アドリブはじめの一歩
1、はじめに
楽器を演奏することができても、『アドリブは苦手〜〜!』っていう人は沢山いて、街のライブハウスでセッションしている人の姿を見ると、自分もそうなりたいと憧れるとおっしゃる生徒さんの話もチラホラお聞きします。
今回のコラムはアドリブ超初心者の方から、少しはできるけど苦手だなー・・・とか、一応出来るけどもっとアドリブに強くなりたいと思っている人にも、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
2、そもそもアドリブってどういう事?
文字通り自由に即興でプレイする(音を出す)ことをアドリブと言います。ものすごく広い意味で言えばどんな音を出してもその場で即興的に発した音はアドリブで、逆に、予め作っておいた音(楽譜などに書いてある通りの演奏)をその場で再現するのはアドリブではないことになります。
ただしアドリブといえども手ぐせになっているフレーズからしか音は紡ぎ出すことはできないので、予めフレーズネタは練習しておく必要があります。
そしてそのネタになるフレーズは下記の2種類をもとにして作られたモノがメインになります(フリージャズとかは除く)
①キーに合わせた音階をベースにしたフレーズ
②コード構成音をメインに繋いだフレーズ
①と②は混合してもいいし、それぞれ単独で行っても構いません。
ただ、今回はその前の段階として、ペンタトニックスケールを元にしたシンプルなアドリブに限定して練習することにしましょう。
3、基礎練習
5つの基礎練習〜その①ペンタトニック上下練習
まずは、自分の弾きたい曲のキーのペンタトニックスケールを覚えます。ペンタトニックスケールとはキーがCでいうとドレミファソラシの中からファとシを除いた音階のことで、ドレミソラの5音のことです。
まずはこの5つの音を順次的に上がったり下がったりして音を出します。音域は1オクターヴ内でもイイのですが、できれば2オクターブ以上あるとイイです。
練習ポジション
ギター(赤がキーでC)
5、6弦はあまり使わずに1〜4弦でやりましょう。1オクターブ上の同じポジション(5フレ→17フレに)も使いましょう。
ベース(赤がキーでC)
1、3弦はスライドを使って弾きます。
その際、上下するフレーズの終音をコントロールできるよう注意し、以下の3つを意識します。
各キーにおける移動ドの
①ドでフレーズを終わらせる
例)上段はギター、下段はベース
②ラでフレーズを終わらせる
③ドとラ以外(レ・ミ・ソ)でフレーズを終わらせる
自由に上下できるまで、遊び感覚またはフィンガートレーニングのつもりで繰り返し練習します。ポイントは①〜③をしっかり演奏仕分けることです。
なお、フレーズ内である区間をリフレインして弾くフレーズも必ず練習してください。このフレーズは実際のアドリブでも頻繁に使います。
例)
5つの基礎練習〜その②リズムに合わせて
何か自分の好きな曲をかけながら①〜③を行います。ポイントはフレーズのリズムを曲に合わせることです。できるだけリズミックに上下しましょう。
ちなみにキーがCでない場合はポジションを並行移動させて練習してください。キーはネットでググるとすぐに判明もしますが、おすすめはペンタトニックを半音づつ上げていってしっくり来るところを探し当てて自分でキーを識別するのがいいと思います。
5つの基礎練習〜その③小節またぎフレーズを意識
フレーズの始点を拍子のどの部分にするかを意識します。フレーズはとかく1、2拍目からばかりになりやすいので、できるだけ3、4拍(特に4拍)目から次の小節に続くようなフレーズも練習しましょう。
例)
5つの基礎練習〜その④ブルーノート入れ
ペンタトニックにブルーノート(移動ドの♭ミ)を加えて同じことをおこないます。ブルーノートを使うフレーズ、使わないフレーズを自分でコントロールしましょう。
ブルーノートを含むフレーズ例)
5つの基礎練習〜その⑤シンコペーション
シンコペーションを意識的に使いまくりましょう。シンコペーションは裏拍から表拍にタイで繋がる音のことで、これがあるとフレーズに躍動感が出て、使わなかった時の同じフレーズよりかっこよさを何倍にも爆上げします。簡単なフレーズを元に1、2、3、4それぞれの拍すべてを練習しましょう。
例)一拍目裏と二拍目裏からの同一フレーズ
どちらも始まりの音がシンコペーションしています。
以上です。
練習してみてください〜!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?