コード分散アドリブフレーズ〜ベース編〜
1、はじめに
今回はベースでアドリブをとる時にコードの構成音を分散したフレーズをどう使うかを解説したいと思います。ベースは音域が低いため、他の楽器とソロの取り方が異なります。その辺りを詳しく説明してみたいと思います。
2、アドリブの取り方の基本
アドリブは、対象曲の調(キー)とコード進行によって使う音が決まります。例えばキーがCメジャーの場合、ドレミ音階の7音がベースになるスケールなので、これらを使用しますが、音と音のつながりが希薄にならないように順次的フレーズや3度離れで音を繋ぐのが基本です。
下記フレーズはキーに従ってスケールだけを元に作られたフレーズの例です(コードは無関係)。
<順次フレーズの例>
<3度離れのフレーズ>
<それ以外のフレーズ>
連なる音程が無作為に離れすぎているとメロディアスに聞こえませんので、あえてそういうフレーズを狙うときは有効ですが、通常はこのようなフレーズは使いません。
また、コードに則したフレーズではどうなるかを次の項目で紹介します。
3、コードの構成音を使うフレーズ
コードに則したフレーズでは前記の順次的フレーズにはならず、また3度離れ以外の音程跳びフレーズも使うことができます。例えばコードCでドソと弾くのは当然コードに合致した良いフレーズです。
<コードに則したフレーズ例>
コードC Maj7で構成音ド・ミ・ソ・シを使ったフレーズ
コードAm7で構成音ラ・ド・ミ・ソを使ったフレーズ
*7th音は低い音域で大きな音価で使わないことも注意してください。
4、テンションノート
ベースのアドリブではコードに想定されるテンションノートのうち9thを使用できます。
<9thを混ぜたフレーズ例>
コードC Maj7で構成音ド・ミ・ソ・シに9thのレを使ったフレーズ
コードAm7の構成音ラ・ド・ミ・ソに9thのシを使ったフレーズ
ここで注意してほしいのはあくまで9thということなので7th音同様に2ndのレは大きい音価で使わないという点です。
例えば、
のように、CM7で低いレ、Am7で低いシを多用するのはあまり良いフレーズではないと言えます。
5、その他のテンションの使用
13thやマイナーコードの11thは、結論から言うとかなりの高い音域(ハイポジション)でのみ使用します。
ベースソロの場合はコードの伴奏がないことも多いのでテンションを入れすぎると元のコード感がなくなってしまい(ここ大事)良いソロとは言えません。なので、通常は使わないでください。
6、テンションの9thが♭するコードの見分け方
♭9thは次のコードが4度上のマイナーコードに終止(解決)する7thコードにだけ登場します。
例えばCのキーで
|A7|Dm7|の時のA7
|E7|Am7|の時のE7
|B7|Em7|の時のB7
は♭9thになります。また、♭9thはこのように低い♭2nd音も使います。
と言うのも、その理由はA7(♭9)をA7onB♭にしてB♭dimと解釈して弾くことがピアニストやギタリストのコード伴奏に登場するためです。なので♭9のみ低い音程でも大きな音価で使用OKです。
7、最後に
代表的なコード進行での分散和音だけを使ったアドリブフレーズ例を紹介します。
以上、参考になれば幸いです。
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