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委任状で戸籍取得をするケース

いつも、先祖調べのnoteをお読みいただきありがとうございます。
今日のお話は、委任状で取得する戸籍というお話です。

ご存じの通り、戸籍というのは直系尊属・卑属しか取得は出来ません。
分かりやすく説明すると、家系図を書いてみて縦棒で繋がる関係の人しか『戸籍請求』の権利を日本では認められていません。

じゃあ、横棒で繋がるってどういう関係?といえば。
一例を挙げると、祖父母の兄弟姉妹、父母の兄弟姉妹。

一番身近な所で言えば、自分の兄弟姉妹などになります。

両親が二重線で結ばれ・・・下に伸びた縦線の下に横棒が付き、横に展開する関係ということですね。この説明分かるかしら?
余計にややこしくなったらごめんなさい。

こちらのページが、とても分かりやすい図を出されていますので『直系尊属』について分からない方は、こちらをご覧下さいね。

そもそも、直系尊属以外の家系を調べて何になるの?と思う方も多いかも知れません。1つだけ言えることは、血が繋がって居なくても家族であるということ。

ほんの100年くらい前には、女性にとって出産は今よりずっと危険が伴い。
出産によって命を落とす方が、非常に多かったことが挙げられます。

今も昔も、若い頃の出産は良いけれど、年齢が高くなると前置胎盤になるケースが多く。出産に伴う大出血で、輸血をしたり、それ相応の措置をしなければ命に関わるという経験をされた女性も多くいらっしゃいます。

いまでこそ、出産リスクを医療でカバー出来る部分が多くなって来ましたが。多くの戸籍を取得されている方なら、お気づきの通り。
35歳以上の出産で母親や、子供が亡くなるケースが恐ろしく高いのが一昔前の現状だったりするのです。

6人7人という子供達を残して、母親が死亡した時。
父親は、子育てに手が回らず途方にくれるケースが殆どです。

しばらくは、親・親戚の女手を借りて、子育てを凌いでみるものの。
喪が明けない内に、後添えを貰うということも珍しく無かったようです。

幼い頃に母親を亡くし、後妻さんに育てられた子供達は『母親』と言えば『継母』なのです。子供達が大人になり、結婚し。産まれた子供を『孫』として見せるのも『継母』。

そうなのです、先祖調べをしていき。
『母』として話しを聞けた、大事な女性である継母の戸籍は『傍系』として取得する権利すら有していないケースが殆どなのです。

例外として、養子縁組されていれば、直系尊属として戸籍は取得出来ますが。養子縁組をしているケースは、古ければ古いほど稀だと思われます。
(父親が違う場合の多くは、養子縁組をされているはずです)

色々なケースは有ると思いますが。
主に、傍系で戸籍を取りたい!と言う場合に多いのは・・・。
①継母が育ての親だった。
②祖母が後妻で、前妻さんについて知りたい。
私の周りでは、そんなケースが大多数だったりします。

前置きが非常に長くなりました。

我が家のケースは、まさに先に書きましたケースです。

同居していた祖母は、実母の6人目の子供。
母親は、妹を出産して死亡。
まだ、祖母が3歳の時でした。

祖母は大人になり、戸籍が必要で取得するまで、継母を実母と思い育ってきたそうです。私が両親から聞く「曾祖母」は、当然ですが継母さんです。

しかしながら、私には継母さんの戸籍を取得する権利はありません。
直系尊属では無いからです。

大好きな祖母を育ててくれた女性ですから、当然戸籍が欲しい訳です。
そんな時。
戸籍を取得するための唯一の方法は、正統な権利を持っている方に頼み委任状を出して貰うことです。

私の場合は、祖母の末弟。
戸籍を見た時点では、既に亡くなっていると思っていた方です。
親戚に聞き込みをしていきますと「まだ○○さんはご健在よ」という情報が飛び込んできました。

全く、面識も無く。
戸籍で初めて知った祖母の弟、しかも継母のお子さん。
恐る恐るお手紙をすると、快く委任状に応じてくれました。

そう、この委任状さえ有れば継母さん側の家系も調べられるのです。
ただし、委任状でどこまでの範囲を取得して良いかは絶対に確認しておきましょう。トラブルの元になります。

委任状って初めてで、何をどうやったら良いのか分からない。
と言う方に、アドバイスを少し書いてみようと思います。

① 戸籍は転籍すると、市町村を跨ぐことがあります。
→市町村が用意している委任状フォームは『○○市長様』と言う様な様式になっています。転籍をして市町村を跨いだ場合使えなくなります。

一例として、静岡市がwebで配布している委任状フォーム。
見ていただければ分かる通り宛先が『静岡市区長』になっています。
これで記入していただいた場合、静岡市内でしか使えない場合が殆どです。

一例として委任状フォーム

それに対して、こちらは川崎市の郵送請求ページにある委任状。
こういった、フォームで書いて貰った場合。どちらでも利用可能です。

一例 委任状フォーム

上記の様なフォームでしたら、自分でWordなどを使い作成することも可能です。その場合は、前もって役所に電話をし。委任状として必要な記載項目を確認した上で作られる事をお勧めします。

②委任状は原本を提出します。コピーは不可。
その際に、ほとんどの市町村はお願いすれば委任状を返却してくれますが。
何も伝えずに請求を掛けると、委任状の原本は戻って来ません。
「基本的に、当市は委任状の返還はしておりません」
という事を仰る所もあります。その場合は戻って来ません。

出来れば、複数枚委任状を記載して貰うことをお勧めします。

また、請求者は身分証明(免許証やマイナンバーのコピー)を求められますが、委任者の身分証明を求められたことは今の所ありません。
ご不安でしたら、免許証のコピーをいただいても良いかも知れません。

私の場合は、まだ何も知らない状態で大叔父様がお元気な内に!と、市町村の長宛てが入った委任状でいただいてしまいました。

結果的に、県外に転籍されており・・・。
「別の町村の長宛ての委任状は使えません」
と断られてしまい、未だ途中までしか義曾祖母様の戸籍は取得出来ておりません。こう言ったケースもありますので、ご注意いただけたらと思います。

若い方へお願いする場合は、また出して貰えば良いや。で済みますが。
ご高齢の方となると、記載もままならなくなるのも時間の問題ですし。
慎重に委任状を扱った方が良いケースになります。

後日談として、別件で委任状を若い方にお願いしたことが有りました。
その際は、しっかり2枚。
個人の方が作成された委任状の型を使って請求を掛けました。
この方の戸籍は、市町村を4つ跨いでおり意外と手間取りました。

とある北関東の市町村では
「委任状は本来、回収するものなのですけれどね」と嫌味を言われつつ。
問題無く、戸籍を取得することが出来。
委任状も渋々ですが、返還して貰うことが出来ました。

今の所、お二方に委任状をいただいたのみですので。
色々なケースや、色々な体験談が巷には溢れているとは思いますが。
先祖調べをされる皆様の一助になればと思って書いてみました。

以上、委任状で戸籍を請求したお話でした。

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やまゆき
大変光栄です!ありがとうございます❤️