたに何があったのよ…。
それから『たけしさん』と命名されたゾンビやみこ。
これは少年が怖がったゾンビに対して怒るという反応が出てしまった結果なのでしょう。
でもどっから出てきた、その名前…。一応髪はロングでスカート履いてたから、やみこ一般的には女の子よ、少年…。
人は恐怖を感じると、交感神経が活発になり緊張状態になります。
本能がその緊張を解こうとすると、副交感神経が働き、笑ったり叫んだりするそうです。
緊張を解くための神経の働きは、個性があると学びました。
1ヶ月ほどゾンビのお仕事をして、改めてやみこはメディア向けではないなと言う事を実感しました。
カメラの前でパフォーマンスしてバズらせるより、人前に出て地道に足で稼ぐ方が性に合ってる気がしたんです。
もちろん、頑張って配信とかそういうのはやっていこうとしてるんですけど…。
総合的に見て、実際のお客様の反応を見られるのが、やみこ的には幸せなんだなと感じました。
そしてお化け屋敷は、遊びに来る方に恐怖を提供し楽しんでもらうという点が、夢の国の原理と一緒だと思いました。
お化け屋敷が遊園地には大体存在するのも、怖いを楽しめるからなのかなと、そんな事も考えさせられる1ヶ月でした。
ただもしやみこがお化け屋敷に行かなければならないのなら…
その時は三十路のお姉さんと手を繋いでくれる優しい殿方と一緒がいいです。
だって怖いものは怖いんだもん!!
やみこ。