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【無才の視点】透けて見えた東海岸の意地 ソト選手の大型契約

今日はこちらのニュースから。
ファン・ソト選手がニューヨーク・メッツとプロスポーツ史上最高額の正式契約を結んだというニュース。
その金額、実に7億6,500万ドル(US)、日本円にして1,148億円あまりという巨額な物。
さて、これは理に適ったものなのか、どうか。

【結論】
デビュー以降の活躍から見れば年俸自体はまあ妥当(多少、高いと思わざるを得ない)だが、15年という長期契約はかなりリスキーではないかと思料する。

【論拠】
①編成負担の軽い外野手である
野球は9人(10人)で行うスポーツである。打つ方は全員(投手を除き、打撃専門の選手もいる)で行うが、守備はポジションごとに大きく3つに分けられる。すなわち、投手1名、内野手5名、外野手3名だ。
ソト選手は、3名編成の外野手である。守備負担は内野手より低く、専門性も低いポジションと言える。
そもそもの人数も少なく、専門性も低いことから、編成においては最も負担が軽い。
極端な言い方をすれば「フライを取れれば誰でもいい」ということになりかねないポジションの選手である。

②早熟傾向の強い人種である
ソト選手の出身国であるドミニカ共和国は、白人と黒人の混血が7割を占める。ついでスペイン系が多い。
これらの人種は、白人や有色人種と比べて早熟の傾向が強い。
メジャーリーグに関してのデータを見れば、同人種のピークの平均は25.6歳となっている(白人28.9歳、その他有色人種27.3歳)。
もちろん例外もあるし、人種の構成比を考えてもフラットな比較とは言えないかも知れないが、数字上はこういう結果になる。
ソト選手は26歳である。上記の結果を元にすればピークは過ぎたことになり、これからは緩々と劣化の一途を辿ることとなる可能性は否定できない。
15年と言えば、ソト選手は41歳である。
現時点で40代のメジャーリーガーは数人しかおらず、全員が投手であり、ソト選手のような打撃が魅力の選手はいない。

③怪我をすれば御破算の世界で一人の選手に多額の資金を投入
これはあらゆるスポーツに言えることで、雇用側がもっとも恐れていることだと思うが、怪我をすれば当然のようにその選手の能力は落ちる。
試合に使えないだけでなく、予後の全体的な能力の低下に直結してしまう。
人間は、小指のささくれ程度でも能力が低下するようにできている生き物なのだ。
今回、メッツはソト選手との契約金を捻出するため、傘下の球団二つを売りに出したと言う。
これは、あまりに極端な契約ではなかったか?
ここ数年はいいかも知れないが、15年というスパンを考えた時、若手育成や選手層の厚さを維持する側面を持つ傘下球団が減ったという事実は、メッツと言う球団の将来に大きな影を落とす結果となりかねない。

【無才の視点】
アメリカと言う国は、日本の江戸時代と似ている点がある。
連邦政府という江戸幕府を頂点に、州と言う国々がその存在感を高めるべく、覇を競っていると言えなくもない。
多くの日本人が「アメリカ」と聞いて思い描く風景は西海岸のものであると言う。
地理的にも近いし、気候も温暖で自由な生活を送っているイメージが強いのだろう。
そんなアメリカだが、実際はペンシルベニアやニューヨークを始めとする東海岸とカリフォルニアを中心とした西海岸には、大きな軋轢があるのだ。
今回のソト選手の契約には、西海岸の大谷選手の大型契約に負けないために、意地を通した部分があったのではないだろうか?
奇しくも、記憶に新しい昨年度のワールドシリーズは、両岸を代表するチーム同士の戦いとなり、西海岸のドジャースが制覇した。そのドジャースに、昨年鳴り物入りで入団したのが大谷選手だ。
知っての通り、投手と打者の「二刀流」で、そのどちらでも超が付くほどの一流選手である。
単純に比べることはできないが、その選手よりもほぼ打撃専門のソト選手の契約が大きくなることは、通常考えられない。
だが、何とかしてやり返したい東海岸側は、15年という長期契約(大谷選手は10年)まで準備して「史上最高額」の称号(事実、単年で見れば大谷選手の年俸を超えていない)が欲しかったのではないだろうか。
前述の通り、この契約には専門家ではない私が見ても疑問に思う点が多々ある。当然、そんな疑問は当事者たちの方が熟知しているだろう。
だからこそ、私はそこに「東海岸の意地」を見透かした。
意地にでもならなければ、有り得ないと思うような契約内容なのだ。
もちろん、ソト選手が規格外に優れた選手であることはデータが示している。このままいけば、間違いなくメジャーのホームラン記録を塗り替えることになる選手なのだが・・・。


その意地が、「東海岸VS西海岸」のものであり、「アメリカVS日本」の構図で成り立っていないことを、切に願うばかりである。






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