松平頼暁:コ・アクションへの挑戦2
僕が講師として参加した、2017年「秋吉台の夏現代音楽セミナー」で松平頼暁さんと初めてお会いしました。それまで(作風などやイメージから)厳しい感じの方かと思っていたら、とても柔和な方でした 笑
この年には、松平さんの「Uのための0,1,2」という無伴奏チェロ曲を演奏しました。
タイトルのUとは:フランシス・マリー・ウィッティ(Frances marie Uitti)のことで、「弓2本を使って弦4本を同時に弾くテクニック」で(一部の業界で)有名なチェリストです。
0,1,2とは:この曲は三楽章からできていて、一楽章は弓を使わず(0)、その次の楽章は通常の演奏スタイル(1)で、2はその弓を2本使う、、となっています。
というわけで、この年の夏は弓を2本使う謎テクニック習得に明け暮れましたとさ。
セミナーで行われたレクチャーでは、演奏講師の名前を用いて、松平さんが弦楽三重奏をその場で作曲する、ということが行われました。
ある法則に乗っ取って音が配置されていくのですが、フレーズを作曲する中でその法則とは異なる音を配置しました。
その理由を僕が聞いたところ、「その方が良いから」という答えでした。最終的には法則に支配されるのではなく、センスで音を決めていくところが人間的で、安心したのを覚えています。
つづく